鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

自社の社会的存在意義を意識させる

[要旨]会社が起業したばかりのころは、役員同士で会社の存在意義が共有されていますが、規模が大きくなるにつれ、役員は、自分の担当部門の目標達成ばかりに注力するようになってしまいます。これは、部分最適の視点からの活動を招くことになるので、会社…

対立は“おたがいの違い”

[要旨]会議の場では、組織の習熟度が低いと、エゴのぶつけ合いの場になりますが、習熟度が高まっていくと、お互いの対立点から、組織を俯瞰した新たな意思決定が行われるようになります。このような、全体最適の意思決定が行われるようになると、会議の参…

コミュニケーションは重要だが後回し

[要旨]会社の業績を高めるためには、コミュニケーションを活発にすることが大切ということは理解されやすいものの、事業活動の現場では、目の前の仕事や目標達成のための活動が優先され、コミュニケーションの必要性を感じる人は少ないようです。そこで、…

意見が合わないから話す意味がある

[要旨]役員のような能力の高い人は、他の人から意見を言われることを嫌う傾向にあります。役員がそのような姿勢をとることは、組織内でのコミュニケーションの妨げとなり、組織的な活動が行われにくくなります。そこで、時間がかかると感じられても、上司…

共創できない原因は他人への負い目

[要旨]共創できるチームになるには、メンバー同士で、お互いに貸しを作りたくないという変なプライドを取り除き、お互いに気軽に協力できる雰囲気を作ることが大切です。ただ、これは、頭で理解できても、感情の問題から、直ちに改善できないことから、時…

チームでは『1+1+1>3』になる

[要旨]組織の構成員が、自分の目標だけを達成するための活動をしていれば、単純に、構成員の業績の総和が組織の業績になるに過ぎません。しかし、各構成員が組織の目標も意識して活動することによって、組織の業績は、構成員の業績の総和+αの成果を得るこ…

全社目標より個々の目標が大事?

[要旨]大企業の役員たちが組織的な活動ができない理由のひとつは、自分に割り当てあられた目標を達成しさえすればそれでよいという部分最適な考え方をしてしまうことです。しかし、本来は、お互いが協力し合って、組織全体の目標を達成するという、全体最…

全員が”本田圭佑”のチームは可能か

[要旨]大企業の役員は、数百人に1人しか就くことができないことから、「ハイパフォーマー」の集団であるとも言えます。しかし、そのような人たちは、能力が高いという自負があり、他の役員や社長の意見に耳を貸そうとしない結果、組織的な活動が行われに…

社会貢献と成長の両方を達成する会社

[要旨]かつては、社会性を犠牲にしなければ、自社の利益は得られないと考える会社が多く存在しましたが、現在は、社会問題を解決する製品を解決することが、すなわち、CSV経営の実践が、自社の事業の競争力を高め、収益機会を増大することになると言え…

ダイバーシティ・マネジメント

[要旨]米国のシスコシステムズ社は、機会の平等をかかげ、性別、人種、国籍などにかかわらず、成果に対して正当な評価で応えることで、組織としての成果を高めています。一方、日本の会社の多くは、同質主義の組織風土があり、機会平等が実践されにくい環…

地方都市のデジタルデバイド

[要旨]ファンドマネージャーの藤野英人さんは、地方都市の経営者が情報技術への関心が低いことを問題点として指摘しています。現在は、情報技術は、単なる効率化を図るツールではなく、それによって顧客体験価値を創造するための事業そのものの対象となっ…

上場企業の顔をした非上場企業

[要旨]ファンドマネージャーの藤野英人さんによれば、上場会社の約4分の1は、IRに消極的だそうです。藤野さんは、そのような姿勢は株主に背を向けている状態であり、よい会社とは言えないと考えているそうです。このような情報公開に関する考え方は、…

ファンドマネージャーに怒る経営者

[要旨]ファンドから出資を受けている会社経営者の中には、ファンドマネージャーからの質問に、怒り出すことがありますが、そのような経営者は支援を受けにくくなります。経営者も生身の人間なので、感情的になることがあるとはいえ、自社の事業を発展させ…

偽りの自分で生きていると成功しない

[要旨]経営者であっても生身の人間であるので、どうしても劣等感を持つことを避けることができず、表面的には従業員の方が働きやすい職場をつくりたいなどと口にする一方で、他の人から尊敬を得たいという欲求を持ってしまいます。このような欲求は、事業…

天丼天やの強さはしくみの強さ

[要旨]天丼天やは根強い人気で業績を回復していますが、それは、かつて、高級料理であった天丼を、習熟度の低い従業員でも、味を落とさず、低価格で提供できるしくみをつくったことが要因と言えます。したがって、これからは、事業展開の方法だけに着眼し…

外国人起業家の資金調達支援事業の誤解

[要旨]西村博之さんは、東京都が新たに定めた「外国人起業家の資金調達支援事業」を批判していますが、支援対象は、信用度が高い、永住権を取得している外国人が経営する会社であり、融資を受けた後、帰国するという懸念は少ないものです。また、融資の原…

製品の価値はSNSでバズると高まる

[要旨]SNSが発達した現在は、製品やサービスの価値は、SNSで顧客体験価値を高めることができるかどうかが重要です。そこで、これからは、製品やサービスと、SNSを別のものとしてとらえず、両者を一体としてとらえ、価値向上を考えることが求めら…

AmazonとiRobotの相乗効果

[要旨]経済評論家の鈴木貴博さんは、AmazonのiRobot社の買収について、Amazonがルンバの技術を応用して、一般家庭のDX化を進めることを狙うためだと分析しておられます。従来の事業多角化は販売シナジーなどを狙うものでしたが、この…

ゾンビ会社は推計16万社に増加

[要旨]帝国データバンク(TDB)によれば、実質的に倒産状態である、いわゆるゾンビ会社が増加傾向にあります。その一方で、今後、政府の新たな金融支援は期待できないことから、自社がゾンビ会社になりつつある場合は、早い段階で、メインバンクか、事…

工場が会社のセールスマン

[要旨]枚岡合金工具は、工場のゴミゼロを実現したことで、見学者から高く評価され、新たな取引先の紹介を受けるようになりました。また、売上金の受取条件も、業界の慣行と異なる、100%現金受取とすることができました。したがって、自社の技術などの…

ゴミゼロ化で変化を恐れなくなった

[要旨]枚岡合金工具でゴミゼロ化を始めてから、従業員の方たちは、自ら問題点を発見し、改善しようとする考え方が定着しました。このことが、同社に「優秀な人材」が増えることとなり、業績が回復しました。社長個人の限界が組織の限界では、会社の発展は…

262の法則で事業改善を継続する

[要旨]枚岡合金工具でゴミゼロ化を始めてから2年目に、社長の古芝さんは、反対派従業員の方から不満を向けられました。しかし、古芝さんは、反対派の存在は避けることができないので、2割の賛成派と6割の中間派に改善活動の継続を働きかけることで、5…

事業改善の要因はISO9001取得

[要旨]枚岡合金工具は、古芝さんが社長に就いてから、5年ぶりに黒字化しましたが、それは、ISO9001の認証を受け、それに基づく工程管理を行うことで、不採算の取引を切り捨てる意思決定ができたことによります。このような、事業の検証と、それに…

低採算の注文を切り捨てて黒字回復実現

[要旨]枚岡合金工具では、案件ごとに製造時間あたりの売上高を算出し、低収益の案件を断ることで、黒字回復を実現しました。中小企業では、このような管理会計による採算管理は、あまり、実施されていませんが、赤字になることを避けたり、銀行からの支援…

平等感がメンバーの士気を高める

[要旨]青学陸上部の原監督は、あらかじめエースの選手を決めず、全員が同じスタートラインから切磋琢磨できるようにしています。その結果、みんなに認めらたエースが育つことになります。こうすることで、お互いに納得することができ、メンバーの士気が高…

組織的活動には心根のよい人材が必要

[要旨]会社の中で成績が優秀な人がいたとしても、そのような人の人間性が悪いと、組織的な活動はできなくなってしまいます。しかし、非凡な能力を持たない人だけでも、お互いに協調し合いながら業績を高めていこうと努力することによって、全体としてよい…

監督の仕事は選手が頑張ることの支援

[要旨]青学陸上部監督の原さんは、成績の優秀な選手をスカウトしたことがありました。しかし、その選手は、規則を守らないなど、好き勝手な振る舞いをしたことから、チーム内に悪影響を与え、箱根駅伝出場の目標を達成できませんでした。このように、組織…

部下のレベルに目線を下げる

[要旨]スポーツ界では、選手として優秀な成績を残した人は、優秀でない人の悩みや課題を理解できないため、指導者としては、凡人の育成ができないこともあります。これはビジネス界にもあてはまり、ビジネスパーソンとして優秀であっても、経営者としては…

目標を紙に書くことで士気を高める

[要旨]原晋さんは、かつて、会社勤務時の上司が、目標を紙に書き出すことで、会社と個人の活動内容を明確にし、社員のモチベーションを高めていた例を、青学陸上部にも応用して活用しています。活動内容が明確になることで、さらに、効率的な活動ができる…

土台をつくれば常勝軍団になれる

[要旨]青山学院大学陸上競技部監督の原晋さんは、チームの土台作りに注力し、就任12年目で、チームを、箱根駅伝で初優勝させてからは、8年間で6度の優勝に導いています。このように、組織の土台づくりには時間がかかるものの、土台ができあがれば、常…