鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

管理会計は経営判断に利用するツール

[要旨]財務会計に基づいて作成される貸借対照表や損益計算書は、会社の過去の営業成績を株主などに説明する目的で作成されます。一方、管理会計で作成される資料は、経営者が会社を存続させることを目的に、適切な判断を行うために利用するものです。[本…

不祥事後の対応はミッションに基づく

[要旨]1982年に、米国のJ&Jの製造している頭痛薬のタイレノールに毒物が混入され、7人が死亡するという事件が起きましたが、その際、同社は全米の製品を回収しました。この事件は、同社に責任があるわけではないのですが、同社がクレドに基づく行…

エンパワーメントと権限委譲

[要旨]組織を活性化する手法に、エンパワーメントと権限委譲があります。前者は、部下が自己成長し、さらに力を発揮できるような環境づくりやサポートが成功の鍵となります。一方、後者は、意思決定の迅速化や管理者不足の解消を目指します。[本文]今回…

採点ではなく満点を

[要旨]部下の人事評価については、できるだけ、ファクトベース、つまり、事実や数字を持ち出して議論することが大切です。すなわち、「採点ではなく満点を」であり、全員が目標達成できる方向で話し合うことが大切です。こうすることで、部下は、会社のミ…

KPIはミッションに紐づいた目標

[要旨]優れたリーダーは、まず、ミッションにヒモづいた明確な目標設定を行い、各部門、各従業員に、(1)責任範囲、(2)求められるパフォーマンス、(3)業績の評価基準を理解してもらいます。こうすることで、事業活動が効率的になり、業績が向上す…

悪い報告に『ありがとう』と言える上司

[要旨]一般的に、組織は悪いニュースを隠ぺいするためなら、時には社会倫理さえ犯す危険性が報告されています。しかし、本物のリーダーは、どんなに耳が痛いことでも、貴重な真実を話してくれる人物を歓迎します。そこで、リーダーは、意識的に声を上げる…

『ビッグワード』は使ってはいけない

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんは、ビジネススクールなどで、わかったような、わからないような、定義がはっきりしない抽象的な言葉である、「ビッグワード」は使わないようお伝えしているそうです。なぜなら、定義が不明確であれば、当然、聞き…

『伝える』ことと『伝わる』ことは違う

[要旨]相手に指示を出しても、相手が動かなかったら、それは「伝えた」だけで、「伝わっていない」ことと同じことです。きちんと相手が理解できる形で、こちらの意図を伝えて、行動を促して、実行しているかを確認して、きちんとフォローして、その案件が…

ミッションを体現している人を評価する

[要旨]ミッションを会社内に浸透させるためには、経営者が何度も繰り返してミッションを伝えることが大切ですが、それと同時に、ミッションを体現している部下を評価することも大切です。中には、顧客をあざむいて成績をあげる従業員もいますが、そのよう…

本質において一致、行動において自由

[要旨]ドラッカーは、著書の中で、「本質において一致、行動において自由、全てにおいて信頼」という、カトリック教会のスローガンを紹介しています。これは、一般の事業活動にもあてはまり、会社内でミッションを共有していれば、細かなルールやマニュア…

病院は『患者様』のために存在している

[要旨]ドラッカーは、著書の中で、ある看護師のエピソードを紹介しており、彼女は、病院が何か新しい施策や取り組みをしようとすると、「それは、患者さんにとっていちばんよいことでしょうか?」と質問したそうですが、これによって、彼女の同僚に、病院…

クイックヒットとアーリーウィン

[要旨]経営者は、ビジョンを明確化することで、現実的で、信憑性があり、魅力的な未来を、従業員にはっきりと伝え、今よりもよい状態がイメージできるようにしなければなりませんが、そのために、早い段階で、いわゆる「クイックヒット」や「アーリーウィ…

会社を継続させるため利益は最小にする

[要旨]MVV経営の大前提は、事業活動が継続することであり、したがって、利益を獲得することは、目的ではなく、事業活動を継続するための手段であると言えます。そこで、ドラッカーの最小利益という考え方に基づき、会社の成長のために、将来に対して適…

売上はミッションの達成度とリンクする

[要旨]岩田松雄さんがスターバックスの社長時代に、店舗数の拡大、無償Wi-Fiの導入、コンセント数の増大、一人席の拡充など、顧客満足度を高める取り組みを行った結果、ライバル店より高価格で商品を販売することができました。この結果から、岩田さ…

ミッションによって意義を感じてもらう

[要旨]会社でミッションを掲げることによって、(1)想定外の事象に対して、原理原則で判断できるようになる、(2)従業員の価値観を揃えることができるようになる、(3)ミッションに共鳴する人を集めることができる、(4)従業員に仕事の意義を感じ…

MVVの明確化でティール組織を目指す

[要旨]リーダーが、組織のミッション、ビジョン、バリュー(行動指針)、すなわち、MVVを明確にし、メンバーの様々な意思決定の拠り所とすることで、リーダーに、都度、伺いを立てることなく、自発的に活動できるようになります。このことによって、テ…

オーセンティック・リーダーシップ

[要旨]誰かの真似ではなく、自分自身の価値観や信念に根ざしたリーダーシップである、オーセンティック・リーダーシップが注目されています。なぜなら、『自分らしさ』を大切にしながら、いろいろなリーダーシップを使い分ければ、そういう態度が人々から…

サーバント・リーダーシップ

[要旨]危機的状況や組織変革の時は、リーダーは、強いリーダーシップを発揮することが必要ですが、変革が進み、組織が自走し始めたら、強いトップダウンから、支援やコーチング的なリーダーシップスタイルに変えていくことも必要であり、このようなリーダ…

シェアード・リーダーシップ

[要旨]シェアード・リーダーシップは、チームメンバー全員がリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している組織の状態で、環境が変化しやすい時代に向いているものです。そして、これをを採り入れると、チーム全体のモチベーションが向上するだけ…

パートナー・リーダーシップ

[要旨]パートナー・リーダーシップとは、どちらがリーダーで、どちらがフォロワーか、その時々によって、阿吽の呼吸でその役割が入れ替わるようなリーダーシップスタイルです。このようなリーダーシップが発揮されることで、役員や従業員の個々の得意分野…

リーダーシップは経験から習得する

[要旨]米国のリーダーシップの研究者のマッコールは、「リーダーシップは生まれつきのものではなく、いくつかの資質の下で、成功や失敗を経験して体得して行くもの」という説を立てています。したがって、経営者の方が、従業員にリーダーシップを習得して…

第5水準のリーダーシップ

[要旨]米国の経営コンサルタントのコリンズは、米国の700社を調査した結果、ビジョナリー・カンパニー(業界内で卓越した会社)の経営者に必要なのは、カリスマ的なリーダーシップではなく、控えめで謙虚なリーダーシップだということがわかったそうで…

リーダーの役割は『変革への対処』

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーは、日々、様々な問題に立ち向かっており、その問題を大きく分けると、今までのやり方で解決できる問題と、変化を伴う解決が必要な問題がありますが、前者を扱うのがマネージャーの仕事で、後者…

『マネージャー』と『リーダー』の違い

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーは、未来への方向性を示し、人々に共感を持って、革新的なアイディアを提供し、人を感動させ、変化を促すことに重点を置く一方、マネージャーは、目標達成に向けて適切な戦略を策定し、リソース…

リーダーシップとは影響力の行使

[要旨]ドラッカーは、リーダーシップを、「方向性を決め、目標を設定し、資源を配分し、人々を行動に移すこと」と定義しています。また、リーダーシップは、学ぶことができると主張もしており、「自己開示」、「自己省察」、「他者への関心」といった自己…

『リーダーシップ』は人を導くスキル

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーとは、フォロワーがいて存在する「ポジション」に過ぎません。一方、リーダーシップは、人を導くスキルであり、地位を得ることによって、自動的に発揮しうるものではなく、リーダー自らが習得す…

成長や価値の増大を目的とした構造改革

[要旨]米国のIBMは、1990年頃、業績不振に陥ったことから、再建屋のガースナーをCEOに招き、彼の指揮の下、リストラクチャリングを実施しました。このリストラクチャリングは、単なる縮小均衡を指すのではなく、財務、戦略、業務という3つの要…

『成功の復讐』から逃れるには…

[要旨]キリンビールは、かつて、60%のシェアを持っていましたが、そのことが自社を慢心させ、商品開発や営業努力を怠ったことから、アサヒビールの追撃に敗れ、シェアトップの座を奪われました。この同社のような成功体験が自社を苦境に陥らせてしまう…

動物の種類ではなく見せ方で差別化する

[要旨]北海道旭川市にある旭山動物園は、1983年の来園者数は60万人だったものの、1996年には26万人に落ち込み、閉園の危機に直面しました。そこで、その状況を打開するために、現場主導で工夫を行い、「スター動物」に依存するという手法から…

相乗効果で周辺事業が本業を強化する

[要旨]日本で最初の警備会社のセコムは、ホームセキュリティ、高級老人ホーム、介護ロボット開発、損害保険事業などに事業を多角化していきました。これらの周辺事業によって本業が強化されたと言えますが、同時に、事業領域が拡大し、経営環境の変化にも…