[要旨]
事業の改善のためには、コンサルタントの役割は大切であるものの、その大部分は、経営者自身が携わるものであることから、当然のことながら、経営者の方の依存心が大き過ぎると、コンサルタントの力だけでは、改善は困難になります。
[本文]
経営コンサルタントの相馬一進さんが、相馬さんのブログで、発明家のエジソンの名言について解説しておられました。すなわち、「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」という名言は、「99%の努力が大切だ」ということを伝えようとしているのではなく、「1%のひらめきがなければ、努力をしてもムダである」ということを伝えようとしているものだということです。そこで、コンサルタントは、クライアントの「1%」を引き出すために、大切な役割を担っていると、相馬さんは述べておられます。
私も、相馬さんの考えに同感です。ちなみに、経営コンサルタントの小山昇さんは、コンサルティングをする相手を選別しているということです。残念ながら、コンサルタントがどれだけ優秀であったとしても、業績の改善は、経営者自身が担うものであり、コンサルタントの関与だけでは、業績の改善に限界があるということも事実と言えるでしょう。
そういう私は、経営コンサルタントとしてクライアントさまを選ぶことができるほどの能力や実績はありませんが、ただ、経営者の方が依存的である場合、せっかく外部の専門家などの支援を受けても、その効果は薄れてしまうと考えています。例えば、私は、業績を改善したいというご相談を受けたとき、事業計画を立て、月次でその遂行状況を検証するという、PDCAを実践することを提案します。恐らく、PDCAを実践することは、難易度の高いことではないと思うのですが、どういうわけか、それを実践しない人の割合は高いようです。
その原因として考えられることのひとつは、PDCAを実践して、自ら改善方法を見つけることは面倒なので、コンサルタントに改善方法をすぐに教えてもらいたいという、依存的な考えを経営者の方が持っているからだと思います。前述の相馬さんの解説のように、「1%」のひらめきを得ることができるよう、コンサルタントはご支援をするものの、やはり、経営者自身の99%の努力を欠くことはできないでしょう。むしろ、99%の努力があってこそ、リーダーたる経営者の方の周りに、優秀な支援者が集まって来るのではないかと、私は考えています。