鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業転換にともなう融資

「現在の事業が不振なので、事業を別のも

のに転換しようと思っているが、それにあ

たって、銀行の協力は得られるか」という

ご質問を受けたことがあります。


これについて答えるにあたっては、ここで

は、オーナー会社を前提として述べていき

ます。


そして、その質問に答える前に、会社の事

業の多角化について考えたいと思います。


最近は、中小企業であっても、事業の多角

化は珍しくありません。


その多角化には、不動産会社が住宅建築事

業に進出するといった連関のある事業への

多角化もありますが、IT会社が飲食店に

進出するという連関のない事業への多角化

も見られますが、いずれもケースバイケー

スで判断されます。


そして、この多角化には長所と短所があり

ます。


長所は、複数の事業を運営することで、会

社の基盤が強くなるということです。


短所は、新たな事業が失敗したときのリス

クがあるということです。


とはいえ、銀行も、最近の中小企業の経営

環境はどんどん変化しているので、多角化

は前向きに受け止めていると思います。


ただ、どんな多角化でも銀行は評価するの

かというと、やはり、最終的には現在の事

業がしっかりしているかどうかという点に

最大のポイントがあると思います。


すなわち、現在の事業から勘案して、新た

な事業をマネジメントできる能力があるか

どうかということと、仮に新たな事業に失

敗したときに、現在の事業で支えることが

できるか、ということになるでしょう。


したがって、銀行は、多角化によるリスク

そのものは否定しないものの、それを支え

るだけの経営基盤が現在の会社にあるかど

うかということが評価されることになると

思います。


そこで、事業の多角化にあたって銀行の協

力を得られなかったというときは、多角化

することに問題があるというよりも、現在

の会社の状況に疑義があるという面が強い

と私は考えています。


ここで最初の質問に戻り、事業転換のため

の融資について銀行の協力が得られるかど

うかということについてですが、これも、

多角化と同じ考え方で判断されると私は考

えています。


中小企業の業況が悪化する要因は、外部環

境(顧客や需要など)と、内部環境(経営

者の能力や経営資源など)の2つの分類に

分けることができると思いますが、単に、

経営者の能力が高くないために、闇雲に事

業を転換するということであれば、銀行の

協力を得ることは難しいでしょう。


しかし、従来の事業に精緻なマネジメント

で臨んで来たものの、過疎化や需要がなく

なったなどの要因で今後の売上を見込むこ

とができないということであれば、銀行か

らの協力を得やすいでしょう。


すなわち、事業転換について銀行がどう評

価するかということは、オーナー会社の場

合は、経営者のマネジメント能力が最大の

ポイントになるということです。

 

 

  

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

  

f:id:rokkakuakio:20190802205256j:plain

 

 

 

●当事務所の8月~9月の予定をお知らせ

します。

  

スカイプ相談実施日」

8月8日(木)

詳細とお申込み→ https://goo.gl/fShaEi

 


「信用保証協会徹底活用セミナー」

8月19日(月)13:00~15:00

詳細とお申込み→ http://bit.ly/L3TmzF

 
スカイプ相談実施日」

8月22日(木)

詳細とお申込み→ https://goo.gl/fShaEi

 
「経営入門セミナー」

8月26日(月)19:00~21:00

詳細とお申込み→ https://amba.to/2GmM7bm

 
「融資に強くなる勉強会」

9月6日(金)13:00~15:00

詳細とお申込み→ https://amba.to/2YDIIep