鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2024-01-01から1年間の記事一覧

第5水準のリーダーシップ

[要旨]米国の経営コンサルタントのコリンズは、米国の700社を調査した結果、ビジョナリー・カンパニー(業界内で卓越した会社)の経営者に必要なのは、カリスマ的なリーダーシップではなく、控えめで謙虚なリーダーシップだということがわかったそうで…

リーダーの役割は『変革への対処』

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーは、日々、様々な問題に立ち向かっており、その問題を大きく分けると、今までのやり方で解決できる問題と、変化を伴う解決が必要な問題がありますが、前者を扱うのがマネージャーの仕事で、後者…

『マネージャー』と『リーダー』の違い

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーは、未来への方向性を示し、人々に共感を持って、革新的なアイディアを提供し、人を感動させ、変化を促すことに重点を置く一方、マネージャーは、目標達成に向けて適切な戦略を策定し、リソース…

リーダーシップとは影響力の行使

[要旨]ドラッカーは、リーダーシップを、「方向性を決め、目標を設定し、資源を配分し、人々を行動に移すこと」と定義しています。また、リーダーシップは、学ぶことができると主張もしており、「自己開示」、「自己省察」、「他者への関心」といった自己…

『リーダーシップ』は人を導くスキル

[要旨]経営コンサルタントの岩田松雄さんによれば、リーダーとは、フォロワーがいて存在する「ポジション」に過ぎません。一方、リーダーシップは、人を導くスキルであり、地位を得ることによって、自動的に発揮しうるものではなく、リーダー自らが習得す…

成長や価値の増大を目的とした構造改革

[要旨]米国のIBMは、1990年頃、業績不振に陥ったことから、再建屋のガースナーをCEOに招き、彼の指揮の下、リストラクチャリングを実施しました。このリストラクチャリングは、単なる縮小均衡を指すのではなく、財務、戦略、業務という3つの要…

『成功の復讐』から逃れるには…

[要旨]キリンビールは、かつて、60%のシェアを持っていましたが、そのことが自社を慢心させ、商品開発や営業努力を怠ったことから、アサヒビールの追撃に敗れ、シェアトップの座を奪われました。この同社のような成功体験が自社を苦境に陥らせてしまう…

動物の種類ではなく見せ方で差別化する

[要旨]北海道旭川市にある旭山動物園は、1983年の来園者数は60万人だったものの、1996年には26万人に落ち込み、閉園の危機に直面しました。そこで、その状況を打開するために、現場主導で工夫を行い、「スター動物」に依存するという手法から…

相乗効果で周辺事業が本業を強化する

[要旨]日本で最初の警備会社のセコムは、ホームセキュリティ、高級老人ホーム、介護ロボット開発、損害保険事業などに事業を多角化していきました。これらの周辺事業によって本業が強化されたと言えますが、同時に、事業領域が拡大し、経営環境の変化にも…

マッターホルン型ではなくプラトー型

[要旨]IBMを再建したルイス・ガースナーは、会社の成長を考える上での基本は「安定成長」の追求であり、これを言い換えれば、「緩やかに、かつ、継続的に成長することによって、成長のプロセスで生じる歪みを最小限に抑える」ということと述べています…

『販売代理人』から『購買代理人』へ

[要旨]文具の通信販売をしているアスクルは、当初は、親会社のプラスの通信販売を担う事業として開始されましたが、標的顧客である中小企業と接触していくうちに、購買代理人の役割を期待されるようになり、販売代理人としての役割を180度転換しました…

実践を通して経営戦略を進化させる

[要旨]ケンタッキー・フライド・チキンは、日本で事業展開した当初は、米国にならってロードサイドに出店しましたが、当時、日本では、自動車で食事に行くという習慣が浸透していなかったことから、売上が伸びませんでした。そこで、経営戦略を修正し、駅…

経営戦略は仮説という前提で適宜修正を

[要旨]経営戦略を立案するにあたっては、多面的な情報や的確な分析によって、その合理性が担保されますが、その一方で、どんなに多くの情報を集めても、また、その情報の分析にどれほど力を入れようとも、立案段階で完璧な経営戦略にはなりません。なぜな…

ニッチャーは『平均台』で高得点を狙う

[要旨]ニッチャーは、狭い限られた市場で勝負をしますが、それを体操競技にたとえると、平均台で高得点を狙うような経営をしなければなりません。すなわち、狭い市場に注力することで、他社の参入が難しくなり、自社にとって優位に競争をすることができる…

コーペティション経営が業界を活性化

[要旨]かつて、アサヒビールは、シェアが10%を割り込にそうになるほど業績が落ち込んでいましたが、新商品のスーパードライを開発し販売することでシェアを高め、業界トップのキリンを追い抜くまで成長しました。そして、アサヒのような健全な二番手は…

業界の発展には『健全な二番手』が必要

[要旨]リーダーがその業界における『定番』をつくり上げた企業だとすると、チャレンジャーは『新たな定番』を生み出そうとする気概を持った会社だと言うことができます。すなわち、『新たな定番』が登場することによって、市場は活性化し、市場自体が伸び…

規模の経済性と経験曲線効果

[要旨]業界のリーダーとなっている会社は、製品の生産数を増やすことで、スケールメリットを受けることができますが、これを規模の経済性といいます。また、累積生産数が増加すると、工員の習熟度が高まることで生産性も高まりますが、これを経験曲線効果…

『経営戦略の不在』で会社が苦境に立つ

[要旨]自動車業界では、リーダーのトヨタはコスト・リーダーシップ戦略をとり、2番手のホンダは差別化戦略をとり、また、スズキやダイハツは集中戦略をとることで成功しています。一方、日産や三菱は戦略が明確でないことから、苦境に立つことになったと…

ポーターの3つの基本戦略

[要旨]米国の経営学者のポーターは、3つの基本戦略を提唱しました。1つはコスト・リーダーシップ戦略、次は差別化戦略、最後の1つは集中戦略です。しかし、現在は、経営環境が激化している上に、経営資源を特定の事業に集中せざるを得なくなってきてい…

おもしろくないけど負けない戦略

[要旨]三菱電機は、かつて、野間口氏が社長を務めていたとき、半導体事業を大幅に縮小しましたが、パワー半導体だけは、不採算部門であったにもかかわらず、残す決断をしました。なぜなら、パワー半導体事業は、エアコンやエレベーターなど、他の事業の基…

『選択と集中』とは『捨てる』こと

[要旨]経営資源の配分にあたっては、対象とする事業が身の丈にあったものであるか、また、自社の組織風土や組織力に合致しているかで判断することが大切です。例えば、花王は、いったん、情報関連事業に進出し、1,000億円まで育てましたが、自社の組…

有限の経営資源を戦略的に傾斜配分する

[要旨]ひと・もの・かねの経営資源は有限であり、それを社内の各事業に適切に配分し、最大の成果を得られるようにすることは、経営者の重要な役割です。したがって、単に均等に資源配分をするだけでは、成果は最大化できないので、精緻な経営環境分析に基…

経営とは戦略に基づく『サイエンス』

[要旨]事業活動においては、ビジョンという曖昧模糊とした思いを、経営戦略に落とし込むことが不可欠です。そのためには、顧客や市場に関する情報、競争相手に関する情報、自分たちの強みや弱みなど、客観的な情報収集や分析を行い、自分たちはどの『土俵…

経営戦略の3つの階層

[要旨]経営戦略には、主に社内の資源配分を最適化する全社戦略、各事業の競争力を最大化する事業戦略、事業戦略を側面から支える機能別戦略の3つの階層があります。そして、経営者には、各戦略の整合性を維持し、成果が最大になるよう管理する役割があり…

経営戦略は目的達成のための資源配分

[要旨]ビジネスの世界において、戦略という言葉を最初に使ったのは、アルフレッド・チャンドラーであり、彼は、1962年に出版した「経営戦略と組織」の中で、戦略を、「企業の長期的目標と目的の決定、行動指針の採用、目的を達成するために必要な資源…

経営戦略によって企業に魂が宿る

[要旨]経営コンサルタントの遠藤功さんによれば、経営戦略とは、経営の意思であり、多様なステークホルダーとの約束です。さらに、どのような会社を目指すのか、どのような存在になりたいのかを意思表示し、株主や顧客というステークホルダーと約束するも…

組織開発は対話による関係づくりから

[要旨]組織開発の始まりの多くは、対話による関係づくりからスタートします。なぜなら、タスク・プロセスと、メンテナンス・プロセスに目を向けて対話を行うことで、メンバーは自分たちのどのようなプロセスからモヤモヤが起こっているのかに気づくことが…

プロセス・ロスとプロセス・ゲイン

[要旨]組織開発の主な対象は、タスク・プロセスとメンテナンス・プロセスですが、技術的課題、すなわち、主にタスク・プロセスを改善する適切な方法と、適応課題、すなわち、主にメンテナンス・プロセスを改善する適切な方法を、上手く組み合わせることが…

組織開発で適応課題に取り組む

[要旨]組織開発の対象は、課題を氷山にたとえると、海面の上に出ていて目に見えるコンテント、海面からすぐ下のタスク・プロセス、海面から深い部分にあるメンテナンス・プロセスに分かれます。コンテント、及び、タスク・プロセスの一部は、既存の方法で…

なぜ『組織開発』が求められているのか

[要旨]VUCAの時代と言われている現在、ビジネスにおいては、かつてのような確率の高い「勝ち筋」が見出しにくくなり、業績が思うように伸びず、また、コロナ禍や働き方改革の進展が示すように、職場の環境、メンバーの構成、働き方そのものも大きく変…