[要旨]
ワークマンでは、アウトドア需要に応えるワークマンプラスの出店で、新たなブルーオーシャンを見つけましたが、それは、ランチェスター戦略の考え方に基づく、小さな市場の掘り起こしによるものです。
[本文]
前回、ワークマンの専務、土屋哲雄さんのご著書、「ワークマン式『しない経営』」から、ブルーオーシャン戦略では、ブルーオーシャンがレッドオーシャンに変わるときの対策が必要ということについて書きました。今回は、土屋さんは、どうやって、ワークマンの新しいブルーオーシャンを見つけたのかということについて述べます。
これまでのワークマンは、「作業服」の需要に応える店でしたが、新たな需要(ブルーオーシャン)として、「アウトドア」の需要に応える、「ワークマンプラス」を2018年9月に開店しました。結論としては、2020年3月期の同社のアウトドア部門の売上は、400億円になり、成功という結果になりました。
もちろん、このような果実を得るまでの経緯は、一朝一夕で得られたわけではありませんが、ランチェスター戦略との組み合わせが鍵となったようです。すなわち、土屋さんは、小さな市場は競合が少ないという点に目をつけた結果、「アウトドア」の需要を見つけたそうです。
ブルーオーシャンを見つければ、大きな利益が期待できるものの、そう、たやすく見つかるものでもないということは、多くの経営者の悩みになっていると思います。土屋さんは、「しない経営」を徹底しようとしているのは、ワークマンにとってのブルーオーシャンは、「小さな市場」であるということを確信しているからでしょう。これからの時代は、「小さな市場」が、ブルーオーシャンとして注目されていくのかもしれません。