今回の記事の内容は、言行一致、率先垂範
を励行しましょうということです。
このことは、ほとんどの方が否定しないと
思うのですが、そうでありながら、よく、
「●●さんは、言っていることとやってい
ることが違う」とか、「●●さんは、返事
だけはするけれども、なかなか行動しな
い」といった不満を耳にすることがありま
す。
その理由はひとつではないと思いますが、
私は、「行動」とはどういうことかが、人
によって違うからだと思います。
人によってはすぐに行動しなければ行動し
たことにならないと考えているでしょう。
別の人によっては、機会をみて行動すれば
よいと考えているでしょう。
そして、これは問題なのですが、そのうち
行動すればよいと思ったものの、実際の行
動に移るまでにそれを忘れてしまう人もい
るでしょう。
話を戻して、人によって行動はいつ行動す
ればよいかという考え方が違うことから、
すぐに行動すべきと考えている人からすれ
ば、後で行動すればよいと考えている人は
行動しない人のように見えるのでしょう。
ここからは私の経験なのですが、特に、私
が銀行職員時代は、顧客からみて私が行動
していないと受け止められてしまうことが
多々ありました。
それは、顧客が依頼したことをすぐに実行
しなければ、実行していないと受け止めら
れることがあったからです。
そのようなとき、自分の頭の中では自分は
まったく何もしていないわけではないと考
えていても、相手は何もしていないと考え
ているので、議論しても仕方ありませんで
した。
そこで、特に、短期間で回答が欲しい顧客
に対しては、結論が出なくても、進捗状況
はこまめに報告するようにしました。
そうすれば、「結論が遅い」とは言われる
可能性はありますが、少なくとも「何もし
ていない」とは言われることはありません
でした。
このようなことを書くと、「そんなことま
でする必要はないのでは」と考える方もい
ると思いますが、そうするのには特殊な事
情もありました。
というのは、顧客の中には意地の悪い人も
いて、融資交渉を有利に進めたいという思
惑から、銀行職員の手抜かりをなんとか見
つけようしている人もいたからです。
要は、顧客から融資を依頼される銀行職員
は、顧客にすきをつくれなかったというこ
とです。
話を戻して、何らかの行動を起こしていれ
ば、他の人から疑義をもたれることはなく
なるということです。
先ほどは、私が行動していないと言われる
場合を述べましたが、逆の場合もありま
す。
私が会社の事業改善のお手伝いをすると
き、顧問先の経営者の方と意見が合わない
こともあります。
ただ、これを補足させていただくと、経営
の現場では、意見が合わないことは珍しく
なく、また、対立する意見が両方正解とい
う場合もあるし、両方が不正解ということ
もあります。
そこで、顧問先と意見が異なるときは、私
は、「それでは、まず、社長の考えで実践
してみましょう」といいます。
どちらの意見も必ずしも間違っているわけ
ではないのであれば、経営者の方の意見で
実行する方がよいと私も思うからです。
そして、それを実行してみて、結果として
は100点はとれなくても、多くの場合は
70点、少なくとも50点の満足度は得ら
れます。
しかし、問題なのは、経営者が自ら主張し
たプランを実行することにしても、なかな
か着手しなかったり、着手しても遅々とし
ている場合です。
これでは、意見を議論する意味もなくなる
し、経営者の方の信頼も失います。
そういう私自身も、自分で決めたのに実践
できていないことがたくさんあります。
そして、それは、経営コンサルタントであ
れば、なおさら改めなければなりません。
この言葉が嘘にならないよう、きょうから
気を引き締めたいと思います。
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