鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

本当の需要

よく、自社製品の販売を促すために、 プロスペクト理論による キャッチフレーズを薦める人を 見かけます。 プロスペクト理論の典型的な例は、 コインを投げて表がでれば、 20,000円がもらえるが、 裏が出れば何ももらえない。 ただし、コインを投げな…

よいサービスは気づかれない

先日、ある雑誌の記事で、 コメダ珈琲さんについて 分析している記事を読みました。 コメダ珈琲さんでは、あえて、 「階段で上がる店舗にはしない」 そうです。 これは、「普通に歩くうちに店の入口に 到達するように」するためだそうです。 繁盛しているお…

陰徳の考え方の薦め

私は、陰徳の考え方を薦めています。 もちろん、陰徳については、 すでに多くの方が理解され、賛同し、 そして実践されておられます。 また、私のような途上にあるものが、 他の方に向かって「陰徳を薦める」と 述べる資格も持っていません。 ただ、ここで述…

資金不足の本当の理由

私は銀行職員であったことから、融資の申し込みの仕方については頻繁にご相談を受けます。 融資を受けたい会社さまは、もちろん、資金が足りないから融資を受けたいと考えているわけです。 ところで、「事業を営む以上、資金不足になるのは当然」と言われて…

ダム式経営

稲盛和夫さんが書いた本によれば、かつて、稲盛さんは、松下幸之助さんの講演を聴きにいったそうです。 その講演では、松下さんがダム式経営についてお話しされていたそうです。 ダム式経営とは、いざという時に備えて資金や人材を蓄えておくというものです…

合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)

いま、合成の誤謬が景気がよくならない原因のひとつとしてあげられています。 合成の誤謬を具体例で述べると、景気の先行きが悪いために、個人では将来に備えて貯蓄を増やすものの、その行動は、社会全体からみると、景気をますます冷え込ませてしまう原因に…

価値を生み出しているもの

だいぶ前のことですが、経営コンサルタントの石原明さんが、ご自身が制作しているポッドキャスト番組で、「テーブルにあるタッチパネルの端末で注文を受けている飲食店は、残念なお店だ」という主旨のお話しをされておられました。 これは、「飲食店」は「飲…

習慣が信用を高める

私が銀行で働いているときのことですが、めったにはないものの、顧客から罠をかけられそうになったということを何度か経験をしています。 具体的には、「2,000万円の融資を申し込んだのに、なぜ、1,000万円しか申し込んでいないことになっているの…

銀行にとって給与振り込みは赤字

給料日の後には銀行のATMに大勢の列ができます。 私は、この列を見ると、「こんなにたくさんの人が銀行に来るのに、この人たちからあまり収益を得られないなんてもったいない」と考えてしまいます。 このように書くと、「銀行は利用者からお金を預かって…

ベンチャーキャピタルの薦め

私が、中小企業の資金調達について、不思議に感じていることのひとつが、ミドルリスクの資金調達方法が少ないということです。 というのは、現在の銀行の融資利率は、おおむね3%以内に収まっています。 しかし、銀行からみて、融資利率が3%以内というの…

7万円の日本酒

作家の竹田恒泰さんが、テレビ番組で、「もし、TPPが発効したら、日本酒は値上がりする」という主旨のことをお話しされていました。 これは、竹田さんがヨーロッパを旅行した時、日本では1万円程度で売られている日本酒が、ヨーロッパでは7万程度で売ら…

強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ

ドイツの元サッカー選手のベッケンバウアーが残した言葉、「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ」は有名です。 言うまでもないですが、これはビジネスの世界にもあてはまるでしょう。 私も、「あのようなビジネスのやり方は、感心できない」と思う…

担保があれば融資を受けられるか

最近の報道機関の記事を見ると、「銀行は、担保に依存する融資から脱却すべき」といった批判的に書かれています。 このような見方は、必ずしも間違ってはいませんが、かといって、100%正しいとも言い難いでしょう。 私としては、30%程度も当てはまら…

融資利率2%の意味

銀行から融資を受けている中小企業は多いと思いますが、融資利率はどれくらいでしょうか? もし、2%の利率であれば、まあまあ満足できるとお感じではないでしょうか? ところで、この2%という利率はどうして決まるのかと考えたことはあるでしょうか? 恐…

成功すると思って起業したのに…

起業した人のすべては、事業が成功すると思っているから起業したのでしょう。 極あたりまえのこごです。 でも、必ずしもすべての人が成功するとは限らないということも、多くの方が分かっています。 では、成功する人とそうでない人の違いは何かというと、そ…

「建前」を受け入れる覚悟

私がコンサルタントとして助言をする機会はたくさんありますが、その助言に対して「そんなのは建前だ。それができるようなら、最初からコンサルタントに相談はしない」と言われることもしばしばあります。 私もコンサルタントとして、相談された方ができない…

二流映画

先日、不思議な力を持つ正義の騎士が宇宙を舞台に悪者と戦うSF映画の新シリーズのひとつが封切られました。この映画のシリーズは世界的に人気で、大きな影響を与えていますが、1977年に公開された最初の作品については、前評判も低く、著名な俳優にも…

カタカナとアルファベットに注意

「わが社のコア・コンピタンスは〇〇です」、「わが社では、KPIで業績管理を行っています」、「このたび、株式会社〇〇〇〇〇を設立し、CEOに就任しました」、「当社のスキームによって、よりセキュアなソリューションを提供できます」ここまで極端で…

社長は誰が選ぶのか

「会社の社長(=代表取締役)は誰が選ぶのか」という質問の答えは、多くの人が意外と知っているようで知られていないと私は実感しています。一般的には、設立されたばかりの会社はその会社を起こした人が社長に就きます。いわゆるオーナー会社の場合は、社…

使い途はなくても融資を受けるべきか

「いまは融資を受けるほど資金は不足していないが、将来、本当に融資を受けなければならないときに備えて、銀行から融資を受けることにした」という考えを持つ経営者の方にときどき会うことがあります。これについては、100%正しいとは言えないまでも、…

多くの銀行職員は決算書を読めない

銀行は融資先を厳しくチェックしているイメージがありますが、実は、すべての銀行職員が決算書を読めるとは限りません。むしろ、融資の実務経験がない銀行職員の方が多いようです。その要因としては次のようなものが考えられます。 (1)銀行の仕事の幅が広…

融資の裏技は不経済

私が銀行を退職し、コンサルタントとして開業して間もないころは、よく、融資を受ける時の裏技について尋ねられました。そういった相談者の方の経営する会社は、当然、業績はあまり良くないから裏技を使いたいということになります。そして、とにかく、いま…

事業計画の目的

融資のご相談を受けるとき、「融資が通りやすいよう事業計画書を作って欲しい」というご依頼を受けることがあります。これについては、「経営者の頭の中にある事業の構想を、正確かつ効果的に銀行に伝わるように書面にして欲しい」ということであれば理解で…

決算書の意義

「決算書は会社の実態を示しているか」ということについては、改めて述べるまでもなく、多くの人が解説しているので、ここでは、決算書の意義について書きます。 「現金は事実。利益は意見」という言葉が示すように、決算のポイントとなる利益は、経営者の方…

率先垂範の効用

先日、ポッドキャスト番組で社会保険労務士の内海正人さんとお話をしたとき、内海さんから「部下に仕事の報告をして欲しければ、まず、自分が部下に報告をするようにするとよい」というアドバイスをいただきました。すなわち、自分がして欲しいことについて…

名器の音色には気づかない

天才ヴァイオリニストのジョシュア・ベルが、5億円のヴァイオリン、ストラディバリウスを、ワシントンD.C.の地下鉄の駅でお忍びで演奏したという、ワシントンポストの企画は有名で、1,000人近くが彼の前を通っても、足をとめる人は7人、お金を入…

裏付けのないスピードアップ

仕事はもれなく迅速に行うことが望ましいということは言及するまでもありません。しかし、どうしてももれがあったり、思ったより時間がかかってしまいがちです。さらに、私が感じるのは、所要時間は予定内であるように見えて、実はもれが多く、結果として予…

決算書のよしあしは何か

ある会社さまから融資のご相談を受けたときに、私から「この決算書だけでは、うまく貴社の状況を銀行に伝えられない」とお伝えしたところ、「この決算書は税務署で受理されている。何が問題なのか」と経営者の方から返答されたことがあります。これは、経営…

なぜ経費を支払うのか

簿記について習った方ならすぐに分かることですが、例えば、従業員の方への研修費は、その支出をした会計年度の経費として会計上の処理が行われます。その結果、会計上はそのお金は会社に残らないことになります。しかし、研修費を支出する判断の中には、研…

黄信号で停止する

先日、私の知人のお父さまが他界されました。その知人から聞いたお話しですが、お父さんは乗り合いバスの運転士として定年まで勤めあげた方だそうです。お父さんが定年を迎えて最後に運転したバスには、家族全員がそのバスに乗って、永年の勤務の労をねぎら…