鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『エースで4番』の封印と多様性の重視

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、多店舗展開をしようとしたとき、安田さんと部下の間では能力に大きな開きがあることから、部下に権限委譲をすることを逡巡したそうです。しかし、権限委譲をしなければ多店舗展開できないことから、中…

権限委譲で勤勉かつ猛烈な働き者集団へ

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、多店舗展開をしようとしたとき、ドン・キホーテの特色である圧縮陳列などのノウハウについて従業員たちに説明したもののても、まったく理解されなかったそうです。そこで、従業員たちに権限を委譲する…

集団運の作用で『1+1』が『3』に

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、夏の高校野球の地区大会で、月並みなチームなのに、あれよあれよという間に勝ち進んで地区大会を制し、番狂わせ的に甲子園への出場権を手にする例は、誰かしらの情熱溢れる一言が契機になるなど、何ら…

『個運』を『集団運』へ転化させる

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、ドン・キホーテが好業績を続けてきた理由は、安田さんの「個運」を「集団運」、すなわち、安田さんの価値観や行動様式を、部下の人たちにも持ってもらうようにしたからだそうです。そうすることで、「…

『後始末』ではなく『前始末』

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、業務を進めていて後で不都合な状態に陥るような場合は、事前に何らかの兆候を発しているので、そのシグナルを見逃さず、きちんと前始末さえしておけば、後で大騒ぎをする必要はなくなるそうです。すな…

商売は真正直にやるのが一番儲かる

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、かつて、安田さんは、売る側からしかものを見ることが出来なかったため、その風圧が顧客に伝わり、逆効果となっていたそうです。そこで、安田さんは、無私で真正直な商売に徹することにし、同社で追求…

我欲と自我を消すと事業が上手くいく

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、かつて、安田さんは、「成功して認められたい」など、自分のことしか考えていなかったところ、部下たちから自分だけよい思いをしたいという魂胆を見透かされ、事業がうまくいかなかったそうです。そこ…

リスクをとることで最大の果実を得る

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、2007年に、約100億円という巨額損失を抱えていた長崎屋の買収をしたときは、銀行や役員・幹部も反対していたそうですが、安田さんはそれらの反対を押し切ったそうです。しかし、同社では、M&…

リスクをとらないのが一番のリスク

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、不確実極まりない時代においては、リスクをとろうがとるまいが、思わぬ幸運や不運はそれなりにやってくる、すなわち、リスクをとらないのが一番のリスクとなる時代であるということです。すなわち、自…

見切り千両、再挑戦万両

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、早く成功にたどり着くためには、挑戦する回数を増やすことが基本ですが、その回数を増やすためには、迅速に撤退の決断をする必要があります。そこで、あらかじめ「失敗の定義」を決めておくと、失敗を…

損失回避バイアスに惑わされない

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、ビジネスで「大勝ち」することが難しい要因のひとつは、人は負けることに敏感、すなわち、損失回避バイアスがある一方で、勝つことには鈍感、すなわち、機会原価を発生させてしまうからです。したがっ…

“大負け”はせず“大勝ち”を重ねる

[要旨]ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんによれば、同社が開業以来34年間増収増益を続けてきた要因は、何回負けても絶対に致命的な“大負け”をせず、勝つ時は“大勝ち”を重ねてきたからだということです。事実、同社では、これまで100の業態を展開し…

成功事例より失敗事例が起業に役立つ

[要旨]元プロレスラーで、約14年前にラーメン店を開業した川田利明さんは、起業しようとする人向けのガイドブックやノウハウ本には成功談や美談が多く書かれているものの、それは、そのような内容を書かなければ売れないからであり、実際に成功し繁盛す…

技術者の帽子を脱ぎ経営者の帽子を被れ

[要旨]ノンフィクション作家の松浦晋也さんによれば、スペースシャトル「チャレンジャー」の事故は、いったん、技術者が打ち上げ延期を勧告したにもかかわらず、政治的な圧力で打ち上げが行われて事故に至ったそうです。このように、プロジェクトは、技術…

『社長を育てる社員』を持っている社長

[要旨]ビジネスコーチの秋山ジョー賢司さんによると、これまで秋山さんがご支援をしてきた会社の中には、部下が社長を育てる会社があったということです。その場合、社長と部下の関係は上下関係ではなく、パートナー的な関係にあるそうです。そして、その…

ヒューマニスティックだけでは失敗する

[要旨]冨山和彦さんによれば、人材を育成するために、部下に不得手な分野に挑む機会を与えることは重要ではあるものの、その結果、事業が失敗するようなことは避けなければならないそうです。したがって、これからの会社は、従業員のエンプロイアビリティ…

従業員にエンプロイアビリティを求める

[要旨]冨山和彦さんによれば、経営環境の変化に合わせ、事業方針を転換する必要があったとき、これまで使ってきた能力を活かすことができない従業員がいる場合、その従業員に薄情けをかけて、続けて働いてもらうことは競争力を削ぐことになるので、避けな…

人事評価を自分の短所を補う機会にする

[要旨]冨山和彦さんによれば、組織の中で上に行けば行くほど、自分に対して厳しい意見を言ってくれる人は少なくなるので、人事評価は周りが自分をどう見ているかを知る貴重な機会でもあるととらえ、周りからの意見というのはとりあえず素直に聞いたほうが…

有望なリーダー候補は失敗を受け止める

[要旨]冨山和彦さんによれば、敗北をしっかりと抱きしめ、それが会社やまわりに与える被害を最小化するために身を呈して最後まで頑張り、最終責任を引き受けるような見事な負けっぷりができる人事は、将来、超有望であるということです。一方で、優等生で…

将来のリーダー候補はコミットして勝負

[要旨]冨山和彦さんによれば、会社の将来のリーダー候補は、自分の頭で考え、自分の判断基準で決め、自分の行動原則に基づいて実行する、すなわち、仕事にコミットする人材だということです。逆に、将来のリーダーに適さない人は、ホウレンソウを繰り返し…

指名委員会等設置会社は日本に向かない

[要旨]冨山和彦さんによれば、日本の会社に、米国型の制度である委員会等設置会社はなじまないそうです。なぜなら、企業統治上の主導権は株主であるというドグマが一般的に受け入れられているアメリカのような国でしか機能しない制度だからということです…

戦略は潜在的な情理に支配されてしまう

[要旨]冨山和彦さんによれば、人間的情理や組織的情理が、競争上・経済上の合理と衝突する場面になると、ほとんどの組織では、合理は情理に支配されてしまうそうです。その理由は、一般に組織の長ほど共同体の論理や人間関係などに支配され、潜在意識の中…

社長の頭で考え課長のように行動する

[要旨]冨山和彦さんによれば、日本の会社の社長にもっとアクセルを踏ませるようにするには、少人数で意思決定する仕組みをつくればよいということです。具体的には、部・課長クラスを含めた3人で構わないということです。一方で、課長程度の視点しか持っ…

日本の会社の社長はアクセルを踏まない

[要旨]冨山和彦さんによれば、欧米におけるガバナンス論は、強い権限を持つCEOが暴走してしまった場合、誰がどうやってブレーキを踏むかということが前提となっているそうです。しかし、日本の会社で起きる問題は、集団の不作為型の暴走や問題先送り型…

日本の企業にはガバナンス革命が必要

[要旨]冨山和彦さんによれば、多くの日本企業は意思決定と実行が遅いため、アメリカ流の株主主権型やアジア流のオーナー主権型のトップダウンモデルに敗北しているそうです。その要因は、トップレベルにおいては最高意思決定機関である取締役会が、社内の…

意思決定の質と実行の質の掛け算

[要旨]冨山和彦さんによれば、日本型のすり合わせ文化、ボトムアップ型の経営プロセスは、現在は大きな弱点を露呈しているそうです。すなわち、ムラ型共同体的な特質の強い日本企業は、本能的に共同体内の不協和音を嫌うため、大きな意思決定ほど関係者の…

雇用を第一にすると経営は合理性を失う

[要旨]冨山和彦さんによれば、雇用は企業の重要な存在意義のひとつであるものの、雇用を守ることを戦略上の第一の目的関数にした瞬間、経営は合理性を失い、競争に敗れ、最後は雇用を最も大きなかたちで失うことになるため、長い目で見て雇用を最大化した…

足し算ではなく引き算の意思決定が大切

[要旨]冨山和彦さんによれば、本来、戦略的意思決定というのは、何を優先させるかという議論であり、何かを捨てなければならない引き算の議論だそうです。これに対し、それは縮小均衡になるという反論がありますが、現在は特定の事業に資源集中をしなけれ…

利益を得るための活動から目を背けない

[要旨]冨山和彦さんによれば、例えば、航空会社では、稼働率を高めることが利益を得る活動になりますが、それを実践するために路線を減らそうとすると、従業員や政治家などから抵抗され、心理的に路線を減らすことから目を背けたくなってしまいます。しか…

トンボとアリの視点を持つことが大切

[要旨]冨山和彦さんによれば、ある事業ユニット単位では、最適なマネジメントを行っているように見えても、会社全体から見ると、その事業ユニットがなんらかのボトルネックになっているういうことがあるそうです。すなわち、会社の中の1組織の中にだけい…