鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

会社の利益は職場の安全性に比例する

[要旨]平鍛造の前社長の平美都江さんは、フォークリフトの事故で弟を亡くしたことから、職場の安全性を最優先し、ルールの制定やたくさんの投資をしました。その結果、従業員の方たちの士気が高まり、安全対策のコストの何倍もの利益を得られるようになり…

金融検査マニュアル廃止の英断

[要旨]かつて存在した金融検査マニュアルは、いわゆる短コロ融資を不良債権とみなしたり、実態として不良債権のチェックリストになっていたりするなどの弊害がありました。これらに対し、金融庁元長官の森さんは、自らの問題点を認め、金融検査マニュアル…

人への投資の開示制度

[要旨]内閣官房の非財務情報可視化研究会で、人的資本可視化指針が検討されています。現在は、人への投資をすることが、業績を高める重要な要素であることから、人への投資の状況の開示によって、投資家や銀行は、資金提供しようとする会社への評価を、よ…

コスパ重視の需要に応じる体制構築

[要旨]業務スーパーは、コストパフォーマンスを重視する需要に応じるため、従来の商品にない製品開発や販売方法によって業績を拡大してきました。したがって、これからは、新たな需要を見つける「鼻の利く」経営が競争力を高めるカギになると考えることが…

新生銀行の金利1%の定期預金の戦略

[要旨]新生銀行は、新たに金利1%の預金の取扱を始めましたが、グロービス経営大学院の斎藤教授によれば、これは、同行の預貸率が高い特徴を活かした戦略であると分析しています。これに対し、私は、同行が、実質的なネット銀行であることから、顧客との…

経営者保証免除に応じる時の経済合理性

[要旨]経営者保証ガイドラインには、経営者が保証債務整理を銀行に求めた場合、銀行は、それに誠実に対応することが望まれると規定しています。しかし、それによって、必ずしも、経営者の金銭的負担が軽減されるわけではなく、経営者が自己破産を免れたと…

リーダーは自動車のハンドルを握ること

[要旨]リーダーの役割は、自動車のドライバーになって、自らの責任で、どのような道を進むかを判断しながら、同乗者を目的地に運ぶようなものです。それにともなって、リーダーは責任を負うことになりますが、それと同時にさらに技術を磨こうという意欲を…

リーダーシップ・キャパシティ

[要旨]伊賀さんは、日本では、リーダーシップの総量である、リーダーシップ・キャパシティが不足していることが、日本の会社の競争力が強くならない原因であると指摘しています。これは、日本では、他者依存的な人が多く、カリスマリーダーの出現を期待し…

自分の仕事のリーダーは自分

[要旨]マッキンゼーでは、自分が自分の仕事のリーダーとなって仕事を進めます。したがって、組織図も、自分が中心にいる放射状の組織図になっています。このような体制をとることで、組織の構成員の多くがリーダーシップを発揮し、大きな成果につながりま…

誤った決断は決断しないことに優る

[要旨]ビジネスの場では、決断すべきときに、失敗したときの責任を負いたくないという理由で、決断を先延ばししたり、決断を避けたりすることが、しばしば見られます。しかし、決断しないことは、何の学びも得られないことから、誤まることになったとして…

救命ボートの漕ぎ手を選ぶ基準

[要旨]日本では、組織の構成員の和を乱さないようにすることが優先されることがしばしば見らせます。しかし、その度合いが大き過ぎると、組織の目的がなかなか達成できなくなり、そのことは、組織自体の存在の意味をなくしてしまいます。したがって、組織…

リーダーシップは全員に必要

[要旨]外資系企業では、従業員全員にリーダーシップを求めますが、それは、全員がリーダーシップをもつ組織は、一部の人だけがリーダーシップをもつ組織より、圧倒的に高い成果を出しやすいからです。これは、外資系企業では、リーダーにはチームの使命を…

日本リスキリングコンソーシアムが発足

[要旨]デジタルデバイドを緩和するためのトレーニングプログラムを提供する機関である、日本リスキリングコンソーシアムが発足しました。いま、日本では、情報技術リテラシーを持つ人が少なく、そのことが会社の競争力が高まらない要因になっていることか…

法隆寺のクラウドファンディング

[要旨]コロナ禍の影響で収入が減った法隆寺は、境内の整備費用をクラウドファンディングで募ったところ、2千万円の目標を半日で達成しました。このような、法隆寺を支援しようとする人たちがいることは、法隆寺にとって、貸借対照表には表れない「無形の…

銀行は積極的に助言するとは限らない

[要旨]金融機関は融資相手の会社の財務状況に異常があったとしても、必ずしも、それを告げるとは限りません。そのままであれば、自社の事業が行き詰るリスクは高まることから、定期的に、金融機関が自社をどのように見ているのかを尋ね、助言を求めること…

戦闘機無人化でパイロットは無価値に?

[要旨]現在は、優れた会計ソフトによって、多くの経理処理を省力化できるようになりました。しかし、会計に関する情報に基づく経営判断は、経営者自身が行わなければならないことに変わりはありません。したがって、会計処理を省力化できたとしても、適切…

成功者にならなければ成功はありえない

[要旨]成功するためのノウハウである程度は事業を成功に近づけることはできますが、それは、他社からの「ノウハウ」に頼ったものであり、経営者が自らの実力で事業を成功させたとは言えません。本当の成功は、経営者が経営者としての能力を高めた結果、得…

商品にこだわりがあるとうまくいかない

[要旨]マクドナルドは、ハンバーガーを販売することで成功したわけではなく、アルバイトでも同じ味のハンバーガーを作ることができる仕組みを作ったことから成功しています。したがって、商品だけにこだわりすぎて、その商品を提供する仕組み作りが疎かに…

ホームランではなくヒットを打つ

[要旨]事業で成功するには、経営資源の量が多い会社や、経営資源の質が高い会社のように、何か派手なことをするというイメージを持っている方も多いようです。しかし、必ずしも、派手さはなくても、他社を模倣して、少しの改良を加えるという地味な手法で…

ブルーオーシャンの発見で業績を伸ばす

[要旨]や台ずしは、22年間で店舗数が282店に増加しましたが、これは、リーズナブルな寿司を食べながらお酒を飲みたいという需要をとらえたことによるものです。これからは、同社のように、新たな需要を発見し商品やサービスを提供することが、重要に…

ハラスメントの再生産

[要旨]小学生の発明したランドセルについて、ヤフーニュースで多くの批判のコメントがつきましたが、これら批判のための批判のようです。日本には、このような、イノベーションの芽をつぶそうという人の存在が少なからずあり、イノベーションが起きにくい…

創業時に個人保証を求めない新しい制度

[要旨]岸田総理大臣は、信用保証制度において創業時に個人保証を求めない新しい制度を創設すると表明しました。このことは、起業時の障害を減らすことにつながりますが、融資審査は、より、事業の内容を重視することになると思われます。[本文]6月2日…

ボトルネックの発見と解消が最重要課題

[要旨]平鍛造の前社長は、導入後3年しか経っていない1億円の回転炉が故障したとき、生産が停止し、今後、ボトルネックになることを懸念し、買い替えすることを決断しました。このような、改善策を決断することは容易なことではありませんが、それを決断…

物事に100%はない

[要旨]平鍛造の前社長の平都美江さんは、社長在任時に、新しい機械を活用し、事業を改善してきました。その際、従業員たちからは、いままでの仕事のやり方を変えることに抵抗を示されましたが、改善することのメリットを根気よく訴えることで、改善を実施…

真のCEOは『源流』

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんは、「ビジョナリーカンパニー」を読み、自社もビジョナリーカンパニーになろうと考えたそうです。その結果、自社の企業理念を制定し、それを自社の真のCEOと位置づけたそうです。そして、それに従って、自ら…

商品ではなく購買体験を販売する

[要旨]ドン・キホーテは、商品を販売しているのではなく、他店では決して味わうことのできない購買体験、時間消費をお客さまに提供しているという考え方で事業に臨んでいます。しかし、そのように事業をとらえること、また、それができたとしても、それを…

個人商店主システムによる権限委譲

[要旨]ドン・キホーテは、圧縮陳列による販売方法が支持され、業績を伸ばしてきましたが、開店当初、それを理解し実践できる従業員がいなかったことから、創業者の安田さんは、担当売場、仕入、陳列、値付け、販売までを各従業員に丸投げする権限委譲を行…

金融機能強化法のコロナ特例の初事例

[要旨]5月に、きらやか銀行が、公的資金注入の要請の検討を始めたと公表されましたが、これは、新型コロナウイルス感染症等に関する特例が設けられてから初めての事例になるとみられます。同行の申請をきっかけに、これから、別の銀行からも公的資金注入…

世代をまたがった恨みつらみ

[要旨]地方には論理的な意思決定よりも、情緒的な意思決定がいまだに尊重される土壌があり、それが地域創生活動の中で誤った決定が行われる要因になっています。したがって、そのような情緒的な意思決定をなくすことが、地域活性化の成功の要因のひとつに…

客観的な助言ではなく主体的な行動

[要旨]地方創生プロジェクトが失敗するときの理由には、事業計画の作成を外部コンサルタントに丸投げし、また、事業計画の良し悪しが成功の要因と考えてしまうことがあげられます。しかし、プロジェクトを成功させるには、コンサルタントに助言をもらうこ…