鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

鄙事多能

先日、イエローハット創業者の鍵山秀三郎

さんのメールマガジンに、鄙事多能(ひじ

たのう)について書かれていました。


「『鄙事』とは、取るに足らない些細なこ

と。


『多能』とは、器用の意。


子供のころ貧しく、どんな仕事でもこなさ

なければならなかった孔子が遺した言葉で

す。


人生は、難しいことばかりを学ぶことでは

ありません。


身辺の雑事といわれるようなことを、きち

んと処理できることが何より大事です」


ちなみに、本旨からそれますが、孔子は、

「吾(われ)少(わか)くして賤(いや)

し、故に鄙事に多能なり、君子、多ならん

や、多ならざるなり」と言っているようで

す。


すなわち、「私は若い頃は身分が低かった

ので、たくさんのことをしなければならな

かったが、君子(聖人)として多くのこと

ができるということは必要だろうか、いや

必要ではない」ということであり、当時と

しては、鍵山さんの解釈とは逆に、君子は

「多能」である方がよいという価値観はな

かったようです。


話を戻して、鍵山さんは、経営者こそ「取

るに足らない些細なこと」ができることが

必要だと考えており、かつ、それをご自身

で実践されて来られたということは、すで

に多くの方がご存知の通りです。


そして、この鍵山さんのお考えは、ここで

改めてご紹介するまでもないことなのです

が、では、なぜ、私が言及したのかという

と、「鄙事」を大切にしている人、すなわ

ち、口だけではなく行動がともなっている

人は、説得力があるということを、伝えた

かったからです。


例えば、私が銀行勤務時に、顧客と次のよ

うなやり取りが何度もありました。


すなわち、「今回の融資の申し込みは、な

んとか1週間で融資審査部の承認が得られ

ましたが、次に融資を申し込むときは、希

望日までに承認が得られない可能性もある

ので、きちんと1か月前までに必要な書類

を揃えて申し込みをするようにしてくださ

い」とお伝えしたとき、その約束を守って

くれる会社と、守ってくれない会社があり

ました。


残念なことに、守ってくれる会社は少数派

でした。


もちろん、これだけがすべてではありませ

んが、小さな約束を守ってもらえる会社の

方が、経営者が口にする言葉の説得力は高

まります。


現在も、「銀行はなかなか融資に応じてく

れない」という不満を持つ会社経営者の方

も多いと思いますが、例えば期限を守ると

いう鄙事を積み重ねるだけでも、銀行の反

応は違ってくると思います。


これは、私自身にも言えることですが、

困ったときだけほかの人に泣きつくような

ことをしてばかりいると、いつか、誰から

も信用されなくなってしまいます。


普段から、鄙事を大切にして行動している

ことが、いざという時に、多くの人から助

けてもらえるようになるでしょう。

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20190902215629j:plain

 



●当事務所の9月の予定をお知らせします。


スカイプ相談実施日」

9月5日(木)

詳細とお申込み→ https://goo.gl/fShaEi

 

「融資に強くなる勉強会」

9月6日(金)13:00~15:00

詳細とお申込み→ https://amba.to/2YDIIep

 

スカイプ相談実施日」

9月19日(木)

詳細とお申込み→ https://goo.gl/fShaEi