鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営者の役割と値決め

[要旨]

製品の価格決定で苦心している会社の経営者の方は、事業戦略をきちんと立案していないということが考えられます。そこで、そのような会社の経営者の方は、自らの役割を、単に、製品を製造して販売するだけでなく、戦略を立案し、それを遂行、管理する役割があるということを認識することが求められていると考えらます。


[本文]

作家の犬養ターボさんが、ポッドキャスト番組で、値決めについてお話しておられました。京セラ創業者の、稲盛和夫さんも、「値決めは経営」とおっしゃっておられますが、事業において値決めはとても重要なことだということは、言うまでもありません。

では、なぜ、値決めが重要かというと、値決めとは、自社の事業戦略を決めることでもあるからです。ですから、「経営者が値決めをする」というよりも、「経営者が事業戦略を選定し、その戦略にそって製品価格が決定される」という表現が正確です。ところで、中小企業でも、製品価格の決め方で苦心している経営者の方は少なくないようです。

そういう会社は、例えば、高価格戦略に向いた製品を製造しているのに、低価格品にしか関心のない相手に製品を販売しようとするなど、ちぐはぐな活動を行っており、かつ、みずからは、なかなか、それに気づかないでいるようです。そこで、私は、事業戦略が大切であるということをお伝えしたいと思うのですが、実は、その前に、経営者の方が、事業戦略を練るということもせずに、事業に臨んでしまっている場合も少なくありません。

現在は、単に、ものを作って売るというだけでは、事業はうまく行かないということは、多くの方がご理解されると思うのですが、一方で、経営者の方には、事業戦略を立案し、そして遂行や管理をする役割があるということに気づいている方は、あまり多くないと、私は感じています。

でも、これは、裏を返せば、きちんとした事業戦略を立案し、それに基づいて事業活動を行えば、成功する確率はとても高くなるということです。現在、自社の事業があまりうまくいっていないという会社の経営者の方は、事業戦略の立案をするという、経営者の役割を担っているかどうか、検証してみることをお薦めします。

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