鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

政府のコロナ対策とゾンビ会社

[要旨]

コロナ禍での、政府の民間会社への金融支援は、その影響の大きさに鑑みれば、当然のことですが、一方で、本来なら淘汰されるべき、生産効率の低い、ゾンビ会社も延命させてしまうとの指摘もあります。しかし、ゾンビ会社かどうかを見分けて支援を行うことは、直ちには難しい状況です。


[本文]

経済ジャーナリストの町田徹さんのラジオ番組に、ゴールドマン・サックス証券の経済アナリストの太田知宏さんがご出演し、政府のコロナ対策に関するゾンビ会社への影響についてお話しておられました。太田さんは、コロナ禍における、昨年の。政府の民間会社への金融支援は、緊急性を鑑みれば妥当であった。しかし、現在は、民間会社の資金繰は落ち着きつつあるので、本来なら淘汰されなければならないゾンビ会社を、政府の支援によって延命させるようなことは、マクロ経済へ悪影響を与えることから、支援する会社を見極める必要がある、と述べておられます。

ところで、ゾンビ会社は、国際決済銀行によって、「3年以上にわたってインタレスト・カバレッジ・レシオ(=(営業利益+受取利息)÷支払利息)が1未満の会社」と定義されています。これを、正確さを犠牲にして、ひとことで言えば、たくさんの借入がある会社ということです。

ただ、太田さんのお話は、このような厳密な定義を前提にしていないようで、生産効率が低く、本来なら淘汰されるべきであるにもかかわらず、政府などの支援を受けて、事業を継続している会社ということのようです。私は、太田さんのご主張は、大筋では賛成できるのですが、このようなことを述べているだけでは、あまり意味はないと思っています。では、なぜ、意味がないのかということについては、次回、述べたいと思います。

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