鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

リーダーの役割は『変革への対処』

[要旨]

経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーは、日々、様々な問題に立ち向かっており、その問題を大きく分けると、今までのやり方で解決できる問題と、変化を伴う解決が必要な問題がありますが、前者を扱うのがマネージャーの仕事で、後者を扱うのがリーダーの仕事であるということです。


[本文]

今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」を読んで、私が気づいたことについて説明したいと思います。前回は、リーダーは、未来への方向性を示し、人々に共感を持って、革新的なアイディアを提供し、人を感動させ、変化を促すことに重点を置く一方、マネージャーは、目標達成に向けて適切な戦略を策定し、リソースを最適化し、現状において効率的に問題を解決することに重点を置くということについて説明しました。

これに続いて、岩田さんは、リーダーシップとマネジメント力について、経営者はどのように身につけていけばよいかということについて述べておられます。「リーダーシップを身につけるためには、本でいくら知識を勉強してもダメで、実際にリーダーを実践する場を経験することが、何よりも大切です。また、理想のリーダーになろうと思えば、マネジメントもしっかりできていることが大切です。普通の組織では、マネジメントで実績を上げた人が、出世をしていきます。しかし、上へ行けば行くほど、求められる能力は、マネジメント能力の比率が減り、リーダーシップの能力が問われることになります。マネジメント的なことは部下がやるべきことです。

リーダーの地位にあっても、細々としたマイクロマネジメントをするリーダーもいますが、それは間違っています。(中略)リーダーは、日々、様々な問題に立ち向かっています。その問題を大きく分けると、今までのやり方で解決できる問題と、変化を伴う解決が必要な問題があります。前者を扱うのがマネージャーの仕事で、後者がリーダーの仕事です。私が、研修で、大企業の管理職に、悩みをヒアリングして見ると、変革者レベルではなく、うまく業務をこなすマネージャーレベルや、対人関係レベルの悩みが多いように感じます。

管理職として、マネジメントレベルことは、もちろん、最低限、やらなければなりませんが、できるだけ部下を教育し、オペレーショナルなことは任せて、自分自身は組織の未来に向けて、組織変革、少なくとも組織が進化することに注力すべきです。仕事そのものを見直したり、将来につながる新しい仕事を作り出すのがリーダーの仕事です。今までやっていることを効率的にやることを考えるのは、マネージャーの仕事です。『マネージャーは“複雑性への対応”で、リーダーは“変革への対処”』ドラッカーは、リーダーの仕事として、このように述べています」(59ページ)

岩田さんは、直接は言及していませんが、経営者や管理職が、「うまく業務をこなすマネージャーレベルや、対人関係レベルの悩みが多い」状態であれば、その会社の業績は向上しないと考えておられるのだと思います。そして、「仕事そのものを見直したり、将来につながる新しい仕事を作り出すのがリーダーの仕事」であることから、経営者や管理職は、この本来のリーダーの仕事に軸足を置かなければならないということなのでしょう。

さらに、VUCAの時代と言われる現在は、経営環境が複雑化しつつあることから、“変革への対処”というリーダー本来の役割が、ますます求められていると考えることができます。したがって、これから自社が勝ち残っていくためには、リーダーシップを発揮できる人たちを増やして行くことが最大の鍵になると言えるでしょう。そして、このリーダーシップを身に付けてもらうことは、一朝一夕ではできません。だからこそ、将来の幹部候補である若い世代の従業員に、今からリーダーとしての教育を行って行くことも大切だと思います。

2024/4/8 No.2672