鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

成長率15%の法則

[要旨]税理士の児玉尚彦さんによれば、売上高が年率15以上で成長する会社は、融資を受けなければ資金不足になるそうです。したがって、ビジネスチャンスを逃さないようにするためにも、売上が伸びている会社は、迅速に会計取引を記録したり、管理会計を…

BSのスリム化はダイエットと同じ

[要旨]事業活動でキャッシュフローを増やすためには、棚卸資産、売掛金、固定資産などの中身を見極めて、無駄な部分をなくすことが大切です。しかし、そのための管理活動は、ある程度の労力が必要であり、中小企業では継続することはあまり容易ではないこ…

キャッシュフローで融資返済能力を示す

[要旨]銀行は、融資相手の会社の返済能力があるかどうかを、キャッシュフロー(=税引後利益+減価償却費)が十分かどうで判断しています。したがって、経営者の方は、融資返済額以上のキャッシュフローを得ることができるよう利益目標を設定し、それが達…

目指す状態は実質無借金経営

[要旨]銀行に、いつでも融資全額を返済できる額の預金をしたまま融資を受ける状態、すなわち、預貸率(=預金額÷融資額)が100%以上となる状態を、実質無借金経営といいます。これは、実質的には無借金の状態でありながら、融資を受けていることになる…

銀行との良好な関係は『切り札』になる

[要旨]中小企業の中にも、手許資金が潤沢な会社があり、そのような会社は、もし、自社の資金繰が悪化したときに銀行から融資を受ければすむと考えていることもあるようです。しかし、融資取引が初めての場合、業績が悪化した状態では、銀行からは融資を断…

融資を受けただけでは会社は倒産しない

[要旨]経営者の方の中には、融資を受けるべきではないと考えている方は少なくありません。確かに、多額の融資を抱えて倒産した会社はありますが、その原因は融資を受けていたことではなく、事業そのものに問題があったことが原因です。したがって、融資を…

悪い情報を伝えると融資承認が得られる

[要旨]銀行から円滑に融資を受けることができる会社は、毎月、銀行に自社の業況の報告を行ない、自社の悪い情報も伝えることができている会社です。それは、銀行との強い関係を作った結果と言えます。したがって、自社がピンチになっても、その改善のため…

優良会社は“借り渋り”をしている

[要旨]業績のよい会社であっても、銀行から有利な条件で融資を受けるために、その時点で融資を受ける必要がなくても、銀行から融資セールスを受けた時に、融資を受けて、恩を作るようにしています。そうすることで、低利で融資を受けることができるように…

債務償還年数は10年以内が原則

[要旨]銀行が融資審査を行うときは、債務償還年数を重視しています。これは、融資総額をキャッシュフロー(=営業利益+減価償却費)で除した数値で、5年以内が理想、10年以内が目安と言われています。そこで、中小企業はキャッシュフローを増やす努力…

8倍の融資を得る利益のレバレッジ効果

[要旨]税引前利益が2,000万円だとすると、税引後利益は1,200万円であり、それは、約5倍の1億円の融資を可能にすると言われています。したがって、利益を繰越すために支払う800万円の法人税は、8倍の融資を調達するためのコストと考えるこ…

融資は最も有利な資金調達方法

[要旨]融資は、支払利息が経費になるので、実質的なコストは、法人税率相当額を差し引いた額になります。内部留保は、繰越利益のうち、法人税を差し引いた額になるので、その法人税が調達コストになります。出資のもともとの原資は、オーナー会社の場合、…

在庫30日ルールで資金効率を高める

[要旨]過剰な在庫は資金効率を下げ、それは利益を減らすことになります。そこで、在庫の効率化を意識して事業活動を行うために、在庫30日ルール、すなわち、30日を過ぎた在庫は、割引販売などで処分するというルールを採り入れることで、事業の効率化…

手許資金に余裕があるとチャンスが拡大

[要旨]会社の手許資金は、中小企業の平均では、月商の1.5か月分と言われていますが、2.5か月分以上が望ましいようです。こうすることで、経営者は融資申請の労力を減らすことができたり、ビジネス拡大の機会にも能動的に臨むことができるようになり…

資金繰の円滑化は付加価値を得ること

[要旨]銀行から融資を受けると、自社でもうけたお金とそれが合わさってしまい、区別がつきにくくなります。そのため、事業活動で得られた付加価値が少ないと、融資返済と利息支払いができなくなります。そのため、資金繰を円滑にするには、銀行からの融資…

日本銀行は政府の一部

[要旨]日本銀行は、物価と金融システムの安定のために活動をしている、広い意味での政府の一部の機関です。したがって、そのための活動の結果が、仮に赤字になったとしても、その赤字を批判することは妥当ではありません。[本文]前回は、一橋大学の野口…

日本銀行の自己資本比率は最高で12%

[要旨]一橋大学の野口名誉教授は、金利上昇によって、日本銀行の保有する国債に含み損が発生し、日本銀行が債務超過になることを懸念すると述べておられます。しかし、日本銀行は、そもそも、一般の会社と異なり、会計規定で自己資本比率が8%から12%…

金利上昇時に日銀納付金は減少するが…

[要旨]一橋大学の野口悠紀雄名誉教授は、金利が上昇すると、日本銀行の保有する国債の含み損に相当する額が、当座預金の支払利息相当額となって実現し、それは、日本銀行の国庫納付金を減らすことになると批判しています。しかし、これは金利の上昇すると…

ゼロゼロ融資はゾンビ会社を生むのか?

[要旨]ゼロゼロ融資などの支援策が、ゾンビ会社を延命する原因になっているという批判がありますが、ゾンビ会社かどうかという判断は、事後的でなければ分からないこともあり、結果として、ゾンビ会社の可能性のある会社にも支援をすることは避けることが…

採算が上がるのは制度ではなく人の思い

[要旨]京セラの事業の急成長の要因は、アメーバ経営や会計学などの、緻密な経営管理システムであると言われることがあります。しかし、稲盛さんは、良い採算制度があるから採算が上がるのではなく、現場の人たちが採算を挙げようと思うから上がるとご指摘…

セラミック石ころ論

[要旨]在庫の中には、売れる見込みがないものが、どうしても発生してしまうことから、そのような在庫は、直ちに廃棄することが大切です。ただし、在庫を廃棄することは損失が発生することになるため、現場の従業員は、廃棄に躊躇してしまいがちです。しか…

一対一対応の原則

[要旨]事業活動で、ものやお金が動いたときは、必ず、伝票を起票して、直ちに会計取引を記録しなければなりません。会社によっては、伝票だけを先に起票し、後からものが動いたり、また、その逆のことをしたりして、会計データを偽ったものとすることが行…

土俵の真ん中で相撲をとる

[要旨]銀行は、会社がピンチになると、融資取引を解消しようとします。そこをなんとか切り抜けて安心してしまうと、またピンチが訪れると、また、大きな労力をかけることになります。そこで、もう少し努力を続けて、利益を積み上げていくと、会社がもっと…

現金主義と発生主義

[要旨]利益は、本来は、事業活動が終わったときに残った現金額のことでした。しかし、現在は、事業活動が連続して行われていることから、販売代金を後に受け取る場合であっても、収益は、販売した時点で発生するという、発生主義で利益を認識することにな…

収益のうめき声と自己資本の泣き声

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラが急速な事業展開ができたのは、経営の状態を一目瞭然に示し、かつ、経営者の意志を徹底できる会計システムを、黎明期から構築備し、それによって経営を進めることができたからと述べておられます。したがって、会社を発展さ…

会計を理解せずに真の経営者になれない

[要旨]稲盛和夫さんは、経営者にとって、会計は重要だと説いておられます。それは、経営者は飛行機の機長のような役割を担っており、事業を適切に運営するためには、機長がコックピットに示される数値を読み取り、飛行機を安定させるように、経営者も会計…

『値決めは経営』は体系的な意思決定

[要旨]製品の価格は、注文を失わなずに、顧客が喜んで買ってくれるものとすることが、自社の利益を最大化することになるので、経営者が行うべき重要な事項です。しかし、それを実践できるようにするためには、自社製品の競争力を高めたり、採算管理の仕組…

歩積み・両建て預金は常識でなく方便

[要旨]昭和34年の京セラ創業当時、同社が銀行で手形割引をするたびに、当時の慣行で、手形割引額の一定割合を預金させることが行なわれていました。これに対し、稲盛さんは、原理原則に反するものと考えていましたが、経理担当者などからは当たり前のこ…

原理原則を守らない会社に将来はない

[要旨]京セラ創業者の稲盛和夫さんは、機械の実際の耐用年数が、法定耐用年数より短い場合、有税償却となっても、実際の耐用年数で減価償却することにしているそうです。これは、法定耐用年数に従って償却することは、会計の原理原則に反することになると…

パナソニック製電気自動車は実現するか

[要旨]パナソニックは、自動車電機メーカーのテスラに電池を納品していますが、パナソニックはモーターも製造しているので、自社で電気自動車を製造できる能力があります。そういった機会を逃すことはもったいないことであり、日本の会社に製品開発力の高…

システムクラウド化は金融庁の働きかけ

[要旨]地方銀行のシステムのクラウド化は、金融庁が、地方銀行の統合を促すために、システム統合の費用を抑えることができるよう、ITベンダーに働きかけたとの報道がありました。このような環境整備により、地方銀行の統合(合併)は、ますます加速し、…