鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『利益配分ルール』が信頼を高める

[要旨]大阪市にある三和建設では、社員に対する決算後の利益配分ルールについて明文化し、一定の利益が出た場合は、全社員に決算賞与が支給されるそうです。このように、事前に利益配分ルールを定めて全社員に公表することは、社員の経営への信頼を高める…

全員で情報を共有し共通課題に取り組む

[要旨]大阪府にある三和建設では、社員が共有する経営情報として、月次で期末の売上、原価、粗利益、販管費、経常利益の着地目標と着地見通しを一覧表にして、社内の共有サーバーにアップして、全社員に共有しているそうです。それは、一部の者だけが経営…

『説明責任』と『遂行責任』

[要旨]三和建設社長の森本尚孝さんは、暗黙の了解を社員の行動に期待するのは間違いであり、ルールや規範などの順守を求めるものは明文化し、何回も繰り返し伝える責任が経営者にはあると考えているそうです。そして、ルールがあらかじめ共有されているこ…

組織はトップが求める方向に必ず向かう

[要旨]三和建設の森本尚孝さんは、下請けはしないと考えていたものの、かつては、下請けをしていたことがありました。そこで、同社では下請けをしないことを明文化した結果、現在は下請けはなくなったそうです。このように、経営者の意思を明確にすること…

『ひとづくり』は手段ではなく目的

[要旨]三和建設社長の森本尚孝さんは、かつて同社がリストラを行った経験を通して、ひとこそが経営の中心であり、ひとの基盤さえあれば、少しのことでは会社は倒れないと実感したそうです。このことにより、利益のためにひとづくりをすると考えるのではな…

顧客の満足をつくる『ひと』をつくる

[要旨]大阪市の三和建設では、2001年に業績不振からリストラを行なったことを教訓にして、「つくるひとをつくる」を経営理念にしました。これは、人づくりによって、企業の継続性・永続性を担保するためのもので、そのことによって顧客満足も実現でき…

ビジョンの明確化で優良顧客を獲得する

[要旨]経営コンサルタントの佐治邦彦さんによれば、明確なビジョンを描くことで、経営者は不安心理に振り回されることなく、ビジョンに向かって社員全員が正しく行動することができるようになり、顧客離れを恐れてクレーム客に意識を取られることがなくな…

『裏の効率』・『表の非効率』

[要旨]これからの時代は、商品ではなく、サービスで差別化を図ることが重要であり、お客様の立場に立って、商品購入前のビフォアサービスや、商品購入後のアフターサービスを強化することで、顧客満足を高めていくことが重要です。これを実現するために、…

一人に絞り込み顧客の問題を明確にする

[要旨]ビジネスの目的は、顧客の課題解決ですが、架空の人物である「ペルソナ」を設定し、そのペルソナ一人を自社の顧客に絞り込むこで、顧客の問題を明確にでき、そして、顧客の問題解決を追求することで、高い顧客満足を実現し、さらに、収益性も高める…

すぐ結果のでることは誰でも真似できる

[要旨]経営コンサルタントの佐治邦彦さんは、これからは、「何をやれば儲かるか?」ではなく、「何のためにやるか?」で、ビジネスの可能性が大きく変わる時代であり、どんな業界が儲かるかを考えるより、自社の強みを最大限に発揮できるビジネスモデルを…

シンプル経営は従業員満足度を高める

[要旨]あるホームページ制作会社は、顧客の集客支援を行っていましたが、売上を増やそうとして次々に新しいサービスを導入し、経営が複雑化しました。しかし、業績は回復しなかったため、顧客をデイサービスの事業所に絞り込んで、事業をシンプル化したと…

強みは差別化ではなく顧客が感じる価値

[要旨]静岡県浜松市にある居酒屋では、同市に本社がある会社のサラリーマンをペルソナに設定し、「遠州人であることに誇りを感じて遠州自慢ができる店」という顧客体験価値を提供するようにしました。このことにより、同店は顧客に価値を感じてもらえるよ…

『痛みを避ける』活動では発展しない

[要旨]ある鶏肉専門の飲食店では、顧客の要望に応えるために、牛肉や魚のメニューを増やしましたが、このことによってオペレーションが複雑化し、従業員の方が疲弊してしまったことから、逆に、売上が減少してしまいました。この例のように、顧客を失いた…

商品を絞り込み付加価値を高める

[要旨]ある印刷会社では、幅広い商品を取り扱っていましたが、そのことにより作業効率が悪く、従業員の長時間労働が続いていました。そこで、商品の絞り込みを行なった結果、顧客の真のニーズを把握するための時間の余裕ができ、顧客の課題のソリューショ…

複雑な経営は社長と社員の時間を奪う

[要旨]例えば、飲食店で、売上を増やすために、さまざまな顧客に応じることができるようにしようとして、メニューを増やせば増やすほど、仕事が複雑化し、従業員の負担も大きくなり、却って、サービスの質を低下させ、顧客からの評価を下げてしまいかねま…

与信管理で連鎖倒産を避ける

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、中小企業の多くは、販売先に対する与信管理を行なっていないそうです。しかし、与信管理をせずに、単に、相手の求めに応じて販売していると、売掛金を回収できず、損失が発生してしまうだけでなく、自社の資金繰…

売掛金は『後始末』よりも『前始末』

[要旨]売掛金は回収もれが起きないよう、常に注意しなければなりませんが、貸倒が発生した後の「後始末」よりも、貸倒が発生する前に手を打つ「前始末」、すなわち、「リスクを防止するために先に手を打つ」ことが効果があります。そして、この前始末は、…

機械の購入代金は耐用年数で費用化

[要旨]会社が機械を購入した時、その購入代金をすべて購入した会計年度の費用としてしまうと、その機械で生産した製品の原価を正しく測定することはできません。そこで、機械を使用できる期間に応じて、機械の購入代金を費用として計上すること、すなわち…

在庫削減は全社的な経営革新運動

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、在庫を大幅に削減しようと考えたら、単に、月末や決算期末だけ少なくすればよいということでは足らず、製造工程の原材料投入時点から、最終製品が出来上がり、出荷する時点まで、すべての工程で、根本的な合理化や効率…

製販バランス管理

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、滞留在庫を作らず、在庫切れも起こさないようにすることは簡単なことではありませんが、至難の業でもないとご指摘しておられます。すなわち、在庫が発生している、それぞれの過程で数字化して、その数字の変化を観察し…

1人当たり損益計算書の費用構成

[要旨]会社の損益計算書は、業種によって費用の構成が異なるため、従業員1人当たりの給与を得るために必要な売上高も異なります。そこで、従業員1人当たり損益計算書を従業員に示すことによって、自分の給与を得るために必要な売上高の根拠を示すことが…

社員1人当たり損益計算書

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、会社の財務諸表を、単に、従業員に公開しただけでは、財務諸表の数字が大きいので、実感を感じてもらうことができないものの、従業員1人当たりの損益計算書を作成すると、1人当たりの売上高や利益額を把握でき、身近…

組織バス1台説

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、会社が成長するにつれて、従業員数も増加していきますが、それぞれの規模にそれぞれの課題が発生するので、経営者は、単に、売上の増加だけに注力するのではなく、組織体制の適正化に、より、注力する必要がある…

管理はカネを生まないがカネがかかる?

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、「管理はカネを生まないが、カネがかかる」と考えている社長は経営者失格と考えているそうです。経営のかじ取りの「かじ」や羅針盤、あるいは業績等の生産性を測る役目をするのが管理部門なので、例えば、「正確・迅速…

経営計画は夢を『逆算』して作る

[要旨]経営計画は、自社が目指す10年後の姿を逆算し、現在、どういう活動をすべきかを明確にする役割があります。これを着実に実践していくことで、目指す会社に近づくことが可能になります。また、計画と実践した結果に差異が発生したときは、どこをど…

適正な人員配置でチェック機能を構築

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、経理担当と財務担当は、内部統制の観点から、別の人が担わなければならないと考えているそうです。もし、両者を同じ人が担当すると、例えば、顧客から売掛金10万円を回収しても、2万円を横領し、8万円だけ回収した…

業務が属人的な会社は発展しない

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんが、ファーストリテイリングの監査役に就任し、上場のための準備を始めたとき、同社は、まだ、管理部門の業務が属人的になっている状態でした。そこで、安本さんは、柳井社長に改善を依頼し、経理部門の従業員を中途採用し…

マイルストーンで今の活動を明確にする

[要旨]株式を上場させる前のファーストリテイリングでは、社長の柳井さんが、マイルストーンを掲げ、それを目指して活動してきたことが、同社を発展させた大きな要因になっていると考えられます。具体的には、1991年に、「標準的な店舗を、毎年、30…

経理は単なる会計係ではなく経営管理

[要旨]パナソニック創業者の松下幸之助さんは、「経理というものは、単に、会社の会計係ではなく、企業経営全体の羅針盤の役割を果たす、いわゆる、経営管理、経営経理でなければならない」と考え、経理を重視した結果、業績を安定的に発展させることがで…

現場が忙しくても赤字になることがある

[要旨]経営者の方は、事業活動で、利益を得るための活動を行います。ところが、時には、経営者の方が利益を得ようとして行った活動が、結果として、赤字になることもあります。そこで、適宜、会計データを照会しながら、事業活動が利益をもたらしているか…