鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

挑戦させなければ部下は成長しない

[要旨]ニトリでは、従業員の方に成長してもらうために、部下に挑戦する機会を与えるようにしているそうです。その際、もし、部下が失敗したとき、上司が助けてくれないと分かっていると、部下は挑戦を避け、成長しなくなるので、上司が部下の失敗の責任を…

『配転教育』で部下の長所を見つける

[要旨]ニトリでは、従業員の方を計画的に配置転換する方法で、人材育成をしています。配置転換する中で、従業員の方の適性がわかり、従業員の方の長所を活かすことができるようになります。このような方法は、効果が現れるまでに時間がかかるものの、確実…

生涯設計キャリアアップシート

[要旨]ニトリでは、会社が長期目標と短期目標を作成しているのと同様に、従業員の方にも生涯設計キャリアアップシートを作成してもらっています。このことによって、各自の目標と、会社の目標の平仄を揃えることができ、会社の目標を達成するための活動に…

自分自身が成長するための場が会社

[要旨]ニトリ会長の似鳥さんは、従業員の方に、給与面で報いようとすると同時に、会社を自分の成長を感じることができる場にしてもらおうと考え、それに取組んできました。このように、成長を感じてもらえるようにすることは、授業員の方の士気を高め、さ…

数字の入らない会話は仕事ではない

[要旨]ニトリでは、かつては、社内で数字を入れずに会話をしていたため、抽象的でわかりにくく、無駄と失敗が多い状態になっていたそうです。そこで、現在は、従業員の方の会話には、必ず数字を入れるように働きかけているそうです。同社の発展は、従業員…

売る努力よりも売れるシステムづくり

[要旨]ニトリでは、チェーンストアの考え方に基づき、「売る」努力を求めるのではなく、会社として「売れる」状態をつくることを実践してきました。これは、チェーンストアでは、仕組み(システム)をつくることが重要であるという考え方ですが、この考え…

ウィークリーマネジメント

[要旨]ニトリでは、週次決算(ウィークリーマネジメント)を取り入れています。これは、30年計画を、10年、1年、四半期、週に分解し、長期的な目標を確実に達成できるようにすること、そして、問題への対処を迅速に行うことができるようにすることが…

コロナ禍での中小企業の経営の二極化

[要旨]現在は。多くの会社で、ゼロゼロ融資の元金返済が始まりつつあります。それと同時に、業績を立て直し、融資を返済可能な会社と、業績を改善できず、融資の返済が困難な会社とに分かれているようです。そこで、業績がまだ改善できていない会社は、早…

商品の絞り込み戦略が成功した要因

[要旨]八天堂は、倒産の危機に立った後、商品をくりーむパンに絞り込むという、リスクの大きな戦略をとり、それを見事に成功させたことから、著しく事業が拡大しました。そのような、果敢にリスクの高い戦略に挑んで成功できた要因として、コミュニケーシ…

グループメールでベクトルを一致させる

[要旨]八天堂では、かつて、社長と社員全員の間で、グループメールを使って、コミュニケーションを活発にしていました。その結果、社員の結束力が強まり、同社の事業回復の要因になりました。現在は、従業員の士気が業績に大きな影響を与える時代であるこ…

会社は経営者の所有物ではなく公のもの

[要旨]八天堂社長の森光さんは、かつて、会社と自分の公私混同をしていたことを反省し、幹部社員には、財務状況を公表し、ガラス張り経営を実践しています。そのことが、従業員の方たちの参画意識を高め、同社の業績のV字回復の要因のひとつになっている…

健全経営とは利益の範囲で投資すること

[要旨]八天堂では、自己資本比率70%を目標としています。これは、新たな投資は、得られた利益の範囲内で行うこと、すなわち、無借金経営により、会社の健全性を維持しようとする考え方によるものです。自己資本比率が高いことは、必ずしもよいとは限り…

月次での改善策実施がV字回復の鍵

[要旨]八天堂では、倒産の危機に立ってから後、毎月、15日に完成する前月の財務諸表に基づいて、改善点を分析し、それに対処するという基本的な活動を行っています。こうすることで、より正確な改善策を迅速に実践できるようになり、それが、同社の業績…

銀行からのショック療法

[要旨]パン製造業の八天堂は、かつて、債務超過に陥ったとき、銀行から融資支援の停止を告げられ、また、弁護士から破産手続きの打診を受けました。しかし、それは、銀行担当者が、危機感のない社長に対して、本気になって欲しいというショック療法だった…

集団奉仕バイアス

[要旨]人間は、現在の結果は、過去に起きたことが原因となっている、すなわち、因果関係があると思いたがる習性があり、そのことが、自社が成功した時は、自社の能力が優れていると感がてしまう、集団奉仕バイアスを起こします。その結果、判断を誤り、新…

同じ業界で同じ戦略でも業績は異なる

[要旨]米国では、ポーターの提唱するポジショニング戦略と、バーニーの提唱する企業能力を重視する戦略の、どちらが重要かという2人の学者の間での論争がありました。これについては、経営環境が複雑化する中にあっては、企業能力を重視すべきという意見…

経験曲線効果とPPM

[要旨]PPMは、1970年ころの米国のコングロマリットが、事業部の管理を容易にするために考案されました。PPMの軸のひとつが相対的市場シェアとなっているのは、事業展開をするかどうかの判断を、市場シェアで行っていたためです。もうひとつの軸…

経営戦略に定型的な答えなどない

[要旨]会社の経営環境は、個々の会社ごとに異なるので、それぞれに適した経営戦略も異なります。そこで、効果の高い経営戦略を策定するには、まず、SWOT分析や5フォース分析などの手法をつかって、外部経営環境や内部環境分析を行わなければなりませ…

組織は戦略に従う?戦略は組織に従う?

[要旨]「組織は戦略に従う」と唱えたチャンドラーも、「戦略は組織に従う」と唱えたアンゾフも、著書や論文などを読むと、2人とも、組織と戦略は互いに影響するので、事業を成功させるためには、両方とも重要であると述べていることがわかります。したが…

労働者は『経済人』ではなく『社会人』

[要旨]20世紀の初め、テイラーは、労働者は経済的な価値観で行動するという研究結果を発表しましたが、その後、メイヨーらの研究で、労働者は、経済的な価値観よりも、社会的な価値観で行動するようになってきたということがわかりました。したがって、…

八十二銀行が長野銀行を子会社に

[要旨]八十二銀行が長野銀行を子会社にすることにより、長野県の地域銀行は1行になります。その結果、両行の店舗網の合理化は大きく、また、リーディングバンクとしてのイニシアティブも、より大きなものとなります。したがって、地元中小企業は、より銀…

社員をサーフィンに行かせる企業風土

[要旨]パタゴニアでは、社員が豊かで満ち足りた生活を送って欲しいという考え方に基づき、フレックスタイム制度を導入し、勤務時間中にサーフィンに出かけることができるようにしています。このことが、社員のモチベーションを高め、また、自社製品のユー…

利益は仕事と製品の品質に比例する

[要旨]パタゴニアでは、財務は各種事業を支える基礎ではなく、他部門を補う存在だと考えています。これは、製品の品質を高めることで利益が得られるという考え方であり、同社ではロイヤルカスタマーを増やすことで利益を増やしています。ただし、これを実…

利益は顧客からの信任票

[要旨]登山用品の製造販売をしているパタゴニアは、50年以上、業績を伸ば続け、また、環境保護のための寄付を続けています。そのような理念を貫くことができたポイントは、利益は顧客からの信任票と考え、顧客から支持を得られるための活動を忠実に実践…

教育研修はインプット管理しかできない

[要旨]多くの経営者が重要と感じている人材投資は、因果関係が複雑で、管理可能性、予見性が低く、目標管理とはなじみません。しかし、それを理由に人材投資を避けることは、より難易度の高い経営戦略の実践の妨げとなりますので、効果測定が困難であって…

職務記述書はコミュニケーションツール

[要旨]人材マネジメントの手法のひとつに、職務記述書の活用がありますが、これを詳細な部分まで記述してしまうと、従業員の方の自由度が失われてしまうという欠点があります。しかし、上司が部下に対してどのようなことを期待しているのかを両者で確認し…

個別性と第一線の自律性が重要

[要旨]セブンイレブンジャパンの実質的な創業者の鈴木敏文さんは、地域ごとの商品需要に応えるためには、第一線の自律性が重要だと考え、どのような品揃えをすべきか、アルバイトスタッフを育成したり、エリアマネージャーが情報を共有したりしています。…

『長期的視点』と『自律』が経営の基本

[要旨]米国の製薬会社であるジョンソン・アンド・ジョンソンは、自社製品の鎮痛剤を服用した顧客が7名死亡したことから、直ちにそれを全米から回収しました。結果として、死亡の原因は鎮痛剤と無関係だったのですが、同社の対応は国民から評価を受け、直…

『後工程はお客様』の概念と全体最適

[要旨]トヨタかんばん方式は、中間在庫を最小化し、無駄な在庫を排除する仕組みですが、そのことは、同時に、バッファーが少なくなり、生産ラインのどこかが停止してしまうと、直ちに、ライン全体に影響してしまいます。したがって、生産に携わる従業員の…

顧客接点体験によるブランディング戦略

[要旨]スターバックスコーヒーは、競争力を高めるために、時間と費用をかけて人材育成を行なっています。これは、同社は顧客に想像以上の接客を行うことを戦略としているからです。したがって、それを実践するために必要な人材育成を遂行することが、経営…