鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

気配を消す

伊勢丹のカリスマバイヤーとして活躍し、

福助の社長や、イトーヨーカ堂の取締役な

どを歴任した、藤巻幸大さんのご著書、

「なぜあの人はいつも助けてもらえるの

か」( https://amzn.to/2sDuhcy )を拝読

しました。


その本の中で、私は、「気配を消す」とい

う言葉が印象に残りました。


「自分の気配を消すというか、そういう気

持ちがあるから、その行為は周りから見て

も不快どころか美しく見える。


あくまでも相手本位であるということ、そ

して、相手に関心を持ち、相手の気持ちに

なって考えて行動することが、気配りや心

配りであり、マメになる」


冷静に考えれば、当然のことが書いてある

のですが、私も他の人と会話をしていると

き、知らず知らずのうちに、自分の話をし

たいことを話そうと懸命になっていること

があり、藤巻さんのこのご指摘を読んで、

「はっ」という気持ちになりました。


そういう自分が他の方にこのようなことを

書くことは差し出がましいのですが、経営

者の方の多くは、従業員に対して、自分の

考えを、時間をかけて話す方が多いと感じ

ています。


それは、必ずしも悪いことではなく、経営

者の考えを頻繁に従業員に伝えることは重

要と、私も考えています。


ただ、ケースバイケースで、従業員の方に

話してもらう機会をつくることも大切だと

思います。


極端な例を書くと、従業員の方が出先で、

自社に有益と思われる情報をつかんできた

とき、帰社してからそれを社長に報告し始

めたら、社長が、「ああ、それだったらぼ

くも知っているよ、これこれこういうこと

だよね」と回答したとします。


社長とすれば、すでに知っていることを、

再度、聞く必要はないと思っただけかもし

れませんが、従業員が知っていることを自

分が知らないとは思われたくないという気

持ちが出てしまった可能性もあります。


もし、そういう気持ちを社長が持っていた

として、それが従業員に伝わってしまった

としたら、従業員は「もう、差し出がまし

いことはしないようにしよう」と考え、そ

れ以降は社長への報告に消極的になってし

まうかもしれません。


ここまで書けば、「社長も自分の『気配』

を消して、従業員に配慮すべき」というこ

とを述べようとしていることがご理解いた

だけると思いますが、「話す」ことについ

ては、私を含め多くの方がついつい我を忘

れることが多いと思い、今回、改めて記事

で書かせていただきました。


経営者の方のほとんどは、従業員の方に能

力を伸ばして欲しいと考えていると思いま

すが、そのためには、まず、自分自身が一

歩引いて、従業員の方に「花を持たせる」

ことが大切です。


ちょっと損な役回りかもしれませんが、だ

からこそ、経営者は尊敬される存在になる

のだと思います。

 

 

 

 

 

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