鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

金融庁による不振地銀10行の重点監視

先日、日本経済新聞が、「金融庁は経営難

で将来の存続が危ぶまれる地方銀行10行

を対象に重点監視に入った」と報道しまし

た。


(ご参考→ https://s.nikkei.com/2ZCMK8N


これは、「改正した『早期警戒制度』の初

適用」であり、従来の「早期是正措置」で

は、自己資本比率が規制水準の4%を下回

らなければ、業務改善命令や業務停止命令

を発動できなかったものが、「リアルタイ

ムで手を打つことで、危機の芽を早く摘ん

で、安定した地域金融システムを維持」で

きるようになるということです。


ここまでは記事の内容ですが、この記事は

いわゆる「バルーン記事」だと思います。


「将来の存続が危ぶまれる地方銀行10

行」というのも、すでにSBIホールディ

ングスから支援を受けることを公表してい

る、島根銀行福島銀行に近い財務状況の

銀行であることは容易に推測でき、具体的

な銀行名を推測することは、それほど難し

くないでしょう。


そして、以前、「規模の小さい銀行ほど、

今後の合併・統合に消極的である」と述べ

ましたが、金融庁も、そのような腰が重い

銀行に対して、従来よりも強い姿勢を見せ

ることで、具体的な行動を促そうとするた

めに、この記事を新聞社に書かせたのでは

ないかと、私は想像しています。


(ご参考→ https://bit.ly/2Q9d4o4


約20年前の金融危機のときは、多くの金

融機関が破たんしましたが、当時の破綻し

た金融機関の経営者たちは、自己保身的と

なり、改善のための活動をあまり積極的に

行わなかったことが、その原因になってい

ます。


これからは、そのような轍を踏む金融機関

が現れることがないよう、金融庁も積極的

な働きかけをすることが望ましいと思いま

す。


また、銀行利用者の観点からは、規模の小

さい銀行と取引のある会社は、慌てて行動

する必要はありませんが、中堅以上の規模

の銀行とも融資取引をしておくことが望ま

しいと思います。

 

 

 

 

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