鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

売文句の役割は集める顧客を決めること

[要旨]売り文句には、集める顧客を決めるという側面があります。例えば、低価格を売り文句にした場合、価格を第一義に考える顧客を集めます。したがって、売り文句は、自社のマーケティング戦略を的確に示すものにすることで、整合性のとれた効率的なマー…

ナンバーワンになるセグメンテーション

[要旨]自社の製品が、すべての面において日本一になることは、極めて困難です。しかし、自社がナンバーワンになることを基準に、セグメンテーションを行い、その市場で勝負をすることで、優位に競争できるようになります。また、ナンバーワンになることは…

絞らないことは全ての顧客を捨てること

[要旨]かつては、全国民向けの商品が売れる時代がありましたが、現在はモノが溢れているため、顧客を絞り、その顧客に合わせた商品でないと、売れなくなってきています。一方、顧客を絞ることは、対象とならない顧客を捨てることになると考えられがちです…

強みは競合他社との相対的関係で決まる

[要旨]スターバックスの強みや、高級感、本物志向と考えられますが、東京青山のように、高級カフェが林立しているところでは、同じ商品であっても、気軽さ、低価格が強みになります。このように、同じ商品でも、競合相手が変われば、強みが変わります。し…

製品ではなく製品を開発する能力が重要

[要旨]会社の競争力は、製品そのものからではなく、その製品を生み出す能力から生まれると言えます。例えば、ソニーのバイオは競争力の高い製品ですが、他社がバイオを真似た製品は製造することはできても、バイオのような製品を開発する能力を備えること…

戦場は『顧客の頭の中に存在する』

[要旨]かつて、オリンピックが開催された年は、旅行会社の顧客が、薄型テレビを販売する会社に奪われるという現象が起きました。これは、旅行と薄型テレビで、顧客のメンタルアカウンティング(心の財布)の奪い合いをしたということです。そこで、自社の…

戦場を選べば得られる果実が大きい

[要旨]同じ回転寿司店でも、競合相手が多い場所では、値段や品質が優れていても、あまり売上が伸びない一方で、競合相手が少ない場所では、あまり努力をしなくても売上が増えます。したがって、どこで事業を展開するかということは、収益機会に大きく影響…

どんなものも計数化して考えれば売れる

[要旨]中小企業診断士の佐藤義典先生は、戦略を実践するにあたって、数値で管理することが重要と述べておられます。その理由は、効果を測定できること、日常業務とリンクしやすいこと、競合他社との比較ができること、事前に検証できることといったものが…

『メガネの着替え』という新しい世界

[要旨]メガネブランドのモンキーフリップでは、「メガネを着替える」という発想で、メガネの新しい需要を創りました。この新しい需要は、見つけることは容易ではありませんが、顧客の動向を探る中で発見することができれば、価格に左右されにくい商品とす…

商品の差別化ではなく会社の差別化

[要旨]金沢市の紙問屋の浜田紙業では、かつて、大量受注があったときは値引きをしていましたが、それを止めると、言い値で販売できるようになっただけでなく、売上やリピート率が向上しました。これは、同社のリテールサポートが手厚いことが要因と考えら…

お茶はお茶の細胞の中身を飲んでいる

[要旨]静岡県島田市の大塚製茶では、法人顧客に価値を伝えるためのツールとして、ビジュアル中心のパンフレットや、自社製品に関する専門的な情報などを載せた資料を作成し、引き合いのあった会社に渡しています。このことにより、値下げの要請は減少し、…

『腕を上げて』価格を2倍にする

[要旨]菓子メーカーの京西陣菓子宗禅では、社長が開発したチョコレートあられを、当初、100円で販売していましたが、その後、「腕を上げた」ことを理由に、200円に値上げしました。しかし、価格が2倍になっても売れ続けています。ただし、値上げを…

安売りを止めると求める顧客が現れる

[要旨]北海道のあるスーパーマーケットでは、店の名物のプリンの値上げをしたところ、販売数が2倍以上になったそうです。これは、値上げによって、店のポジショニングが明確になったことから、価格に鋭敏な客が来なくなり、一方で、品質のよい商品を求め…

値上げは優良顧客を絞り込むチャンス

[要旨]あるペットサロンでは、2022年5月に料金の値上げをしても、売上や粗利益が増加しました。値上げによって、一部の顧客は失いましたが、値上げ前から顧客との信頼関係を築くための働きかけをしてきたことから、大部分の顧客からは、値上げに関し…

収益最大化ポイント

[要旨]価格の決め方においては、販売数量が少なくても、価格を高くする方が、収益額が大きくなることもあります。したがって、販売数量を増やすことにこだわりすぎて、価格を低めにすることが、必ずしも妥当であるとは限りません。また、妥当な販売価格を…

スーパーのクッキーをデパ地下価格に

[要旨]北海道のスーパーマーケットでは、クオリティが高いにもかかわらず、推奨小売価格が低い商品に対して、POPなどで「デパ地下レベルのおいしさ」と表示したところ、推奨小売価格よりも2割高い価格でも爆発的にヒットしました。このように、販売す…

高価格のみかん猪鍋がヒット商品に

[要旨]あるジビエ料理店は、当初、同業他社の価格と横並びで価格設定をした結果、原価率が高くなってしまいました。しかし、みかんを食べて育った猪の肉があることを知り、やや高めの価格でぼたん鍋を売り出したところ、人気商品となりました。したがって…

原価積上方式の価格設定は時代遅れ

[要旨]現在、多くの会社では、商品・製品の価格を上げることができずに苦心していますが、その要因のひとつは、原価かから販売価格を決めるという慣習が根付いているからと言えます。これに対して、原価によらず、顧客の感じる価値で販売することが望まし…

冷凍餃子は手抜きではなく“手間抜き”

[要旨]味の素冷凍食品は、「冷凍餃子は手抜き」というツイッターの投稿に対し、「手抜きではなく“手間抜き”」と投稿したことから、それが多くの共感を呼びました。このように、ナラティブの形成は、会社自身と顧客の双方が参加できる「余白」が重要な要素…

ブラックフライデーを休業日にする意味

[要旨]米国のアウトドア用品販売店のREIは、書き入れ時のブラックフライデーに、「お店に来るのではなく、アウトドアに出かけて、自然に接して欲しい」というメッセージとともに、全店を休業し、また、すべての従業員に有給休暇を与えました。このこと…

ジンとカレーの相性はワインと肉以上

[要旨]バカルディジャパンは、「ジントニックとカレーは、赤ワインと肉以上に相性がいい」というプレスリリースを発表した結果、SNSで反響があり、同社製品のボンベイサファイアの出荷数は、5年間で1.7倍になりました。このように、商品そもののを…

航空業ではなく自由提供ビジネス

[要旨]サウスウェスト航空は、低価格運賃で業績を回復させましたが、これは、「空を民主化する」というパーパスに基づく方針によるものでした。これにより、多くの人が自由に移動できるという、同社が顧客に与えるベネフィットが明確になり、さらに、「自…

信念と行動の一貫性

[要旨]アパホテルは、新型コロナウイルス患者の受け入れをしたことで、社会的な評価を高めました。このような受け入れは、事業活動の遂行にあたってリスクが高いことですが、現在は、信念と行動を一致させることの方が、評価の比重が大きくなっていると言…

ピューロランドとファンの絆の強さ

[要旨]サンリオピューロランドは、コロナ禍になった際、休館を決めましたが、休館中に公開した動画が大きな反響を呼びました。この動画が受容された要因は、ピューロランドとファンの間でエンゲージメントが育まれていたからと考えることができますが、こ…

『100ワニ』の商業展開の批判の理由

[要旨]かつて、ツイッターで公開された、「100日後に死ぬワニ」の最終回が投稿された後、映画化やコラボグッズ製作などのビジネス的な展開が発表されましたが、これに対して、ファンからは批判が起きました。これは、ビジネス的な展開をしようとした会…

存続困難な企業は無理に救わなくて良い

[要旨]神戸国際大学の中村教授は、経済産業局の職員が、「存続が困難な企業を無理して救わなくて良い」と言ったと伝えています。ゾンビ会社については、早く淘汰されるべきという意見と、地域の雇用を支えているという意見がありますが、地域金融機関の負…

保証付DDSの条件拡大

[要旨]中小企業政策審議会金融小委員会で配布された資料によれば、保証付DDSについて、「中小企業活性化協議会等による計画のみならず、認定経営革新等支援機関の支援を受けて作成された経営改善・事業再生等の計画においても対象とする」見込みのよう…

コロナ借換保証

[要旨]1月10日から、ゼロゼロ融資の借換のための保証制度の取扱が開始されます。この保証制度の要件は、売上減少5%以上と、比較的緩いものなので、ゼロゼロ融資の返済が当初の予定通りに行うことが難しいと考えている会社では、借換を申請することで…

成長期のジレンマ

[要旨]成長期に入った会社の中には、その地位に安心してしまい、リスクをとって新たな事業拡大をしようとすることを止めてしまう場合もあるようです。しかし、計画的な資金管理をしていれば、ある程度のリスクに耐えることが可能な状態にることから、安定…

成功している会社の社長は実は臆病

[要旨]事業を安定的に成長している会社は、資金計画を立てた上で、それに基づいて資金回収を確実に行うことで、資金不足となることを防ぎ、その結果、リスクに強くなっているようです。したがって、月次決算を行い、緻密な計画を立て、それを達成するため…