日本経済新聞の、「サカイ引越、人手不足
に勝機あり」という記事を読みました。
(ご参考→ https://s.nikkei.com/2OexY37 )
その記事では、「サカイ引越センターの、
2019年4月~9月の連結純利益が、前
年同期比7%増の45億円で過去最高」と
なったと報じています。
その要因として、「同社は2017年3月
案件の取り込みに注力しはじめ」、その結
果、「法人向けの売上高は、2019年3
月期は441億円と、連結売上高全体の5
割弱を占める」ようになったそうです。
そして、「大型案件は、トラックを動かす
頻度が少なく生産性が非常に高い」ことか
ら、増益に大きく貢献したということがわ
かります。
では、同社は、なぜ、これまで大型案件を
受注して来なかったのかという点に疑問が
残ります。
それについては、記事には記載がありませ
んので、これは私の想像になりますが、ひ
とつは、大型案件は、受注が難しかったか
らではないかと思います。
当然、個人の小口の引っ越しは、多くの需
要がありますが、大型案件はそれと比較し
て件数は少なく、受注するには、ある程度
の労力を要するでしょう。
また、やはり、個人向けの引っ越し専門会
社に会社が軸足を置いている場合、そのま
まの体制では、大型案件を受注することは
難しいという要因もあると思います。
これらのような課題に対して、同社は、
「2019年3期に大型案件を一括で請け
負う専門チームを大阪と東京で立ち上げ、
エリアをまたいだ人員配置や配車などを差
配して効率的に法人の案件を受注できる体
制を整える」という対応をしています。
すなわち、専門チームの立ち上げは、個人
向けから法人向けへポジショニングを変更
する手法と言えるでしょう。
また、エリアをまたいだ人員配置等は、
「組織は戦略に従う」という、チャンド
ラーの法則に沿った対応と言えるでしょ
う。
ただ、このふたつの改善策については、後
付け的な法則性の分析と言えるでしょう。
実際の事業の現場では、法則ありきではな
く、どうすれば売上を増やせるか、また、
利益を増やせるかということを試行錯誤し
ながら、前述のような改善策を見出したも
のと思います。
また、同社の改善策は結果として奏功した
ために、私のような部外者が法則性を指摘
できますが、改善策を考えた方たちは、失
礼ながら、絶対の自信をもって改善策を実
践したわけではないと思います。
ただ、前向きな取り組み姿勢があったから
こそ、成果のともなう改善策になったのだ
と思います。
ここまでが前置きで、今回の記事の主旨
は、改善策は結果として法則性に沿ったも
のになる場合があるものの、それは結果論
的な面もあるので、改善策を検討するにあ
たっては、予断を持つことなく探求する姿
勢が大切ということです。
すなわち、サカイ引越センターさんのよう
な、「勉強する」姿勢が業績につながると
いうことが、今回の記事の結論です。
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