鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

地方銀行の商社設立

先日、日本経済新聞に、「地銀、地域商社

を設立しやすく金融庁規制緩和」という

記事がありました。


(ご参考→ https://s.nikkei.com/2kjhdZH


記事によれば、「金融庁は銀行が地域商社

をつくりやすいように9月にも規制を見直

す。


監督指針で銀行が取り組める事業範囲を明

確にし、地方銀行に設立を促す。(中略)


商社が地元産品の販路を開拓したり、中小

企業の経営相談に乗ったりすれば、地銀の

収益源や融資先は増えると期待される。


地域商社は地銀の活路になるとみて環境を

整える」とあります。


私も、金融庁のこの方針に賛成です。


銀行は、多くの会社に融資をしていること

から、一般的な商取引相手よりも詳しい情

報を持っています。


だからこそ、ビジネスマッチングや、ノウ

ハウの提供も可能になります。


それを活かすための事業のひとつが、「地

域商社」ということになるでしょう。


ただ、銀行は免許事業によって融資をする

ことが許されていることから、その立場で

得られた情報を自社のために利用すること

は公正な競争を妨げる恐れがあるため、こ

れまで、銀行の業務範囲は制限されていま

した。


しかし、現在のような、人口が減少しつつ

ある地方都市においては、銀行の持つ有用

な営業情報を経済活性化のために活用する

ことは、望ましいといえるでしょう。


そして、この銀行による「地域商社」は、

銀行の取引先のビジネスチャンスを増やす

とともに、銀行にも収益をもたらしてくれ

る一石二鳥の施策にはなると思います。


ただし、私は、地域商社を銀行がつくった

だけでは、銀行の経営基盤が安泰するとは

考えていません。


そのひとつは、「地域商社」で恩恵を受け

る銀行の融資相手は限定的だからです。


地方銀行の融資相手は、規模の小さな会社

が多く、もともと商社を必要としていない

会社も相当数あるからです。


また、一般的な地方銀行は、融資額よりも

預金額の方が多く、預金業務から得られる

収益についても改善しなければ、銀行全体

の収益が安定するとはいえないでしょう。


したがって、この新しい動きは歓迎すべき

ものであるものの、これだけでは地方銀行

が現在かかえている課題が解決するわけで

もないということに注意が必要です。

 

 

 

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●9月13日開催融資勉強会のお知らせ

 

私が銀行出身のコンサルタントということ

もあり、頻繁に、士業の方、開業予定者の

方、保険会社の方など多くの方から、融資

に関するお問い合わせがよせられています。


そこで、これまで受けたお問い合わせなど

を交えながら、融資に関する勉強会を開く

ことにしました。


■日時 9月13日(金)

19時00分~21時00分


■会場 新宿アントレサロン


東京都新宿区新宿2丁目12番13号

東京メトロ丸ノ内線副都心線、及び、都

営地下鉄新宿線新宿三丁目駅」C8出口

より徒歩1分


地図→ https://bit.ly/16cEDSR


■参加費 1,000円(消費税込み)

当日、会場でお申し受けします。


■申し込み方法

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