最近の報道機関の記事を見ると、
「銀行は、担保に依存する
融資から脱却すべき」といった
批判的に書かれています。
このような見方は、必ずしも
間違ってはいませんが、
かといって、
100%正しいとも
言い難いでしょう。
私としては、30%程度も
当てはまらないと考えています。
なぜなら、銀行は、
担保があれば
必ず融資をする訳では
ないからです。
例えば、
業績が芳しくない会社から
融資の申し込みがありました。
融資の条件として、
直接経営に携わっていない
社長の親族から、
価値が十分に見込める
不動産を担保に差し出すという
申し出がありました。
このような条件であれば、
融資をしたのち、
もし会社が倒産しても、
担保を処分すれば
貸出金を回収できるので、
リスクはほとんどないと
いえます。
でも、多くの場合は、
銀行は融資を拒むでしょう。
銀行が融資するかどうかは、
融資が回収できるかどうか
というこよりも、
融資先が倒産しないかどうかと
いうことで判断するからです。
倒産する確率が高い会社に
融資をしても、銀行としては、
支援の意義を感じないと
いうことです。
よく、
「融資を受けられれば事業を
継続できる」と考えている
経営者の方を見かけますが、
融資を受けられるかどうかと
いうことを、
事業が継続できるかどうかの
理由にすることは
適切ではないでしょう。
もし、
銀行から融資を受けられないとすれば、
それは、事業の先行きがよくないと
いうことが最大の原因です。
融資を受けられるようにするには、
担保を提供することよりも、
業績を向上させることに
注力することが最も大切です。
※お断り
本文で、第三者から担保の提供を
受ける例を示しましたが、
「経営者保証に関するガイドライン」
などによって、銀行が、融資先への
融資にあたり、その会社の経営に
携わっていない第三者から、
担保の提供を受けることは
ほとんどありません。
読者の方に理解を促すために、
このような例を示したことを
あらかじめお断りいたします。