私がこれまで事業改善のお手伝いをしてき
た会社の中には、経営者の方が事業を成長
させたいと考えつつも、なかなかそれを実
現できないでいる会社が、少なくありませ
んでした。
その原因はひとつに限らないのですが、最
大の要因は、組織を大きくできないという
ことです。
会社によってはスーパー営業マンがいて、
そのような従業員によって売上を増やすこ
とはできるかもしれませんが、それは契約
をとるだけであって、せっかく営業マンが
大口契約をとってきても、実際に、多くの
製品や商品を製造したり販売したりするに
は、それなりの人材が必要になるので、事
業を大きくする場合は組織も大きくするこ
とは避けられないことになります。
ところが、中小企業では、経営者が直接手
を下さないと、組織を大きくすることがで
きません。
採用などは人事担当者に任せることができ
るかもしれませんが、従業員数を増やすだ
けでは課題は解決しません。
事業を円滑に遂行するには組織的な活動が
できるような体制整備が必要になるので、
そのための事業方針を決めたり、それに
沿った人員配置などは、最終的には経営者
が決断することになります。
ここまで書いてきたような、事業を拡大す
る→従業員数を増やす→組織の管理業務が
増えるという構造は、多くの方に経験的に
ご理解していただけると思います。
そして、組織の管理業務は経営者に代わっ
て行える人はいないので、事業を拡大しよ
うとすると、経営者は徐々に管理業務に専
念せざるを得ないことになります。
その一方で、自分の考える方針で事業を実
践したいという動機で会社を起こした経営
者の方の中には、せっかく自ら会社を起こ
したのだから、自分のやりたいようにやり
たいので、管理業務はわずらわしいと感じ
る方もいます。
その考え方が決して間違ってはいないので
すが、その場合は、小規模な組織で持続で
きる事業を行うことが前提となります。
今回の記事の結論は、事業を大きくしたい
と考える経営者の方は、その考えを実現す
るために、「管理業務」に軸足を置かなけ
ればならなくなるということです。
中小企業経営者の方の中には、このことを
理解した上で起業されている方もたくさん
いますが、実際に起業するまで経営者の管
理業務の多さが分からなかったという方も
少なくないと感じましたので、今回、改め
て記事にいたしました。
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