鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

釣った魚にえさを与えない

先日、本田健さんのポッドキャスト番組

で、「釣った魚にえさを与えない」という

ことが話題になっていました。


(ご参考→ https://goo.gl/DHGLXz


最近は、男性と女性が交際を始めた後、主

に男性が女性に対して、以前より比較して

接し方が冷たくなることを指して、「釣っ

た魚にえさを与えない」というようです。


でも、もともとは「釣った魚にえさはやら

ぬ」という慣用句のようで、単に、親しい

間柄になったあとは、相手の機嫌をとる必

要はなくなるということを指すようです。


ここまでは前振りで、ここから本題に入り

ますが、ビジネスでも「釣った魚にえさを

与えない」ということが、まま、起きてい

ると私は感じています。


これは、私自身も体験したことがあるし、

複数の知人が違った場面で体験したことが

あるようです。


そのひとつの例を示すと、自動車の購入を

検討していた私の知人のAさんは、販売店

の営業マンから熱心な薦めがあり、高級車

の購入の契約をしたそうです。


そして、代金を支払った後、1か月後に納

車になる予定が、予定日を過ぎても納車さ

れなかったそうです。


そこで、Aさんは、販売店に問い合わせた

ところ、納車が遅れるということを告げら

れたそうです。


Aさんとしては、納車が遅れることそのも

のには大きな不満はなかったものの、遅れ

ることを前もって知らされず、しかも、当

初の予定日を過ぎて、Aさんから問い合わ

せを受けて初めて予定が変わったことを知

らされたという対応の悪さに、大きく憤慨

したようです。


結果として、Aさんは、販売店の謝罪を受

け入れ、後日、その販売店から自動車を受

け取ったようですが、販売店の信用には傷

がついてしまった結果となりました。


このように書くと、この自動車販売店の対

応はなんとひどいのだろうと多くの方は感

じると思いますが、前述のように、このよ

うな例は少なくないと私は感じています。


その原因は、私が書くまでもないと思いま

すが、営業マンは、契約をとるまでは熱心

であるものの、契約した後は、その相手を

顧客とは思わなくなってしまうのでしょ

う。


正に、「釣った魚にえさを与えない」とい

う状態だと思います。


では、なぜ、このような顧客対応が頻繁に

起きてしまうのかということを考えると、

経営者が従業員に対して、アフターサービ

スの大切さを認識させていないからだと思

います。


この点には触れていませんが、以前、紹介

した、自動車販売店のネッツ南国では、ア

フターサービスに力を入れて顧客を増やし

ています。


(ご参考→ https://goo.gl/w94mBu


すなわち、新規顧客獲得に注力するより

も、既存顧客を感動させ、リピート購入を

促したり、知人の紹介を得るという戦術が

基本のようです。


この戦術についても理解は容易であると思

いますが、実践、浸透している会社は、割

合としてはまだ少ないのでしょう。


では、なぜ「釣った魚にえさを与える」戦

術が浸透しないのかというと、それは、新

規顧客を獲るという戦術よりも、難易度が

高いからだと思います。


もう少しきつい言い方をすると、単に、新

規顧客を獲れと指示してさえいれば、経営

者としての役割を果たしていると感じてい

ると考えてしまう経営者の方が多いのかも

しれません。


今回の記事の結論は、意外と実践されてい

ない、「釣った魚にえさを与える」戦術を

実践するだけでも、自社の業況が変わるか

もしれないということです。

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20180719134831j:plain