鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

補助金の事業計画書は融資とは異なる

[要旨]補助金を申請しようとする経営者の方の中には、補助金が採択されるような、完成度の高い事業計画を作成することに苦心している方も多いようです。その原因のひとつは、普段は、事業計画をあまり作成していないことが考えられます。しかし、競争の激…

味の素を使わなくしてもらうには

[要旨]ある主婦の方は、義母が料理に味の素を多用することを不快に感じていました。一方で、義母は玄関を綺麗にすることを大切にしていたので、その主婦も玄関を綺麗にすることで、義母は味の素を使うことをやめてくれました。このように、相手の価値観を…

失敗をするなというと報告が来なくなる

[要旨]失敗を減らそうとして、部下に「失敗してはならない」とプレッシャーをかけた場合、失敗がなくなるどころか、失敗が起きても報告されなくなるだけでなく、さらにそれらが深刻化してしまいます。したがって、失敗が起きたときには、それを隠すことな…

低利融資とモラルハザード

[要旨]現在は、信用度の低い中小企業も、政府の支援策によって低金利で融資をうけることができます。特に、コロナ禍であれば、それは妥当ですが、ポストコロナになった時は、政府の支援策は最小限にとどめ、信用度に応じた金利を支払うようにならなければ…

経営者の役割と値決め

[要旨]製品の価格決定で苦心している会社の経営者の方は、事業戦略をきちんと立案していないということが考えられます。そこで、そのような会社の経営者の方は、自らの役割を、単に、製品を製造して販売するだけでなく、戦略を立案し、それを遂行、管理す…

コーポレートガバナンスコードと監督

[要旨]東京証券取引所では、コーポレートガバナンスコードを定め、会社で監督業務の強化を求めています。これは、会社が持続的に成長するためには、取締役会によって監督がしっかりと行われることが大切という考え方によるものです。[本文]先日、弁護士…

心理的安全性

[要旨]職場に心理的安全性がなければ、多様な個性のある従業員がいても、自分の意見を発言しにくく、その個性を十分に発揮することができません。そこで、環境変化の激しい時代は、従業員が個性を発揮し、組織活動が活性化できるよう、職場の心理的安全性…

プロダクトアウトよりもマーケットイン

[要旨]会社員から独立して起業しようとする方の多くは、自分のキャリアをそのまま活用して起業してしまいますが、その場合、必ずしも需要があるとは限らないため、失敗してしまうことがあります。そこで、需要がある事業を探し、それに、自分のキャリアを…

取引銀行の合併と預金保険

[要旨]取引銀行が合併すると、2行で2,000万円だった預金保険の保護額は1,000万円に減少します。しかし、実際にペイオフが発動されることは考えにくいので、なんらかの対策をとることは不要でしょう。または、当座預金などの決済性預金は保護額…

ダンスを口伝えで引き継ぐ高校生

[要旨]京都市伏見区にある、橘高校の吹奏楽部では、部員が自発的にダンスを採り入れ、かつ、後輩を育成するという、能動的な活動が行われています。構成員がこのような活動をする組織は、大きな成果が得られると考えられるので、一般の事業会社の参考にな…

大きな組織だからこそ情報伝達は重要

[要旨]みずほ銀行のATM障害の発生に関し、同行の頭取は、社内からではなく、発生後、3時間以上経ってから、ネットニュースで知ることになりました。このことは、対応策を遅らせ、被害を大きくすることになりました。このような情報伝達体制の整備の巧…

誰と結婚しても結果は同じ

[要旨]作家の山口拓朗さんは、夫婦はお互いに自分の鏡(投影)であるので、相手に嫌なところがあれば、自分を変えることで、相手の嫌なところもなくすことができるといいます。これは、会社の上司と部下の関係にもあてはまるものなので、経営者の方は、こ…

組織人格と個人人格

[要旨]組織の参加者は、各々の価値観を持っているので、組織活動をする際には、組織としての価値観を調整する必要があります。このとき、自分の価値観を別の価値観に変えるのではなく、組織の参加者として、別の人格を持っていると考えると、調整が円滑に…

株主を軽視する日本の会社の風土

[要旨]2020年7月に開かれた、東芝の株主総会は、公正に運営されなかったという報告が行われました。しかし、日本では、経営者が株主を軽視する行為が行われても、関心を持つ人が少なく、それを防ぐ制度が整備されても、それを無視する事例が繰り返さ…

投資も投機もどちらも善

[要旨]本当は、社会的には重要な役割を担っている投機について、イメージ的に悪いことであると受け止めてしまう人もいます。しかし、イメージだけで判断してしまうことは、ビジネスチャンスを逃すことにもなるので、注意が必要です。[本文]野村証券OB…

キャッシュフローの源泉も検討が必要

[要旨]事業活動においてキャッシュフローを増やすことは大切です。その管理は、主に会計的な観点から行いますが、実務的には、会計的な観点だけでは限界があり、外部環境や内部環境などの環境分析の観点からの検討も必要になります。[本文]経営コンサル…

DXと顧客体験価値

[要旨]DXは、GAFAなどが、顧客体験価値を高めることによって、事業を成功させた概念を指します。したがって、情報化武装をする時は、単に、情報技術を導入するだけでなく、CXが高まっているかどうかまでを、検討することが大切です。[本文]先日…

バイブルを否定する

[要旨]人は、安易に、バイブルなどに正解を得ようという気持ちを持っていますが、特に、経営者は、正解を外部に求めず、自ら考えて決断することが基本です。そして、経営コンサルタントは、経営者の意思決定の支援を行うことが、主な役割と言えます。[本…

ゾンビ会社に対する社会的な評価

[要旨]ゾンビ会社の中には、ポテンシャルが高いにもかかわらず、大きな会社との取引で、正当な利益を得ることができず、業績が悪いという会社もあります。したがって、ゾンビ会社を支援の対象から外すにあたっては、公正な取引が確保できることが保証され…

ゾンビ会社をどう見分けるのか

[要旨]中小企業の財務諸表の数値は正確でないことが多いので、単純に、財務諸表の数値だけで、支援すべき会社かどうかを判断することは妥当ではありません。したがって、現時点では、支援の対象としない会社について、広く議論して行くことが大切です。[…

政府のコロナ対策とゾンビ会社

[要旨]コロナ禍での、政府の民間会社への金融支援は、その影響の大きさに鑑みれば、当然のことですが、一方で、本来なら淘汰されるべき、生産効率の低い、ゾンビ会社も延命させてしまうとの指摘もあります。しかし、ゾンビ会社かどうかを見分けて支援を行…

資本主義経済と自由主義経済

[要旨]よく、資本主義経済という言葉が使われることがありますが、それは、労働力も商品であるという誤った考えに基づく考え方であり、資本主義経済は実在しません。現在、資本主義経済という言葉が使われるとき、その多くは、実際は、自由に経済活動が行…

利益の繰越額と納税額は比例する

[要旨]利益を繰越すことで、利益剰余金が増加すれば、事業活動は、より安定します。ところが、繰越す利益額を増加させようとすると、納税額も増加します。経営者によっては、納税額を少なくしたいと考える方もいますが、できる限り納税し、それと同時に、…

資産超過と債務超過

[要旨]事業活動で赤字の状態が続くと、赤字が累積し、利益剰余金がマイナスになります。さらに、資本金などの金額を超えてマイナスになると、自己資本そのものがマイナスになるので、負債が資産を上回る状態である、債務超過に陥ることになります。[本文…

資本取引・損益取引区分の原則

[要旨]会計の慣行では、株主から受け取った資金と、利益の蓄積は、明確に区分することを求めています。これは、株主から受け取った資金は、社外に流出させてはならないという考え方に基づくものです。[本文]前回、会社の自己資本は、株主から受け取った…

純資産のうちわけ

[要旨]会社の自己資本(純資産)は、資本金以外にも、事業活動で得られた過去の利益の蓄積を示す金額も含まれています。会社は、決算期ごとに、事業活動で得られた利益から、税金と配当を差し引いた残りを、利益剰余金として、自己資本を増加させます。ま…

資本金と純資産

[要旨]日本銀行の総資産は714兆円である一方で、資本金は、わずか1億円です。よく、会社の規模を示す基準に、資本金が使われることがありますが、資本金は意図的に変えることができるので、純資産や総資産を使って示すことの方が妥当と思われます。[…

社長の仕事は仕事をしないこと

[要旨]宮田運輸では、みらい会議を開くことによって、従業員の方が能動的に改善活動を行うようになりました。ただ、そのような会社では、社長の「出番」が減ることになりますが、社長の役割は、仕事をしないことということを認識する必要があります。[本…

管理型経営から委任型経営で業績を改善

[要旨]社長が管理型で経営に臨むと、従業員の方は受動的な活動を行うようになるため、十分な力が発揮できなくなります。そこで、現場の意見をくみ取るための会議を開催することで、従業員の方は能動的な活動を行うことができるようになり、その結果、業績…

事業計画は数字にして検証する

[要旨]事業構想や事業計画は、頭の中だけで考えていると、実現できると思ってしまいがちですが、数字にしてみると、達成がむずかしいということが分かる場合もあります。したがって、事業構想などは、頭の中だけで考えず、実際に数値に表して検討すること…