鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

得るものと手放すもの

私がこれまで事業改善のお手伝いをしてき

た会社の中には、経営者の方が事業を成長

させたいと考えつつも、なかなかそれを実

現できないでいる会社が、少なくありませ

んでした。


その原因はひとつに限らないのですが、最

大の要因は、組織を大きくできないという

ことです。


会社によってはスーパー営業マンがいて、

そのような従業員によって売上を増やすこ

とはできるかもしれませんが、それは契約

をとるだけであって、せっかく営業マンが

大口契約をとってきても、実際に、多くの

製品や商品を製造したり販売したりするに

は、それなりの人材が必要になるので、事

業を大きくする場合は組織も大きくするこ

とは避けられないことになります。


ところが、中小企業では、経営者が直接手

を下さないと、組織を大きくすることがで

きません。


採用などは人事担当者に任せることができ

るかもしれませんが、従業員数を増やすだ

けでは課題は解決しません。


事業を円滑に遂行するには組織的な活動が

できるような体制整備が必要になるので、

そのための事業方針を決めたり、それに

沿った人員配置などは、最終的には経営者

が決断することになります。


ここまで書いてきたような、事業を拡大す

る→従業員数を増やす→組織の管理業務が

増えるという構造は、多くの方に経験的に

ご理解していただけると思います。


そして、組織の管理業務は経営者に代わっ

て行える人はいないので、事業を拡大しよ

うとすると、経営者は徐々に管理業務に専

念せざるを得ないことになります。


その一方で、自分の考える方針で事業を実

践したいという動機で会社を起こした経営

者の方の中には、せっかく自ら会社を起こ

したのだから、自分のやりたいようにやり

たいので、管理業務はわずらわしいと感じ

る方もいます。


その考え方が決して間違ってはいないので

すが、その場合は、小規模な組織で持続で

きる事業を行うことが前提となります。


今回の記事の結論は、事業を大きくしたい

と考える経営者の方は、その考えを実現す

るために、「管理業務」に軸足を置かなけ

ればならなくなるということです。


中小企業経営者の方の中には、このことを

理解した上で起業されている方もたくさん

いますが、実際に起業するまで経営者の管

理業務の多さが分からなかったという方も

少なくないと感じましたので、今回、改め

て記事にいたしました。

 

 

 

 

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