鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

VUCAの時代の収益要因は現場にある

[要旨]ミスターミニットの元社長の迫さんは、同社の業績不振の原因を探っていった結果、現場と経営者層との間で溝があり、そして、経営者層が現場を軽視しているということに気づきました。そこで、迫さんは、現場と経営者層をつなぐパイプを改善する必要…

相殺による融資の回収は有効な手段

[要旨]銀行は、民法で規定されている相殺によって、担保になっていない預金であっても、それで融資を回収することができます。ただし、相殺するには一定の要件があり、また、銀行が安易に相殺を行うことは権利の濫用となるため、いつでも相殺できるという…

融資相手の会社の預金は実質的な担保

[要旨]銀行から融資を受けている会社が、融資を断られた後に、その銀行の預金を解約しようとすると、その解約金で既存の融資の返済を依頼されることがあります。これは、銀行は、融資相手の会社の預金を、担保契約をしていなくても、実質的な担保と判断し…

成功の復讐

[要旨]組織文化は、成功体験によって形成されるものの、経営環境が変化すると、かつての成功体験が経営環境への対応の妨げになることがあります。そこで、組織文化は、それを形成することを目的とするのではなく、競争優位を維持することを目的とする観点…

組織文化は心理的エンジン

[要旨]経営コンサルタント遠藤功さんによれば、組織風土とは、企業が危機的な状況に陥らず、安定した経営を行なうためには不可欠な、『心理的基礎』であるのに対し、組織文化とは、競争力を高めるための『心理的エンジン』だそうです。したがって、経営者…

組織は『言えない化』に陥るのが普通

[要旨]赤城乳業は、『何でも自由に言える会社』を目指し、自由闊達な組織風土を醸成して業績を高めています。具体的には、(1)『言える化』を実践する『場』の設営、(2)『言える化』を加速する『仕組み』の構築を実践しています。そして、経営者は、…

コオウンド経営

[要旨]良品計画は、2021年に打ち出した中長期計画の中で、コオウンド経営の実践を掲げました。コオウンドとは、「社員が所有する会社」という意味ですが、社員が大株主となることで、「自分たちの会社」という意識が高まり、社員一人ひとりがオーナー…

経営者は役割を遂行するために演じる

[要旨]経営コンサルタントの遠藤功さんによれば、日本でパワハラがなくならない理由は、経営者がマネジメントに関して学んでいないからだと指摘しています。そこで、自分自身の実体験だけを根拠に、『素』のまま部下をマネジメントしようとしてしまうよう…

『伝える』ではなく『伝わる』が重要

[要旨]経営コンサルタントの遠藤功さんによれば、組織風土が劣化する過程で、組織内のコミュニケーションが不足するとご指摘しておられます。すなわち、多くの経営者は「コミュニケーションとは、『伝える』ではなく、『伝わる』ことである」ということを…

よい組織風土は所与のものではない

[要旨]かつての日本の会社では、「日本的経営の三種の神器」があったことから、組織のモチベーションが保たれ、会社が成長しました。すなわち、三種の神器がうまく機能しているときは、組織風土は大きな問題とはなりませんでした。しかし、かえってそのこ…

日本の会社は『フリーライダー』が多い

[要旨]長い間、終身雇用、年功序列などが続いてきた日本の会社では、自分では何もしないが、他者の企画を批判・批評しているだけの人、自分が決定しなければならない問題を部下に押しつけている上司など、周りの人の努力にフリーライドする人が増え、「弛…

日本の会社は『素人』が経営している

[要旨]かつての日本の会社では、同質的共同体組織が前提とされ、「社員たちは同じ目的に向かい、一丸となり、協力し合い、一所懸命働く」ことが暗黙の了解と考えられていました。それは、プロダクトアウトの時代には適しており、経営者は、組織運営にはあ…

最初から健全な組織は存在しない

[要旨]経営コンサルタントの遠藤功さんが米国に留学したとき、競争戦略やマーケティングを学ぶつもりだしたが、米国人学生や、ほかの留学生たちは、組織論に大きな関心を持っていたことに驚いたそうです。すなわち、米国では、組織マネジメントをしっかり…

『のれん』は減価償却しなくてもよい

[要旨]他社を買収したときの、時価と買収価額の差は、「のれん」という勘定科目で無形固定資産に計上されます。そして、日本の会計基準では20年以内に償却することになっていますが、IFRSでは償却が不要です。したがって、経営者の方は、現在の会計…

ファンドが出資した会社の倒産が増加

[要旨]帝国データバンクの調査によれば、投資ファンド等(再生ファンドも含む)から出資を受けたにもかかわらず、倒産する会社が増加傾向にあります。従来は、ファンドから出資を受けている会社は、業績が回復すると判断されたと見られ、ポジティブな評価…

きらやか銀行が資本注入を受ける背景

[要旨]山形市に本店のあるきらやか銀行が、新型コロナ特例によって、180億円の資本注入を受けることになりましたが、同行は、もともと不良債権比率が高いことなどが遠因となっているようです。また、今後、同様の事例はあまり起きなと考えられ、起きた…

ゼロゼロ融資を受けた会社の倒産の増加

[要旨]帝国データバンクの調査によれば、全体として、倒産する会社が増加しているようです。その要因としては、物価高、人手不足などがあげられます。また、コロナ融資を受けたにもかかわらず倒産する会社も増加傾向にあり、本来の実力の有無が明確になり…

銀行はなぜ『役員貸付金』を嫌うのか?

[要旨]銀行が、役員貸付金のある会社を評価しない理由は、(1)経理処理が不正確である可能性が高い、(2)役員貸付金は、最終的には会社のが負担することになると考えられるので、その分、利益を減らすことになる、(3)融資した資金が、事業活動以外…

役員貸付金は経営者個人の資産で返済

[要旨]中小企業の決算書の「役員貸付金」は、なるべく早く、経営者個人の資産で会社に返済し、解消することの望まれます。もし、経営者に手許資金がないときは、個人で融資を受けたり、役員報酬を増額するなどの方法もあります。[本文]前回は、中小企業…

役員貸付金がなぜ計上されるのか

[要旨]ときどき、会社の決算書に、役員貸付金という科目が計上されることがあります。これは、直接的な役員に対する貸付金として計上されたものではなく、いったん、費用として支出されたものが、事業年度が経過してから、決算処理を行う中で、損金として…

ピンチになっても支えてもらえるか

[要旨]銀行との融資取引については、個別の融資申請に応じてもらえるかどうかの前に、メインバンクが、自社がピンチになったときも支援を続けてくれるかどうかが重要です。メインバンクとそのような関係がなければ、安定的な融資を受けることができません…

融資申請の前に既に方針は決まっている

[要旨]銀行は、6か月ごとに、融資相手の会社の業況や融資取引の状況に基づいて、その会社への取引方針を決めています。したがって、現状維持方針や縮小方針の会社は、融資が必要になり、銀行に融資を申請したとしても、その申請の前に、結論の大勢が出て…

すべての取引銀行はメインバンクに従う

[要旨]日本の銀行界では、メインバンク制度という不文律の慣行があり、ある会社に対する融資取引方針は、他の銀行も、メインバンクの方針に従うことになっています。したがって、融資を受けている会社は、メインバンクとの関係を強化し、自社がピンチにな…

メインバンクは当てにできるのか?

[要旨]中小企業経営者の方の中には、銀行は銀行の都合で融資取引を引き上げることがあるので、メインバンクを当てにできないと考えている方もいるようです。しかし、そのような銀行は、ほぼ、存在しません。また、銀行は、最終的には銀行の損失が発生しな…

有力銀行のお墨付きを他行は評価する

[要旨]粉飾により、5月に倒産した堀正工業は、メガバンクをメインバンクにしていたことが、サブメインバンク以下の地方銀行が融資に応じていた要因になっていたようです。このように、有力な銀行をメインバンクにすることは、資金調達を安定化させる要因…

何をするのも自信がある人は魅力的

[要旨]経営コンサルタントの杉浦央晃さんによれば、10年以上続く会社は、3~5%と言われていますが、そのような会社は、改善活動を10年以上継続しているそうです。しかし、それだけ改善活動を継続するためには、人一倍の努力が必要になります。そこ…

一生懸命やる人は魅力を感じてもらえる

[要旨]経営コンサルタントの杉浦央晃さんが、かつて勤務していた会社では、「一生懸命に仕事をしなさい」と言われていたそうですが、杉浦さん自身は、そう言われなくても一生懸命働いていたつもりだったそうですが、今になって考えると、一生懸命ではなか…

すきなことを仕事にすると…

[要旨]経営コンサルタントの杉浦央晃さんは、かつて、バイクがすきだったので、バイク屋に勤務したことがありました。ところが、入社後は、しばらく、毎日、200台のバイクを洗うという仕事をしなければなりませんでした。すなわち、すきなことを仕事に…

損をすることが大切

[要旨]経営コンサルタントの杉浦央晃さんは、東日本大震災が起きた時、被災者の支援のために、ブログのヘッダー画像を作成し、それを1,000円で販売して寄付金を捻出しました。しかし、そのことが縁で、多くの起業家の人たちと知り合うことができ、現…

みかん10個の法則

[要旨]10個のみかんを3人で分けようとするとき、2人に4個ずつ分け、自分が2つ受けとると、他の人から1個譲ってもらえることがあります。このような姿勢で他の人に接していると、自分の周りには自分と同じ考えの方たちが集まって来る傾向があります…