先日、ある経営者の方から、「資金繰表と
キャッシュフロー計算書は、どこが違うの
か?」というご質問を受けました。
私は、これに対して、「中小企業経営者の
方は、キャッシュフロー計算書について理
解する必要はありません」と答えました。
理由は2つあります。
ひとつは、キャッシュフロー計算書は、会
計の中級者以上の方でなければ、なかなか
理解しにくいところがあることです。
ふたつめは、中小企業では、キャッシュフ
ロー計算書は、あまり役に立たないからで
す。
会社の資金分析に関しては、キャッシュフ
ロー計算書以外にも、資金運用表や資金移
動表などもありますが、これらも同じよう
な理由で中小企業の財務分先には向いてい
ません。
なぜなら、中小企業の資産規模は比較的小
さく、少しの要因で大きく変動するからで
す。
(この件については、こちらの記事をご参
照下さい。→ https://bit.ly/2DfcEFT )
これをひとことで言えば、中小企業は、会
計的な観点からの細かな分析は向かないと
いうことです。
ところで、最初の質問にもどると、資金繰
表については、単純な表ですので、これに
ついては説明は要らないでしょう。
これは、手許の現金(および決済性預金)
の残高を、今後の売上金の入金や、仕入、
経費支払などの要因を加味してどのように
増減していくかを説明する表です。
一方、キャッシュフロー計算書は、上場会
と同様に、作成が義務付けられている財務
諸表の一部で、営業活動、投資活動、財務
活動の3つの観点から、手許現金の増減の
要因を示すものです。
繰り返しになりますが、中小企業経営者の
方は、キャッシュフロー計算書について理
解する必要はありませんが、もし、ご興味
を持った方は、拙著、「図解でわかる小さ
な会社の経営に活かす会計いちばん最初に
読む本」( http://amzn.to/1M3mszZ )に易
しく解説してありますので、同書をお読み
いただけると幸いです。
話を戻して、中小企業経営者の方は、当月
から6か月~12か月程度分の作成をして
おくことをお薦めします。
(ご参考→ https://bit.ly/2PaCsrB )
資金管理に絞って述べれば、中小企業経営
者の方は、資金繰表の作成だけで十分な資
金管理ができます。
ただ、資金繰表も作成していない会社が多
いというのが実態ですが、銀行から融資を
受けるには、資金繰表があるだけで説明の
負担がかなり少なくなるので、資金繰表を
作成していない会社は、直ちに作成される
ことをお薦めします。
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