鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2024-01-01から1年間の記事一覧

データウェアハウスを自前で構築する

[要旨]サイゼリヤの元社長の、堀埜一成さんによれば、かつてのサイゼリヤでは原価計算が行われていなかったそうですが、堀埜さんが社長に就いてから、会計情報を収集し活用するためのデータウェアハウスを自前で構築したそうです。そして、その構築には多…

コスト管理のために数字を自分でつくる

[要旨]サイゼリヤの元社長の、堀埜一成さんによれば、例えば、コスト削減という指示を店に出すと、単に、補修費など、自分の裁量で減らせるところを削るだけになってしまうなど、適切な判断ができなくなってしまうので、それを防ぐために、どういった費用…

おいしいから売れるとは限らない

[要旨]サイゼリヤの元社長の、堀埜一成さんによれば、例えば、そば粉よりも小麦粉の配分が多いような立ち食いそばチェーンの方が、そば粉10割の手打ちそばの個人店より、はるかに世の中に受け入れられていますが、それは、そば粉だから、手打ちだから、…

『魅力的品質』より『当たり前品質』

[要旨]サイゼリヤの元社長の、堀埜一成さんによれば、サイゼリヤは「当たり前品質」を提供することに徹していたそうです。なぜならば、ひとつの店でしか出せないような際立った特徴を持つ商品は、多くの店舗で安定的に提供することは困難であり、かえって…

株主中心主義の行き過ぎは危機を招く

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、米ボーイング社が経営危機に陥った背景には、自社株買いや高額配当など、過度の株主還元を進める反面、飛行機の開発資金を出し渋ったり、従業員を冷遇するなど、長年にわたって『現場軽視』を続けてき…

経営者は原理原則から逃げてはならない

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営者が『原理原則』をないがしろにした瞬間に、組織は弛緩するということです。例えば、経営者が安全よりも利益を優先した瞬間に、誰も「安全第一」という原理原則を信用しなくなるので、荒川さんは…

『仕組み』づくりは経営者の社会的責任

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、会社に不祥事が起きると、株主をはじめとするステークホルダーに多大な迷惑をかけることになりかねないので、それを防ぐための仕組みをつくっておくことは、経営者の社会的責任だということです。例え…

悪い報告でなければ報告とは認めない

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、同社のCEOの時、部下からよい報告を受けた時、「そんなはずはない、順調にトラブルは起きるもんだ、そんな報告は信じない、第一、よい報告は必要ない、悪い報告でなければ報告とは認めない」と返事するこ…

コンサルタントの限界を経営者が補う

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営の当事者でなく、また、責任を負わないコンサルタントは、本質をついた戦略提案ができますが、その戦略には現実が反映されていないため、それを丸飲みすると、改革は失敗してしまうということです…

正論を提示するコンサルタントの活用

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、優秀なコンサルタントは経営に活かすべきであり、その理由は、会社の価値観やしがらみから自由で、社内の「空気」を読む必要のない外部のコンサルタントは、遠慮なく「本気論」、「正論」を提示するこ…

『優れた計画』は組織を自由にする

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、リーマンショックの前から、国際競争力が低い同社の工場を閉鎖しなければならないと考えていたそうですが、リーマンショックが起きたとき、現場から工場閉鎖の前倒しの提案が寄せられ、円滑にそれを実行でき…

ローリングプランであるべき姿に近づく

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、荒川さんがCEOの時、本社中枢が決めた計画を現場に割り振る仕組みと、現場が立てた目標を積み上げる仕組みをハイブリッドさせる方法で中期経営計画を策定していたそうです。こうすることで、子会社ごとに…

使いこなせない人は事業計画に否定的

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、事業計画が組織の硬直化を招き、競争力を損ねてしまうリスクがあると、事業計画に否定的な人もいますが、それは、そのような人たちが事業計画というツールをうまく使いこなせていないからだということ…

コミュニケーション抜きに人は動かない

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、荒川さんが若い時に、同社のタイの工場で、現地の従業員の方に適正な在庫管理を行うよう依頼したとき、荒川さんには権限がなかったことから、なかなか受け入れてもらえなかったものの、十分に話し合い…

権力者は部下から騙し絵を見せられる

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営者に対しては、幹部たちは忖度しているようには見えないように忖度したり、経営者本人も気づいていない心理的な癖を見抜いて、巧妙に経営者の歓心を買おうとしたりするので、それは経営者にとって…

経営者に届いた企画書は“妥協の産物”

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営者は常に「手元に届いた企画書は“妥協の産物”である」と認識したうえで、「この企画が、本来持っていた価値を失っているかもしれない」と認識しなければならないということです。なぜなら、起案者…

ジョブ型雇用の人材は『戦闘力』が高い

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、ジョブ型雇用の人材を増やすと、会社の縦割化が進みますが、そのような人たちがもたらす成果は「戦闘力」が高く、会社の競争力を高めることができます。したがって、これからは、ジョブ型雇用による人…

任せることでモチベーションを高める

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、同社のタイ現地法人のCEOだったとき、他部署では疎んじられている人が部下として転任してきましたが、第二工場の建設を任せたところ、彼はもともと工場建設に関する知識が豊富だったこともあり、荒川さん…

“ロバ扱い”されると不信感を招く

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、いわゆる成果主義は従業員のモチベーションを高めるためのひとつの手法にはなるものの、従業員の方の多くは同僚に勝つことにあまり執着しておらず、効果に限界がある上に、従業員の方の中には、経営者から「…

短期的な投資効率よりも長期的な持続性

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、かつての名門企業だったのコダックは、デジタルカメラが主流になり、フィルムの需要がなくなったことで倒産に至りましたが、それまでは、配当の多い会社として投資家から高く評価されていました。すな…

コストカットではなくムダ遣いの削減

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営者の中には、利益を確保するという名目で、機械的にコストカットを行い、一時的に利益を増やす人もいますが、それは、従業員の負担を増やしたり、品質の劣化を招いたりすることになり、早晩、競争…

指標改善のための操作は体質悪化を招く

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、経営指標を改善するために、数字を直接操作しよとすることは避けなければならないということです。例えば、ROE・ROAなどの経営指標の見栄をよくしようとして、自社株買いや資産売却をすると、結…

自己資本利益率ではなく総資産利益率

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんは、同社CEOに就任してすぐに、ROA(総資産利益率)を主たる経営指標に据え、「5年間で6%にする」という数値目標を設定したそうです。ROE(自己資本利益率)を経営指標にする会社も多い一方で、荒川…

経営指標は『毒』にも『薬』にもなる

[要旨]ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんによれば、会社を経営するにあたっては、経営者としては目標とする数値を掲げることは重要ではあるものの、目標とする数値と多く選択しすぎると、従業員たちの活動が散漫になり、かえって、事業活動が非効率にな…

気づきを行動計画に基づいて実践させる

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、上司の働きかけによって、部下が気づきを得ることができても、それに基づいた学びを実践しなければ、現実は変わることはないので、部下が気づいたことに基づいてどのように行動するのか、いつまでに…

部下を尊重すると上司も尊重される

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、ある職場で上司に反発する従業員がいたので、リーダーが腹を据えて彼女に仕事がうまくいかない理由について尋ね、それを改善することを約束したところ、彼女は自分が尊重されたことに喜び、それ以降…

質問によって部下の気づきに働きかける

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、部下が気づきを得て成長してもらうためには、リーダーはそれを促すために効果的な質問をすることが大切ということです。例えば、あるプロジェクトが失敗した際、「何が間違っていたのか?」と「何を…

伝えたことを部下自身にも話してもらう

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、リーダーの指示を部下に理解して行動してもらうには、頭だけで理解してもらうのではなく、自らの体験と重ね合わせて『こういうことを言っているんだな』と自分なりに心で理解できるように工夫するこ…

尊重して向き合うと相互理解が深まる

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、かつて、ゆっくり仕事をしたり話をしたりする部下を持つリーダーが、その部下にイライラしていたので、相手に合わせて接してみることを薦めたそうですが、そのリーダーは、部下の動作に合わせて、話…

リーダーのアドバイスは『指示』になる

[要旨]エグゼクティブコーチの鮎川詢裕子さんによれば、部下に成長してもらうためには、部下に自分で考える機会を与えなければならないものの、部下に対しての上司のアドバイスが実質的な指示になってしまい、考える機会を奪ってしまっていることがあるの…