鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長はなぜビジョンを明らかにしないのか

経営コンサルタントの板坂裕次郎さんのブ

ログを読みました。


(ご参考→ https://amba.to/38Z26ZE


記事の主旨は、「ある会社の社長が、朝礼

のとき、従業員から、『うちの会社は3年

後どうなっているのかイメージできないの

で、うちの会社はこの先どうなって行くの

か、私たちにもはっきりとイメージが出来

るように教えてもらえませんか?』と言わ

れた。


これに対して、社長は、以前参加した勉強

会で、会社の強みやこれからの方向性を勉

強していたので、動揺する事なく、会社の

ビジョンを語ることができたため、社内は

以前よりも結束力が強まり、かなりいい方

向で動き出すことができた」というもので

す。


板坂さんが伝えようとしていることは、会

社にしっかりしたビジョンがあれば、会社

内の結束力が高まり、よい効果が得られる

ということだと思います。


私も板坂さんのご指摘の通りだと思うので

すが、それでは、なぜ、ビジョンを作らな

い、または、明確にしていない会社もある

のでしょうか?


その理由のひとつは、社長は、1日でも早

く会社を大きくして、従業員に報いたいと

思っているのは当然のことであり、それは

従業員にもわかってもらっているはずだと

いう思い込みがあるからだと思います。


ただ、私が経験的に感じるのは、従業員の

方たちは、明文化された根拠がなければ、

社長は何も約束してくれていないに等しい

と感じていると思います。


ですから、面倒と感じても、社長の思いを

ビジョンとして文字にすることは、欠かす

ことのできないことでしょう。


理由のふたつめは、ビジョンを明確にして

しまうことは、もし、事業がビジョン通り

にならなかったとき、それに関しての社長

の責任が明らかになってしまうことを避け

たいという恐れがあるからだと思います。


これに関しては、「社長は重い責任を負う

ことが当然なのだから、それから逃げては

ならない」と言ってしまえば簡単ですが、

そうはいっても建前だけで切り捨てられな

いのが現実でしょう。


ただ、これが会社を大きくする大きな壁に

なっていることも事実だと思います。


もし、事業がビジョン通りに進まないとき

に、その責任はすべて社長にあると社長が

考えてしまうとすれば、その理由のひとつ

は、事業の成果は社長の個人の能力による

ものであると考えているからかもしれませ

ん。


でも、社長はビジョンを考えることが役割

であり、それを実行するのは、社長と従業

員の組織的活動と考えれば、少しはビジョ

ンに関する考え方が変わるのではないかと

思います。


もちろん、社長は会社で最も重い責任があ

ることは間違いはないのですが、事業活動

は組織的な活動であり、社長がビジョンを

作らなければ組織的活動ができないと考え

れば、逆に、ビジョンを作らないことの方

が問題と感じられるようになるのではない

でしょうか?


板坂さんのブログを読んで、「社長は、事

業を組織的な活動ととらえれば、もっと、

新たな役割が見えるようになるのではない

か」、ということを感じました。

 

 

 

 

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