私が事業の改善のお手伝いをする
ときは、どうすれば利益を増やす
ことができるのかということを、
クライアントの経営者や幹部の
人たちと考えます。
とはいえ、基礎的な方針は、どの
会社も同じです。
それは、商品の価格を値上げする
ことです。
しかし、「値上げできるような
状況であれば、すでに値上げを
している」と考える方が多いで
しょう。
確かにそうなのですが、一方で、
「ランチェスター戦略を実施
しませんか?」という提案を
受けると、「それならやって
みよう!」という気持ちになる
方も多いと思います。
では、なぜ、ランチェスター
戦略がよいのかというと、
ランチェスター戦略は弱者の
戦略だからです。
弱者の戦略とは、局地戦、接近戦
などを指します。
では、なぜ、局地戦、接近戦がよい
のでしょうか?
これは、弱者でも強者に勝つことが
できる戦略だからです。
では、なぜ、局地戦、接近戦は
強者に勝つことができるので
しょうか?
それは、局地戦、接近戦は強者には
実行できないからです。
では、なぜ、局地戦、接近戦は、
弱者にしかできないのでしょうか?
それは、きめ細かな活動は、弱者で
なければできないからです。
では、きめ細かな活動は、なぜ、
有効なのでしょうか?
それは、顧客が求めているもの
だからです。
では、顧客が求めるものとは
どういうものでしょうか?
それは、値上げをしても買いたいと
思うものです。
こう考えると、ランチェスター戦略は
値上げをするための戦略であると
いうことです。
ただ、ここで、「ランチェスター
戦略を実施して、値上げをすれば
よい」と、安直に述べようとは
考えていません。
「顧客の求めている、きめ細やかな
活動」は、口で言うほど簡単では
なさそうです。
先ほど、「きめ細やかな活動は、
弱者でなければできない」と書き
ましたが、弱者は、必ずしも
きめ細やかな活動を実践できる
水準の成熟度に至っている会社で
あるとは限りません。
冒頭の「値上げできない」会社とは
そういう会社と言えるでしょう。
今回の結論は、事業は「もの」で
勝負できる余地は少なくなってきて
おり、「売り方」や「製品の効用」と
いった「こと」で勝負しなければ
ならなくなってきているという
ことです。
これは、文字にすると当然と感じ
られることですが、意外と、強者
(大企業)と同じ商品や製品を
同じ売り方で売ろうとしていて、
競争に敗れている中小企業は多いと
私は感じています。
まず、このことに気づくことが、
事業の改善の第一歩であると
私は考えています。
近年は、AIやIoTなどが普及して
きており、大企業であっても弱者の
戦略をこれらによって実現させようと
してきています。
中小企業もあまり残された時間は
ありません。