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京都市伏見区にある、橘高校の吹奏楽部では、部員が自発的にダンスを採り入れ、かつ、後輩を育成するという、能動的な活動が行われています。構成員がこのような活動をする組織は、大きな成果が得られると考えられるので、一般の事業会社の参考になると思います。
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先日、たまたま、Youtube動画で、京都市伏見区にある橘高等学校の吹奏楽部のパレードを見ました。私も楽器の演奏はすきなので、高校生の時は管弦楽部に所属していたのですが、あまり熱心には練習していませんでした。でも、彼女たちはとても楽しそうに演奏していたので、少し気になり、彼女たちのほかの動画を見てみたところ、ちょっと驚くことがありました。それによると、マーチング(演奏しながら行進すること)のときのダンスは、顧問の先生は指導するどころか、踊ることもできないそうです。
では、なぜ、ダンスが採り入れられたのかというと、コンクールの成績をあげるための工夫として、2005年に、当時の部員のひとりが、が発案して採り入れたそうです。しかも、どう踊るのかということについては、図や文字などで残されているのではなく、新入部員は先輩の踊りを目で見て覚えるのだそうです。さらに、新入部員の多くは、中学生のときに、橘高校の吹奏楽部の演奏を視て、自分もあのように演奏してみたいという憧れをもって入部してくるそうです。
すなわち、顧問の先生は、指導にほとんどかかわらず、先輩部員が後継者を育て、かつ、やる気のある新入部員まで獲得するという好循環が得られています。これを、一般の会社に例えたら、従業員が自発的に業績向上のための戦略を考え、さらに、それを遂行するために新入社員を育成し、そのうえ、その会社の従業員が働いているところを見た学生たちが、あの会社に入社したいと思うようになるということになるでしょう。
とはいえ、高校の吹奏楽部のすべてを会社にあてはめることはできませんが、こういう組織に近い会社は、きっと業績もよくなるだろうと感じました。では、どうすれば橘高校の吹奏楽部のような組織ができあがるのかということについては、また、別の機会に述べたいと思います。