鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行職員はサラリーマンに過ぎない

私が銀行で働いていたときのことですが、

あるお取引先の社長さんから、「会社でセ

ルシオ(当時のトヨタの最上位の高級車)

を買おうと思っているのだけれど、君はど

う思う?」ときかれたことがありました。


私は、「すぐに買いましょう。もしよろし

ければディーラーさんをご紹介しますよ」

と即答したのですが、その社長さんは「実

は、ほかの銀行さんにも同じことを聞いた

ら、あまり自動車にお金をかけないほうが

いいと言われたんだよね」とお話をされま

した。


私は、その社長さんは、高級車を所有する

ことで会社のステータスを高めようという

ことを意図していることが分かっていたの

で、自動車購入を前向きに考えるべきと答

えたのですが、恐らく、否定的に考えた別

の銀行の方は、経費を抑えるべきという観

点から回答したのだと思います。


しかし、たとえ、中小企業であっても、経

営者の方は自分の発言力を高めることが大

切どいうことを身を持って経験しており、

もちろん、高級車を買えばすべてが解決す

るわけではありませんが、だからといって

大衆車に乗ることが必ずしも適切ではない

と、私は考えています。


このような、銀行職員の視点と経営者の視

点の食い違いは珍しくありません。


例えば、従業員の福利厚生のために、会社

が全額を負担して忘年会を開くとき、銀行

職員の中には経費の無駄遣いと判断する人

もいます。


私は両方の例を見ていますが、単に惰性で

忘年会の費用を会社負担としている会社も

ありますが、きちんと人材育成方針を作っ

て、それに基づいて会社負担で忘年会を開

いている場合は、私はそのような経営者の

判断は尊重すべきと思っています。


これはよく言われることなのですが、銀行

職員は、事業会社に融資できるかどうかの

判断はしますが、それは、融資が回収でき

そうかどうかという基準での判断が主なも

のです。


でも、会社経営者は、有機的な事業活動を

より大局的な視点で意思決定をします。


そのような経営者の意思決定は、サラリー

マンである銀行職員には直ちに理解しにく

い面もあります。


そういう私も、完全に経営者の判断を理解

しているとはいえません。


そこで、そのような経営者の意思決定につ

いて、どうあるべきかを理解しようと努め

た時がありました。


でも、やはりそれは最終的には実際に経営

者になってみなければわからないという結

論になりました。


そのため、私は、いまはコンサルティング

を仕事としていますが、コンサルタント

して経営者の判断を最善のものとなるよう

に支援することに徹しています。


やはり、経営者が行うべき判断は、経営者

になったものにしかできないものです。


話を戻すと、サラリーマンである銀行職員

は、経営者の立場を理解できないこともあ

りますが、それはやむを得ないということ

です。


ただ、銀行職員は銀行職員として最大限の

努力を払って判断をしているので、経営者

の方もそれを尊重し、経営者の方の判断が

独り善がりにならないようにするための参

考にすることが大切だと思います。

 

 

 

 

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