鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

神は細部に宿らせるようにするためには

[要旨]ビジネスパーソンは忙しい状況に身を置いていると、目の前のことだけに気をとられがちです。その結果、全体としては目的を達成できないミスを起こしてしまうことになりかねません。したがって、自分の仕事を常に俯瞰しながら活動できるようにするこ…

リスクへの備えが利益の増加につながる

[要旨]ビジネスにはリスクがともないますが、リスクへの備えを行っていない経営者も少なくないようです。その理由は、リスクへの備えはコストがかかる活動ととらえられがちだからのようです。しかし、リスクへの備えがなければ、より大きな損失が発生して…

回収不能の売掛金の会計処理(2)

[要旨]売掛金支払いが遅延している会社が、まだ倒産していない段階であっても、回収の見込みがなくなったときは、貸倒引当金を計上し、実質的に、売掛金を資産から外す会計処理を行います。このような保守的な会計処理を行うことで、財務諸表は会社の実態…

回収不能の売掛金の会計処理(1)

[要旨]販売先が、法的に倒産したり、倒産に至らないまでも、回収が見込めない状態になったときは、その売掛金は貸倒損失として計上しなければなりません。ときどき、貸倒によって利益が減少することを明確になることを避けるために、この会計処理を行わな…

リスク管理としての取引先の分散

[要旨]売掛金が回収できず、自社の事業が継続できなくなってしまう事態に至らないようにするためには、社内でリスク管理体制を整えることが基本です。また、ひとつの取引先が倒産したことによる自社の影響を少なくするためには、取引先の分散も考慮するこ…

売掛金回収不能にともなう資金繰対策

[要旨]売掛金が回収不能になったときは、そのことをなるべく早く銀行に報告することが得策です。さらに、銀行から融資などの支援が必要なときは、取引先が倒産した会社向けの自治体の制度融資などを申請し、早期に、事業改善のための体制を整えるようにす…

売掛金回収が遅延している会社の倒産

[要旨]売掛金の回収が遅延している相手が倒産したり、夜逃げしたりすると、回収する側の立場は極めて不利になります。そこで、その後は、弁護士などの専門家に煩雑な手続きを委ね、自社の役員、従業員は、売上増加のための前向きな活動に労力をあてること…

売掛金の遅延している相手への交渉

[要旨]売掛金の回収が遅延している相手が、引き続き事業を継続しているときは、速やかに回収交渉を行います。そして、直ちに全額を支払ってもらえない場合は、分割して回収することになりますが、回収が滞らないよう、適宜、接触を続け、回収の確実性を高…

売掛金の遅延は社内で情報を共有する

[要旨]売掛金の回収遅延については、常に、状況を把握し、社内で情報が共有できるようにしておくことが必要です。さらに、それに基づいて、直ちに販売担当者が遅延している相手の状況を把握し、その結果をもとに、今後の対応方法を社内で決定します。この…

遅延している売掛金回収業務の役割分担

[要旨]回収が遅延した売掛金は、初期段階は販売担当者、回収懸念がある段階は専門の担当社が管理することが妥当でしょう。さらに、そのような役割分担は、社内規定で明確化しておくことによって、管理業務の押し付け合いを防ぐようにすることが必要です。…

販売担当者への与信権限の明確化

[要旨]販売担当者には、取引先への掛販売額の権限を持たせることで、販売活動の最終的な目的は、利益を得るということを意識することができるようになります。このことで、不採算な取引を回避したり、販売先の業績の良し悪しを意識したりするようになるで…

事業拡大とリスク管理

[要旨]事業規模が拡大するにつれて、回収不能になる売掛金が増えるなど、リスクも増加します。そこで、あまり高くする必要はありませんが、管理活動にも一定の労力を注ぐことが大切です。避けなければならないことは、リスク管理をまったく行わないまま事…

売掛金を100%回収することは不可能

[要旨]売掛金が回収できなくなると、その分が損失となりますが、そもそも売掛金を100%回収することは不可能です。そこで、不可避であることを避けようとすることよりも、売掛金が回収できなくなりそうになったときはどうするかということを、前もって…

マネジメントとリーダーシップの違い

[要旨]九州大学大学院の小城教授によれば、マネジメントは「決められた目標を達成するために部下をしっかりと管理する」ことが目的であるのに対し、リーダーシップは「大きなビジョンを描いて大勢の人を巻き込んで実現していく」ことが目的と説明していま…

新たなことへの挑戦は利益につながる

[要旨]新たなことに挑もうとするとき、メリットとデメリットの両方に直面します。しかし、変化しないことは退化することでもあり、長期的には業績にも悪い影響があります。そこで、新たなことへの挑戦をするときに迷う経営者の方は、それが利益を生むこと…

自分の強みは自分では気づきにくい

[要旨]自分では自分の強みに気づかないことは少なくないようです。そこで、自分の強みは何かということを、他の人にきいてみることで、自分では気づいていなかった強みを見つけることができるかもしれません。さらに、それを仕事に活かすことで、容易に競…

譲渡担保融資と債権譲渡

[要旨]事業再構築補助金を受け取る権利を担保として利用する融資を、譲渡担保融資といいます。また、同補助金を受け取る権利を銀行に買い取ってもらう、債権譲渡により資金を調達する方法を債権譲渡といいます。いずれも、補助金の交付決定を受けた会社の…

創業時は計画だけで融資が受けられる

[要旨]創業者向けの融資は、実績が出ていない会社に対し、事業計画書だけで融資審査を受けることができる、唯一の機会です。したがって、創業時には、なるべく融資を受けることで、ビジネスチャンスを広げられるようにしておくことが得策です。[本文]今…

融資申込にあたっては金額の根拠を示す

[要旨]運転資金のための融資について、一度に多くの金額で申し込もうとする経営者の方は少なくないようですが、少額に分けて複数回申し込むことの方が、トータルの労力は少なくなります。また、資金繰予定表を作成することで、融資申請の労力を少なくする…

銀行も取引先のひとつ

[要旨]自社の業績が悪い時は、銀行と接触することは気が進まないという時もあります。しかし、自社がピンチのときこそ、銀行からの支援が欠かせません。そこで、銀行も取引先のひとつと考え、緊密な接触を行うことが大切です。[本文]今回も、税理士の佐…

なぜ事業計画書が必要なのか?

[要旨]融資の申し込みに際し、事業計画書を作成することは避けたいという経営者の方もいますが、事業計画書を作成することは、自社の事業計画の客観性を高める、説得力が高まる、経営者の当事者意識が高まる、事業の実現可能性を確認できるという利点があ…

売上しか見ていないと儲からない

[要旨]起業した経営者の方は、自分の得意分野に没頭してしまう結果、納品までの管理や、代金の回収までの管理が疎かになり、売上はえるものの、利益を得られなくなるという例もあるようです。したがって、経営者は、得意分野だけに没頭することなく、事業…

私募債を活用する3つの理由

[要旨]日本レーザーの近藤社長は、(1)会社のイメージアップができる、(2)金利や償還方法が有利である、(3)個人保証が不要であるという理由で私募債による資金調達を行っています。私募債は、手続きが難しいというデメリットもありますが、それ以…

在庫を増やさない6つの方法

[要旨]日本レーザー社長の近藤さんは、在庫は常に売れるものだけにしようと考え、避けられない不良在庫の発生を除去するための利益を得たり、定期的な実地棚卸を実施しています。すなわち、同社の在庫は、事業活動の結果ではなく、社長の意思を反映させる…

無借金経営と実質無借金経営

[要旨]無借金経営は、融資をまったく受けていない会社で、一方、実質無借金経営は、融資を受けているものの、その額を上回る金融資産を持っている会社です。そして、リスクに備える観点からは、無借金にこだわらず、銀行との関係を深めるためにも、銀行か…

ガードレールがあるから安心できる

[要旨]心理的安全性のない職場は、定着率が低くなったり、従業員の士気が下がったりするので、業績も高くなりません。そこで、心理的安全性を高めるための経営者の行動が大切になります。ただ、それは、自分についてこいという伝統的なリーダーシップでは…

売らない店はどう考え出されたのか

[要旨]最近は、リアル店舗で売らない店が登場しましたが、それは、商品の実物は、リアル店舗でなければ見ることができないという強みを活かした戦略です。このような発想に至るには、クロスSWOT分析や、価値連鎖分析が活用されていると考えることがで…

地銀の店舗減少による融資取引への影響

[要旨]日本経済新聞によれば、地方銀行の店舗の3割、3,000店舗に削減の余地があるそうです。今後、地方銀行は経費削減のために、店舗削減を進めるため、融資取引は、専門部署が受け付けることになる例が増えると思われます。[本文]日本経済新聞が…

高額なコンサルティングフィーの注意点

[要旨]コンサルティングを受けても、その内容の難易度が高かったり、自社に合わないものであったりした場合は、コンサルティングが奏功せず、コンサルティングフィーが無駄になってしまう可能性があります。したがって、コンサルティングを受ける場合は、…

実力者の解任が起きる会社の問題点

[要旨]山口銀行などの親会社の山口フィナンシャルグループでは、おかしな手順で前会長の解任が行われました。これについては、前会長と他の役員のどちらに問題があるかは別として、だまし討ち的な解任が行われるような特殊な事情があったことは確かであり…