鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行再編

長崎県親和銀行を傘下に抱えるふくお

かフィナンシャルグループと、同県最大手

十八銀行との経営統合を、公正取引委員

会が承認」したことから、改めて地方銀行

の再編が注目されているようです。


(ご参考→ https://goo.gl/U7jhYu


ひとつの県を地盤とする銀行が、実質的に

合併することについては、「健全な競争を

阻害」する懸念があると考える方も多いと

思いますが、いま、地方銀行の収益が悪化

している中にあって、公正な競争が行われ

ていないとは考えにくいと私は思います。


もし、銀行間の競争が不健全であるとすれ

ば、銀行は収益低下に苦しんではいないで

す。


また、長崎県の例でいえば、十八銀行、親

和銀行以外にも、長崎銀行(本店は長崎

市。ただし、同行は福岡市に本社のある西

日本フィナンシャルホールディングスの子

会社)、たちばな信用金庫(本店は諫早

市)、九州ひぜん信用金庫(本店は佐賀県

武雄市ではあるものの、同信用金庫の前身

のひとつ、旧西九州信用金庫の本店は佐世

保市)があり、その他にも、メガバンク

政府系金融機関、近隣が地盤の地方銀行

支店があるので、地元の2行が1行になっ

ただけで、直ちに「健全な競争が阻害」さ

れるとは考えにくいと思います。


ただ、ここまでの「健全な競争の阻害」と

は、表向きの懸念であって、本当の懸念

は、地元の2行の重複店舗が解消されるな

どの合理化が進むにあたって、業績の芳し

くない融資先への支援が切り捨てられない

かということだと思います。


これは、私も完全な確証を持っているわけ

ではありませんが、地方銀行の再編の狙い

のひとつには、負担の大きい融資先の整理

は含まれていることは、間違いないでしょ

う。


これは、これまで何度も述べてきたことで

すが、最も効果の大きい融資対策は、銀行

から見て融資したいと思う業績をあげるこ

とです。


すなわち、銀行になんらかのアピールをし

なければ融資を受けられないという状態に

至らないようにすることです。


そして、銀行の再編が進むことによって、

業績以外のアピールの効果の余地も狭く

なっていきます。


銀行側も融資先の“ポテンシャル”(潜在

能力)を探る努力は続けるべきですが、少

なくとも、融資を受けようとする側は、業

績かポテンシャルのいずれかを示すことが

できなければ、銀行の再編が進むにした

がって、ますます支援を受けることが困難

になって行くでしょう。

 

 

 

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