鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

土台をつくれば常勝軍団になれる

[要旨]

青山学院大学陸上競技部監督の原晋さんは、チームの土台作りに注力し、就任12年目で、チームを、箱根駅伝で初優勝させてからは、8年間で6度の優勝に導いています。このように、組織の土台づくりには時間がかかるものの、土台ができあがれば、常に上位の成績を修めることができるようになります。


[本文]

青山学院大学陸上競技部監督の原晋さんのご著書、「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉」を拝読しました。原さんは、同書で、組織の「土台づくり」の大切さを述べておられます。「突然、スーパーエースが出現して勝つ、スポーツではそういうチームが出てくることがあります。観ている側には魅力的に映るかもしれませんが、それだけでは大きな大会を連覇したり、常に上位を争うチームとして定着することはできません。そうしたチームにするには、計画的に、チームとしての力をつけていく必要があります。

現在の箱根駅伝常連校でいえば、駒澤大学東洋大学のようなチームです。私は、スーパーエースの出現を待望するのではなく、時間をかけてチーム力を底上げして優勝を狙う方を選びました。土台さえしっかりつくることができれば、長期的に上位争いできるチームになるし、仮に私が監督を辞めても弱くならないからです。つまり、10年前の組織力では、もし、2015年の優勝メンバーが揃っていても、青学陸上部の箱根駅伝優勝は難しかったでしょう。常勝軍団をつくり上げるには、それなりの年月がかかります。

監督に就任して陸上競技の核になる規則正しい生活を根付かせるのにさえ、3~5年かかりました。『勝てる組織』をつくるためには時間がかかりますが、この、『勝てる組織』ができれば、常勝軍団へと導くことができるのです」(22ページ)原さんのいう、土台をしっかりつくれば、チームを常勝軍団にできるという考え方は、ほとんどの方がご理解されると思います。しかも、2015年の優勝メンバーが、10年前のチームでは優勝できなかったと述べておられることについては、私も驚いています。

組織は大切とはいえ、駅伝では、チームメンバーの能力が成績の決め手になると私は考えていましたが、原さんは、組織の土台がしっかりしていなければ、個人の能力だけでは優勝できないとお考えのようです。だからこそ、原さんは組織の土台づくりにこだわったのでしょう。そして、時間がかかっても、組織の土台をつくりさえすれば、原さんが監督を退任しても常勝軍団であり続けることができるということですので、土台が本当に重要性だということを理解できます。

ちなみに、青山学院大学は、原さんが監督に就任して6年目の2009年に、33年ぶりに箱根駅伝に出場し、その後、初優勝した2015年から2018年まで4年連続で優勝しています。さらに、2019年は2位、2021年は4位となるものの、2020年と2022年は優勝し、8年間続けて上位の成績を修めています。もちろん、この理論は、大学駅伝チームだけにあてはまるものではなく、事業会社やその他の組織にもあてはまるということは言うまでもありません。

2022/8/2 No.2057