私とも親しくさせていただいている、ジャ
ーナリストで、「賞味期限のウソ食品ロス
はなぜ生まれるのか」の著者でもある、井
出留美さんが、ラジオ番組で受けたインタ
ビューに関する記事を読みました。
(ご参考→ https://goo.gl/6BYHxN )
井出さんのお話を短くまとめると、恵方巻
のメーカーは、発注した小売店からのプレ
ッシャーで、欠品が出ないよう多めに製品
を作る結果、売れ残りが出やすくなるとい
うものです。
私も、井出さんの考えに100%賛成なの
ですが、ただ、恵方巻を造る会社や、それ
を売る会社に対して、単に、食品を大切に
しない不道徳な会社であると批判できない
とも考えています。
恵方巻を造ったり売ったりしている会社
は、自社の利益を最大化しようとしている
結果、廃棄する製品が発生するからです。
では、廃棄しないように、数量を絞って製
造したり販売したりすればよいという指摘
もあると思いますが、それはほかの誰より
も、廃棄によって損失を被る販売者や製造
者などの当事者自身が実現に努めているは
ずです。
それでも欠品は避けられません。
井出さんのお話の中で、恵方巻の大量販売
を自粛したスーパーマーケットの事例が出
ていますが、恐らく、それは、収益が減る
ことを覚悟して行っていることでしょう。
食品ロスについて、恵方巻だけを例にして
お話をすると、イメージが湧きにくいと思
いますので、農林水産省の統計を見ていた
だきたいと思います。
(ご参考→ https://goo.gl/zQh4ee )
この調査では、「平成27年度の食品の食
べ残し量(重量基準)の割合は、食堂・レ
ストランでは3.6%、結婚披露宴では
12.2%、宴会では14.2%となっ
た」と報告しています。
こう書くと、極論になってしまうかもしれ
ませんが、食品ロスを減らすことを最優先
で考えれば、宴会や結婚披露宴は禁止すべ
きということになってしまいます。
恵方巻も、大量に廃棄されるかもしれませ
んが、その割合は、宴会で食べ残される
14.2%には届かないのではないでしょ
うか?
繰り返しますが、だからといって、私は食
品ロスを肯定はしません。
ただ、事業活動を遂行するときは、一般的
な道徳的な考え方と相いれない面も出てく
るということも事実です。
では、どうすればよいのかというと、実の
ところ、私も明確な解決策は持っていませ
ん。
でも、前述のような、大量販売を自粛する
ようなスーパーマーケットがほかにもたく
さん登場し、そのような会社に対する社会
的な指示が広まれば、収益機会は少なく
なっても、食品ロスを減らそうと考する会
社が増えていくと思います。
また、カーボンオフセットの考え方が浸透
しつつあるように、「食品ロス・オフセッ
ト」のような考え方も広まることを期待し
たいと思います。
(ご参考→ https://goo.gl/xgeYWb )
例えば、残飯を再利用して家畜の飼料を製
造するといった、エコフィードの取り組み
も行われています。
(ご参考→ https://goo.gl/7g9B1H )
現時点では、私のような微力しか持たない
ものにできることは限られていますが、こ
れからも機会を見て、食品ロスを極力減ら
すよう、情報発信を続けていきたいと思い
ます。
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