鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

フィージビリティ・スタディ

[要旨]ネスレ日本の開発したネスカフェアンバサダーは、当初、事業所向けのコーヒーマシンを販売しようとしたものでしたが、フィージビリティ・スタディを通して、マシンは無料で提供し、コーヒー代でマシンの代金を回収する方法することで成功するに至り…

調査からイノベーションは生まれない

[要旨]マーケティング活動の最初の手順は市場調査ですが、市場調査はマーケティング活動の目的に合ったものを行わなければ意味はありません。例えば、これまだになかった商品サービスを生み出すための調査である場合、エクストリームユーザーや、まったく…

サービス・ドミナント・ロジック

[要旨]サービス化の進展を背景として、たとえモノとしての商品であっても、その商品が果たすべき機能はサービスにほかならず、サービスこそが商品の効果の源泉であり、商品とサービスを二分する従来の区分は意味をなさないと、2004年頃から主張される…

製造業のサービス化

[要旨]現在は、商品の機能や品質に大差がなくなり、価格競争に陥るコモディティ化に対応するために、製造業がサービス分野へと進出する『製造業のサービス化』も進んでいます。そこで、これからは、製造業であっても、製品そのものの性能を高める活動とあ…

地球上で最もお客さまを大切にする企業

[要旨]マーケティングの基本的な考え方は、顧客思考ですが、Amazonは、その考え方に基づいて、マーケットプレイスというサービスで、競合相手の商品も自社プラットフォームで販売しています。このことは、かつての常識では、自社の収益機会を減らす…

マーケティング・コンセプトは顧客起点

[要旨]かつて、米国の鉄道会社は、鉄道事業だけに焦点をあてていたため、他の移動手段を提供する事業には進出せず、自動車や航空会社などに顧客を奪われしてまいました。顧客にピントを当て、自社の事業を輸送事業ととらえていれば、斜陽産業にはなってい…

マーケティングとセリングは相補う関係

[要旨]ドラッカーは、「マーケティングはセリングを不要にすること」と説明しましたが、実は、両者は相補うものと言えます。現実的には、マーケティングに注力しても、セリングが必要なことは少なくありません。また、マーケティングがしっかりしていれば…

ニーズとウォンツのかけ算

[要旨]売り込まずに売れる商品を開発するには、顧客を起点に考え、顧客のニーズ(欠乏)と、ウォンツ(欲求)を把握し、分析します。そして、いずれかが低い場合、それを高めることによって、ニーズとウォンツの両方が高い商品となり、売り込まずに売れる…

マーケティングは販売を不要にする

[要旨]事業の目的は顧客を創造することですが、それを実現するために、マーケティングを実践することが有効です。しかし、マーケティングは、販売活動のことと理解している会社が多く、本来のマーケティングである、販売を不要にするしくみをつくることを…

使命は『失敗しないリフォームの実現』

[要旨]かつて大阪ガスにご勤務されていた鈴木隆さんは、国内初のリフォーム仲介サイト、「ホームプロ」を立ち上げました。同業他社では、広告料収入を増やすために、加盟会社を増やしていましたが、鈴木さんは、顧客の失敗しないリフォームの実現という使…

事業の目的は利益を得ることか?

[要旨]一般的に、事業の目的は利益を得ることと考えられています。しかし、利益を得ることを曲解し過ぎると、法令に触れることをしてでも利益を得ようとすることもあります。また、法令に触れなくても、顧客の信頼を欠くようなことをしてしまうこともあり…

暗黙知のままではナレッジは流出する

[要旨]会社の事業活動によってナレッジは積み重なり、それが多くなるほど、それは会社の強みになります。しかし、ナレッジは、暗黙知として長年勤めた従業員の頭の中に蓄積されるので、形式知にされないままであると、他の従業員にナレッジが伝えられない…

将来世代のコストは産業界が負担すべき

[要旨]元厚生労働事務次官の村木厚子さんは、将来世代にかかるコストは、企業が負担すべきと考えておられます。その理由は、優秀な人材が育成されれば、企業はその人材を活用でき、また、若い世代が増加すれば、自社の顧客が増えることにもなるからです。…

人気店は従業員満足度で差をつける

[要旨]約70万人のキャンセル待ちがいる、人気店の頭専門のもみほぐし店の「悟空のきもち」は、経営者がセラピストの意見を十分に聴き取り、快適な職場を提供するように努めていることが、サービスの向上を通して、顧客満足度を高めているようです。これ…

顧客5千社のうち1年で2千社が流出

[要旨]ある雑誌社は、年間購読社数が約5千社ありますが、そのうち、約2千社が流失していたそうです。これを、コンサルタントに分析してもらうまでは気づかなかったことから、その後、既存顧客の流出にも対策を講じるようにしたそうです。このように、経…

ニーズの広さや深さは人材の育成で実現

[要旨]ニーズの広さに対応するドトールコーヒーはピードを、ニーズの深さに対応するスターバックスコーヒーは心づかいを、それぞれ従業員のレベルで実現し、競争力を高めています。すなわち、ニーズを広めたり高めたりするためには、商品そのものだけでな…

良いものを安く売ることが企業の使命?

[要旨]マーケティング戦略の多くは、広く浅くを志向するものか、狭く深くを志向するものかに分かれます。そして、広く浅くを志向するマーケティング戦略は低価格戦略でもあり、狭く深くを志向するものは高付加価値戦略でもあります。[本文]今回も、前回…

デザインの改善によりニーズを広げる

[要旨]かつては、若い女性は、ファッションを気にしてババシャツを買いませんでしたが、デザイン性を改善したことにより、静かなヒット商品となりました。このように、デザインの改善は、ニーズを広げる手法として効果があります。[本文]今回も、前回に…

用途を拡大することでニーズを広げる

[要旨]米国の重曹メーカーは、重曹をいろいろな用途で販売することでニーズを拡大しました。このような用途を拡大する戦略は、同じ製品でニーズを拡大できることから、効率的な戦略であると言えます。[本文]今回も、前回に引き続き、中小企業診断士の佐…

新しい標的顧客を設定しニーズを広げる

[要旨]かつて、男性は化粧はしないものと考えられていましたが、現在は、男性の間でも化粧が浸透し、男性用の化粧品が販売されるようになっています。このように、自社の製品を、従来の標的顧客から、別の標的顧客に販売することで、商品のニーズが広がり…

顧客コミュニティでニーズを深める

[要旨]ハーレーダビッドソンでは、ユーザー同士が交流するグループを提供していますが、このコミュティにより、メンバーは、さらにハーレーのヘビーユーザーになり、同社の収益を高めることにつながります。ただし、コミュニティを提供する場合、その運営…

顧客教育で商品のニーズをより深める

[要旨]スターバックスコーヒーは、かつての、単なる飲み物のひとつだったコーヒーを、おしゃれな飲み物、自分でカスタマイズできる飲み物といった、いわゆる、セカンドウェーブに変えていきましたが、そのために、品揃え、パンフレット、ウェブサイトなど…

こだわりの商品でニーズを深める

[要旨]スターバックスコーヒーでは、アラビカ種という、深い焙煎に耐える豆だけを、スターバックスローストと呼ぶ深煎りで焙煎するなど、非常にこだわった商品を提供することで顧客の共感を得ており、そのことが、商品のニーズを深めています。このような…

ニーズの深さとマーケティング戦略

[要旨]たばこの銘柄などのように、顧客からの支持が強く、競合する商品に顧客を容易に奪われにくい商品は、ニーズが深いと言えます。逆に、ミネラルウォーターのように、顧客から見てあまりこだわりがない商品は、ニーズが浅い商品です。そして、ニーズの…

ニーズの広さに合わせたマーケティング

[要旨]販売する商品には、多くの人が購入する、ニーズの広い商品と、少数の特定の人が購入する、ニーズの狭い商品があるので、ニーズの広さに合わせたマーケティング戦略を行う必要があります。ただし、現在は、ニーズの広い商品では競争に勝ちにくくなっ…

売上の構造に対応したマーケティング

[要旨]同じ売上高でも、それは、少数の顧客がリピート購入しているのか、1~2回しか購入しない顧客が多数いるのかによって、マーケティング戦略が異なるので、自社の売上は、どのような構造になっているのかを把握することが重要です。したがって、売上…

正しい流れよりもモレのない流れ

[要旨]潜在顧客から、実際に商品を買ってもらえるようにするためには、認知してもらう、興味をもってもらう、競合する商品と比較してもらうなどの流れをつくり、その過程で止まることのないようなものになっているか検証することが必要です。この場合、流…

マーケティング戦略の全体最適を目指す

[要旨]会社では、業績を高めるために、いくつかのマーケティング戦略が実行されますが、しばしば、それらの整合性がとれないために、会社全体としてマーケティング戦略がうまく機能しないことがあります。したがって、経営者の方は、自社が実践しているマ…