鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

おごるな上司!

先日、テレビ東京モーニングサテライト

という番組で、相模鉄道社長の滝澤秀之

さんが、かつて読んだ「堀田勉のおごるな

上司!」という本に大きな影響を与えたと

お話しされておられました。

 

同書は、平成6年のベストセラーで、

私も面白く読んだことを記憶しています。


内容としては、「上司」という立場は、

権限が与えられているから、部下は、

権限にしたがって、上司の指示通りに

動いているのであり、上司は、決して

自分の能力があるから部下は言うことを

ききいれていると考えてはならないと

いうものです。


そして、この内容も多くの方は賛同

されるであろうし、また、ここで、

私が改めて述べるまでもありません。


ところが、私自身のサラリーマン時代は、

勤務している会社にも、お取引先にも、

この堀田さんの戒めに反して、肩書に

頭を下げられているにもかかわらず、

自分に頭を下げられていると考えて

しまう人をたくさん見ました。


そして、それはいまだになくならない

ようです。


例えば、不適切会計を行ったと報じ

られている大手家電メーカーは、

業績が悪化している状況に対して、

改善を行うことが本当の経営者の

課題であったにも関わらず、社長と

いう強力な権限を持つ立場を悪用して、

違法な会計操作を部下に命じています。


違法なことを命じているわけですから、

もし「社長の権限」がなかったら、

命じる側も命じることが難しかった

であろうし、命令をきく側も、受け

いれることはしなかったでしょう。


話を本題に戻すと、今回、私が述べ

たいことは、人は「権限」を間違って

理解したり使ったりしやすいという

ことです。


すべての方にはあてはまりませんが、

独立して会社を作り、社長に就きたいと

考える人の動機には、社長の権限に

魅力を感じているからでしょう。


社長の権限があれば、会社の事業を

自由に進められるわけですから、

それは魅力的です。


しかし、権限は、責任も持つという

裏付けがあるから得られるものです。


これも多くの方は否定はしないと

思いますが、責任のことになると、

「中小企業は経営環境が厳しいから」

という、逃げ腰になる人も少なく

ありません。


経営環境が厳しいことも事実だと

思いますが、まず、第一に、社長に

責任があるということに変わりは

ありません。


今回の内容は「権限・責任一致の

原則」が大切だということですが、

人はどうしても権限を持つと、

保身的になってしまい、それが、

不幸な結果を導く例が多いので、

トップに立つ人は、十分に心して

欲しいということです。

 

 

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