鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

見たくないものを見る

今回は、私があえて指摘するまでもないこ

となのですが、実際にあったことをご紹介

したいと思います。


何があったのかというと、私が事業改善を

お手伝いしている会社が、これまで月次で

業況を確認していなかったので、中期計画

を立て、かつ、毎月、その進捗状況を確認

することにしました。


そのことで、現時点での当該年度計画に対

する達成率を確認することができました。


そうすることで、何をしなければならない

かが明確になります。


私がお手伝いした会社では、目標売上額を

達成するまで、どの製品をどれくらい販売

すれば達成できるか、また、目標利益額を

得るには、どれくらいの粗利率を確保すれ

ばよいかということが明確になりました。


ここまでのことは、実例をあげなくても分

かることです。


では、実例で何が分かったかというと、経

営者の方が、これまで見たくないこととし

て避けていたことが明確になってしまった

という表情をしたことです。


起業した多くの方は、その事業が好きだか

ら起業した訳ですが、何に満足するかとい

うと、トップとして自分の方針どおりの事

業を営むことでしょう。


しかし、トップとして自分の裁量で事業を

行う以上、その結果に責任を負わなければ

なりません。


自分の好きな事業を、自分の好きな方針で

運営したうえで、利益を上げられるように

なることは理想なのですが、現在は、その

ようになる会社は極めて少数です。


やはり、多くの会社では利益の管理は避け

られません。


私はこれまで、月次決算を行って現状を確

認することで、より精緻な事業運営ができ

るようになると述べてきました。


これは正しいのですが、今回の事例は、経

営者の方が見たくなかったものを見ること

によって、これまであまり気の進まないこ

とをしなければならないことを受け入れざ

るを得なくなったということです。


ちなみに、その会社の社長は、業績の改善

にあたって、いままでとやり方を変えなけ

ればならないと認識しており、そこで、私

にご支援を依頼してきたわけですから、今

回の月次での現状確認によってやるべきこ

とが明確になったことは、前向きにとらえ

ています。


そして、利益を確保することこそ、自社の

事業を発展させ、自分のやりたい事業を継

続できるようにすることだとすぐに理解し

ていただけました。


今回の事例は、創作と思われるくらいの好

事例なのですが、月次決算を行っていない

会社は90%とも言われる中で、このよう

な会社は決して例外ではないと思います。


「景気が悪い」という経営者はたくさんい

ますが、それと同じくらい、月次決算を実

施していない会社もあります。


直接の因果関係を証明はできませんが、私

は、業況が芳しくない会社と月次決算を

行っていな会社は相関関係があると思って

います。


そして、月次決算を活用した事業運営を実

践することができるかどうかが経営者の能

力によるものと考えれば、会社の業績の良

し悪しは、正に経営者の能力によるものと

いえるでしょう。

 

 

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