鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ぶれない

先日、横浜DeNAベイスターズ初代社長

を務めた、池田純さんのご著書「空気のつ

くり方」( http://amzn.to/2x23JBA )を読

みました。


池田さんは、ベイスターズの野球チームと

しての成績が振るわない中で、売上高を

2011年の51億円から、2015年に

93億円に増やした功績で有名です。


その具体的な手法は、池田さんのご著書を

お読み頂きたいと思いますが、そのポイン

トはファンをよろこばせる要素である「空

気」をどうやってつくるかというところで

あると思います。


そして、なぜ、池田さんが売上高を5年間

で80%以上伸ばすことができたかという

理由を探りながら読んでいったところ、そ

の最大の理由は、当たり前と感じるかもし

れませんが、意思の強さだと思いました。


意思の強さのひとつの現れとして、池田さ

んは、いったん口にしたことを、周囲の反

応が否定的であっても撤回しなかったそう

です。


これをすぐに撤回してしまうと、逆に、信

頼を失うと考えたそうです。


すなわち、ぶれることをしなかったという

ことです。


これは、池田さんは精神的にきつかったと

本に書いていました。


もうひとつは、匿名組織内調査をして、自

分への痛い空気を受けとめるということを

したそうです。


すなわち、従業員が社長である自分をどう

思っているのかということを匿名で調査し

たということです。


従業員が社長をどう思っているのかという

ことを、一方的にきかされるということは

とてもつらいということは、想像に難くあ

りません。


実際に、「社長はひとりで戦っている」、

「いつも忙しそうで話しかけにくい」とい

う意見があったそうです。


さらに、「なぜ黒字にしなければならない

のかわからない」という、社長である池田

さんの考え方と真逆のことを考えている従

業員が多く、池田さんと同じ思いの人は、

池田さんの期待より少ない3分の1にとど

まったそうです。


でも、池田さんは、現実を知ることができ

たから、判断を誤ることはなかったと書い

ていました。


私も、これまで経営者の役割はつらいもの

と書いてきましたが、池田さんの具体的な

経験を知り、引き受けることは本当にたい

へんなことだということを感じました。


ただ、池田さんのような意思の強さがあれ

ば、赤字があたりまえといわれているプロ

野球球団を黒字にすることも可能なのだと

いう、希望も感じることができました。

 

 

 

 

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