グロービス経営大学院で講師を務めておら
れる溜田信さんが、ポッドキャストで、行
動経済学についてお話しされておられまし
た。
(ご参考→ https://goo.gl/o29nkn )
そのおおよその内容は、次の通りです。
すなわち、「あなたにこの千円札をあげま
すが、その千円札を隣にいる人と話し合っ
て分け合うことが条件です。
きちんと話し合いができたなら、この千円
札をあなたにあげますが、話し合いがつか
なければあげません」と言われたらどうす
るか、というものです。
そうすると、多くの人は、1,000円を
どう配分することがよいかと考えてしまう
ようです。
しかし、純粋に千円札をもらうにはどうす
ればよいかということだけを考えるのであ
れば、自分が1円、相手に999円で分け
ることも正解になります。
ただ、実際には、人は、純粋な解決策を採
ることは少なく、他の人との関わりを判断
の要因に入れてしまっているようです。
これと似た例として、私は、イギリスの高
級ブランド、バーバリーへの批判を思い起
こします。
(ご参考→ https://goo.gl/eLo3VR )
ハフィントンポストによると、同社は、
2017年、衣料品やアクセサリー、香水
など2,860万ポンド分(約41.8億
円)の売れ残り商品を焼却処分し、過去5
年間では、9,000万ポンド(約130
億円)分の商品を廃棄していたそうです。
これに対して、「環境保護活動家などから
は、なぜチャリティー団体に寄付しないの
かなどと批判があがっている」そうです。
また、詳細は割愛しますが、日本の食品業
界の慣習となっている3分の1ルールが、
バーバリーと同様の構造で批判を浴びてい
ます。
(ご参考→ https://goo.gl/4HWhgF )
私は、バーバリーや日本の食品業界の考え
方は、ビジネスの価値観では正しいと思っ
ています。
でも、ビジネスの対象である顧客や社会
は、ビジネスの価値観とは異なる価値観を
持っており、その価値観でビジネスを評価
します。
では、どうしたらよいのかということなの
ですが、私は明確な結論を出せないでいま
す。
ただ、現状としては、ビジネスの価値観に
軸足を置きつつ、顧客や社会の価値観にも
寄り添うという対応をしていく他はないの
ではないかと思っています。
今回の記事の結論は、経営者の方は、社会
にはいくつかの価値観があるという前提で
事業に臨むべきということです。
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