鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営とはPDCAを実践すること

[要旨]

船井総合研究所のシニアコンサルタントの川原慎也さんによれば、マネジメント手法の1つとして、PDCAの実践をお薦めしているそうですが、これは多くの経営者の方が当たり前のことと考えている一方で、使いこなせているリーダーがほとんどいないという実態があることから、これを実践することで大きな効果が期待できるということです。


[本文]

今回も、前回に引き続き、船井総合研究所のシニアコンサルタントの川原慎也さんのご著書、「これだけ!PDCA-必ず結果を出すリーダーのマネジメント4ステップ」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、川原さんによれば、ビジネスパーソンが功績が認められ、昇格することは喜ばしいことではあるものの、チームリーダーは個人の成果よりもチームの成果を出すスキル、すなわち、マネジメントスキルが必要になるということについて説明しました。

これに続いて、川原さんは、マネジメントの手法の1つとして、PDCAを実践すると、成果をたかめることができるということについて述べておられます。「マネジメントの手法の一つに、この本のテーマである『PDCA』サイクルがあります。Plan(計画を立てる)→Do(実行する)→Check(実行した結果を評価する)→Action(うまくいっていないところを改善する)というサイクルを回していくことで、これまで以上の成果を出すことができるという考え方です。『計画を立てて、実行して、それを振り返って、もっと上手なやり方をする』『なんだ、当たり前じゃないか』と思ったかも知れませんが、それで良いのです。新しい考え方ではありません。

しかし、注意は必要です。この極めて当たり前の考え方が、長い間廃れることなく言われ続けているのには理由があるはずです。それは何でしょうか。当たり前だと感じたことからもわかるように、かなり的を射た(=本質的な)考え方だということがありますが、一方で、当たり前にも関わらず、使いこなせているリーダーがほとんどいない、という実態があるからなのです。この章では、当たり前が当たり前にできない理由を押さえていきましょう」(16ページ)

私は、事業改善をしたいと考えている経営者の方には、PDCAを行うようお伝えしています。さらに、もう一歩踏み込んで、「経営とはPDCAを実践することです」とも述べています。確かに、「経営=PDCAの実践」は短絡的過ぎる表現だと思います。でも、私がこのように述べることには理由があります。というのは、川原さんも、「当たり前にも関わらず、使いこなせているリーダーがほとんどいない、という実態がある」と述べておられるように、PDCAを実践している中小企業経営者はあまり多くありません。すなわち、多くの経営者は、PDCAを実践していない、すなわち、無計画で成行的な経営をしています。

本旨から外れますが、私が中小企業経営者の方から事業改善の相談を受けたとき、その経営者の方に、「貴社ではPDCAを実践しておられますか?」と質問すると、実践しているという会社は意外と多いです。そこで、「PDCAを実践しているということは、1年間の計画を立てて、毎月、その達成状況を確認しているのですね?」と再度質問をすると、「そこまでは実践していない」と回答する方がほとんどです。

中小企業経営者の方の多くは、頭の中におぼろげな計画があり、普段の事業活動をするなかで、構想通りにうまくいかなかったときに、少し修正をしてみるということは実践しているかもしれません。このことをPDCAと考えているのかもしれませんが、これだけでは行き当たりばったりの成行的な事業運営の状態です。しかし、前述したように、年間計画を立てて、その達成状況を毎月確認し、計画と実績に乖離があれば、それを修正するための工夫を積み重ねていくということをすれば、業績は高まることは、容易にご理解できると思います。

なぜなら、計画が明確になれば、経営者や従業員の方の普段の事業活動の足並みが揃うこと、月単位で活動を修正することで、迅速に改善ができることが明確だからです。もちろん、これらは、内部管理体制を変えるだけであり、外部の経営環境が厳しければ、計画通りにならないこともあります。でも、成行的に事業活動に臨んでいる会社よりも、計画的に事業活動に臨んでいる会社の方が、より研ぎ澄まされた活動ができるわけですから、成果に差が出ることは間違いないと思います。

そこで、私は、「経営=PDCAの実践」と述べています。もちろん、経営者が行う「経営」は、PDCAだけでなく、もっと精緻な手法があります。でも、中小企業の多くはPDCAを実践していない中にあって、PDCAを実践するだけでも、ライバルとの差が出ることは間違いありません。そこで、私は、中小企業経営者の方には、「経営=PDCAの実践」と説明しています。

2026/3/19 No.3382