前回に引き続き、今回もテレビ東京さんの
感じたことを書きます。
昨年のことですが、
外食産業の物語コーポレーションさんの
小林佳雄さんが、オランダのジャーナ
リストであるウォルフレンの著書、
という本を薦めておられました。
この本の要点は、日本は官僚が説明責任を
果たさず、日本人に「シカタガナイ」を
押し付けていることが、日本を不幸にして
いるというものです。
ちなみに、小林さんは、朝礼などで
従業員の方に会社の方針を説明し、
さらに、周りの空気を気にせずに
反論できる機会を与えているそうです。
また、ウォルフレンは著書の中で、
日本は、同質社会を脱却することが
必要と述べていることから、小林さんは、
会社の方針に従業員の方針を従わせる
のではなく、従業員の方針を集めて
合わせたものが、会社の方針と
なるように心がけているそうです。
社名の物語コーポレーションとは、
従業員の「自分物語」がよせ集まって
「会社物語」になって欲しいという
意味なのだそうです。
その結果、同社の離職率は、飲食業界の
28.6%を大きく下回る11.7%と
なっているそうです。
話を本題に戻します。
私は、ウォルフレンの指摘する通り、
説明責任を果たすことは重要であると
考えています。
ただ、日本には、伝統的に、阿吽の呼吸、
腹芸、寝技、瀬踏み、根回し、ツーカー、
魚心あれば水心といった習慣があり、
かつては、これが社会をうまく動かす
仕組みであったと思います。
しかしながら、これは、リーダーに私心が
ないことが前提で、最近では、高級官僚の
天下りが「魚心あれば水心」ということで
問題になっているところです。
これは、かつて私が働いていた会社を
批判することになるのですが、私が勤務
していたころは、説明責任が不十分で
あったと思っています。
もちろん、会社には説明責任があるから
といって、すべてそれを果たすことは
難しいとは思います。
しかし、批判する理由は、説明責任が
すべて果たされていなかったからでは
なく、説明できないことが多いと感じて
いたからです。
これを言いかえれば、当時の経営者の
人たちは、説明できないこと決断して
ばかりだったということでしょう。
これは結果論でもある面もありますが、
私が勤務していた会社は、その後、
倒産しました。
倒産の理由はひとつだけではありま
せんが、当時の会社のリーダーの
人たちが、説明責任をもう少し意識
してくれていればと思っています。
これの逆の例として、私は、故障した
航空機のパイロットの説明を思い出し
ます。
これは報道番組で見たのですが、
飛行中の旅客機が、車輪が出なくなり、
胴体着陸をせざるを得なくなった
そうです。
そこで、機長は、飛行機の状況と、
これから、胴体着陸を行うこと、
着陸のときの衝撃を和らげるために、
燃料が少なくなるまで、空港の上空で
しばらく飛び続けることなどを、
包み隠さず説明したそうです。
そうすることで、胴体着陸は避けられ
ないという状況に変わりはないものの、
乗客は、落ち着くことができたという
ことです。
経営者は、従業員の方の人生、機長は、
乗客の命を預けられているという点で
共通していると思いますが、前述の
機長の対応は、経営者の方の参考に
なると思います。