鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

タワーマンションと高級車

[要旨]

よく、大きな物欲を持って起業しない方がよいという意見を耳にすることがありますが、それは、直接的に、業績とは無関係です。そう主張する経営者は、自分の経営者としての本質的な能力に自信がないため、物欲は持たない方がよいといった、本質的でないことにこだわっているからと考えることができます。


[本文]

経営コンサルタントの小島幹登さんのポッドキャスト番組を聴きました。要旨は、これから起業しようとする方の中には、タワーマンションに住み、高級車を買うなど、個人的な物欲を満たすことを動機とする人がいるが、顧客から見れば、その起業した会社が提供する商品やサービスがよいかどうかが問題なのであり、経営者の起業の動機は無関係なのだから、個人的な物欲を満たすために、よりよい事業を営むために励むことは問題ない、ということです。

私の考えも、小島さんと同じです。しかし、一方で、個人的な物欲は、事業運営に悪影響が出ると考えている人もいるようです。そう考える人の根拠は、経営者の個人的な欲求が強いと、経営者の行動が独善的になったり、公私混同をしたり、また、そのような経営者の姿勢を見た顧客から悪い印象を持たれてしまうということだと思います。

では、経営者に物欲がなく、公私混同もせず、品性が高ければ、その経営者の経営する会社の事業は成功するでしょうか?そのような経営者が望ましいとは言えますが、それだけでは事業は成功するとは限らないでしょう。だからといって、物欲が大きければ、事業が成功するとも限りません。

経営者に問われることは、顧客から見た、その会社の商品やサービスの質の高さなのであって、経営者の物欲が大きいかどうかは、直接的には無関係です。でも、よく、経営者自身の動機や姿勢を問う経営者がいるというのは、その人は、自分の経営者としての本質的な能力に自信がないため、物欲は持たない方がよいといった、本質的でないことにこだわっているからと、私は分析しています。

f:id:rokkakuakio:20210704135547j:plain