鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長が4番でエースの会社に未来はない

経営コンサルタントの板坂裕次郎さんのご

著書、「2000人の崖っぷち経営者を再

生させた社長の鬼原則」

( https://amzn.to/2JuCMww )を拝読しま

した。


同書には、私がこれまで述べてきた内容と

同様のことがたくさん書かれているのです

が、その表現の仕方がとても面白いので、

今回は、そのいくつかを引用させていただ

きたいと思います。


「中小企業の社長は、高校野球に例える

と、地区予選を2つか3つ勝ち上がるチー

ムの4番でエースだ。


9回まで相手チームを0点に抑え、自らが

ホームランを1本打てば試合に勝てる。


しかし、甲子園に出る強豪チームは、1番

打者が内野安打で出塁し、2番打者がバン

トで送り、3番打者が四球を選び、4番打

者が適時打で得点するという、役割を分担

して試合に勝っている。


会社経営でも、社長がひとりで会社を引っ

張っていくには限界があり、従業員全員で

役割分担をするようにしなければ、頭打ち

になる。


そこで、全員野球で成功したいなら、社長

は現場から一歩引き、監督に徹しなければ

ならない」(159ページ)

 

このことは、事業で成功するには組織的な

活動が大切であり、そのために、経営者の

方は組織的な活動を維持するための役回り

に徹しなければならないということです。


そして、その「経営者」の役割が「経営」

であるということです。

 

「『社長』と『経営者』は似ているようで

まったく違う。


社長になるには試験も審査も不要であり、

1円以上の資本金を支払い、法務局で手続

きをすれば誰でもなることができる。


でも、経営者になるには勉強が必要だ。


ある社長は、おいしい料理を出せば客が来

ると信じ、腕の良い料理人を雇って飲食店

を出店した。


その店は、当初は評判がよかったが、半年

も経つと評判がガタ落ちした。


フロアのアルバイトの接客の質が低かった

ためだ。


そこで、その社長はアルバイトを教育して

店をもう一度軌道にのせていった。


この社長のように、失敗したときに、どう

対処するかが、社長から経営者るための分

かれ目になっている」(83ページ)


私は、これまで「社長はポジション、経営

者はファンクション(役割)」と述べてき

ました。


すなわち、社長というポジションに就いた

からといって、経営者としての役割を果た

すことなしには事業は成功しないというこ

となのですが、板坂さんも同様のことを述

べておられるのだと思います。


ちなみに、板坂さんのコンサルティング

は、顧問先の社長にブログを毎日更新する

ようご指導されておられるそうですが、1

年継続できる社長は半分だそうです。


そして、板坂さんによれば、それは、社長

から経営者になれる人の割合と同じだとい

うことです。


「社長」は誰であれ事業を成功させたいと

思って起業していると思いますが、成功で

きるかどうかは、最終的には本人の意思の

強さにかかっているということを改めて感

じました。

 

 

 

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