[要旨]
ビジネスでは現状に満足できないことはたくさんありますが、その原因は、意外と自分自身にもあるということもあるので、自分自身の行動や考え方を見つめなおすことで、現状の打開策が見つかる可能性があります。
[本文]
土地家屋調査士で、遺品整理アドバイザーの、上東丙唆祥(じょうとうひさよし)さんのブログを読みました。ブログの要旨は、日本の社会は、どんどん便利になってきており、あまり他人の協力を得なくても暮らしていけるようになってきているが、逆に、そのことが、人と人の助け合いを不要にしてきている。すなわち、高齢者であっても独り暮らしが比較的容易になり、その結果、人と人との関係の希薄化が進んでいけば、高齢者の孤独死が増えることは必然である、というものです。
私は、この上東さんの分析は正しいと思います。独り暮らしの高齢者が増え、さらに、孤独死が増えることは望ましくありませんが、一方で、社会の利便性が高まることが、高齢の方の独り暮らしを増加させていることも事実でしょう。そして、これも上東さんが指摘していますが、もし、孤独死を増やしてはならないと考えるのであれば、社会そのものを変えなければ、根本的な解決にはなりません。
しかし、私は、社会問題の専門家ではないので、高齢者の方の孤独死については、これ以上は言及はしません。ただ、上東さんは、これから先も高齢者の方の孤独死がなくならないだろうと考えており、その理由として、「過去、多くの人たちが、長いものに巻かれ、良く考えもしないで、今を選択してきたからだ」と述べておられます。そして、このことは、ビジネスにも通じると考えたため、今回、上東さんのブログを引用した次第です。
というのも、孤独死を迎えた方は、気の毒ではあるものの、独り暮らしは、決して強制されたものではありません。確かに、100%の責任があるとは、直ちにはいえませんが、その大きな部分は、やはり、ご本人の選択(選択しないという選択も含めて)ということになるでしょう。このことは、繰り返しになりますが、ビジネスにもあてはまると、私は、考えています。
私の場合、私と同様にコンサルティングをしている方の中には、日本中を講演に回ったり、年に数冊も出版を続けている方がたくさんいます。私も、同様のことをしたいと考えているのですが、その一方で、私は、仕事よりも優先していることがあります。家族の事情などで、私は、長期間、家を空けることができないので、遠方へ出かけることは、あまりできません。執筆に割ける時間も、あまり、捻出できません。
ですから、東奔西走しているコンサルタントの方がとてもうらやましいのですが、その一方で、それを実践していないのは、何らかの不可抗力の障害があるからということではなく、自分の意思でそれを実践していないのです。(もちろん、私が、「24時間365日、仕事をしても大丈夫」という状態になったとき、トップコンサルタントになれるという保証もないのですが…)
要は、いま、自分の仕事に不満があるとしても、それは自分の選択によるものということが分かっています。だからといって、自社の業績に不満がある会社経営者の方のすべてが、その不満の原因が、経営者の方自身にあるとは限りませんが、いったん、頭の中を白紙にして、不満の原因を調べてみると、意外と、経営者の方自身が変わるだけで改善できることがあるということが、見つかることもあるのではないかと、私は考えています。
これは、私自身にもあてはまるのですが、人の心には弱い面もあるので、会社の業績がよくないときは、その責任が自分にあるとは認めたくないということもあります。でも、気づかないうちに、間違った行動をしていることもあるかもしれないということを、上東さんのブログを読んで、改めて感じました。もし、お心当たりのある経営者の方は、ぜひ、自分自身を分析してみることをお薦めします。