先日、私が制作しているポッドキャストに
ご出演いただいた、経営コンサルタントの
庄司桃子先生から、業績の悪い会社は、な
んとか売上を挽回しようとして、既存の事
業とあまり連関のない事業に手を出し、そ
の結果、その事業に失敗して、ますますお
金を失ってしまうことが多いという話を聴
きました。
(ご参考→ https://bit.ly/2wVLj87 )
このような失敗事例は、コンサルタントの
間では、よく耳に入る事例です。
「あの会社はもうかっていそうだから、自
分も始めればもうかるかもしれない」と、
安易に考えて進出してしまうと、「こんな
はずではなかった」ということになるとい
うものです。
ひとことで言えば、「本業がうまく行って
いないのに、未経験の事業に手を出しても
うまく行くわけがない」ということになる
でしょう。
(念のために申し添えると、多角化して成
功する事例も少なくありませんので、私は
事業の多角化をすべて否定する意図はあり
ません)
では、なぜ、他社の事業は簡単にうまくい
くと思ってしまうのでしょうか?
その理由はひとつではないと思いますが、
私が考える理由をふたつ挙げたいと思いま
す。
ひとつは、事業をものの流れでしかとらえ
ていないからだと思います。
すなわち、価値連鎖分析における、「購買
物流」、「製造」、「出荷物流」でのみ事
業をとらえており、「販売・マーケティン
グ」、「サービス」、「全般管理」、「人
事・労務管理」、「技術開発、調達」など
の、近年、重要性が増している活動が見え
ていないということです。
(「価値連鎖分析」は、こちらをご参照く
ださい。→ https://bit.ly/2KIlCAT )
要は、外部から見える活動よりも、見えな
い活動の方が事業の優位性を決めているの
に、それに気づかないで新しい事業に手を
着けてしてしまうと、すぐに競争に敗れて
しまうということです。
ふたつめの理由は、ひとつめの理由とも重
なる面もあるのですが、組織(従業員)の
習熟度の問題です。
(習熟度については、こちらをご参照くだ
さい。→ https://bit.ly/2JazOzq )
近年は、事業の業績は、従業員や組織の能
力の高さに負う面が大きくなっています。
ですから、同じ業種であっても、従業員や
組織の能力の差によって業績にも差がつき
ます。
すなわち、自社の現在の業績が振るわない
原因は、従業員や組織の能力(その責任は
もしろん経営者にあるのですが)という内
部に問題があるにもかかわらず、事業内容
や外部環境に問題があるなどというよう
に、外側に原因を求めているからだと思い
ます。
今回の記事の結論は、業績の改善のために
多角化することに問題はありませんが、そ
の前に、自社の足腰が強くなければ、多角
化には失敗してしまうということです。
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