鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

『痛みを避ける』活動では発展しない

[要旨]ある鶏肉専門の飲食店では、顧客の要望に応えるために、牛肉や魚のメニューを増やしましたが、このことによってオペレーションが複雑化し、従業員の方が疲弊してしまったことから、逆に、売上が減少してしまいました。この例のように、顧客を失いた…

商品を絞り込み付加価値を高める

[要旨]ある印刷会社では、幅広い商品を取り扱っていましたが、そのことにより作業効率が悪く、従業員の長時間労働が続いていました。そこで、商品の絞り込みを行なった結果、顧客の真のニーズを把握するための時間の余裕ができ、顧客の課題のソリューショ…

複雑な経営は社長と社員の時間を奪う

[要旨]例えば、飲食店で、売上を増やすために、さまざまな顧客に応じることができるようにしようとして、メニューを増やせば増やすほど、仕事が複雑化し、従業員の負担も大きくなり、却って、サービスの質を低下させ、顧客からの評価を下げてしまいかねま…

与信管理で連鎖倒産を避ける

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、中小企業の多くは、販売先に対する与信管理を行なっていないそうです。しかし、与信管理をせずに、単に、相手の求めに応じて販売していると、売掛金を回収できず、損失が発生してしまうだけでなく、自社の資金繰…

売掛金は『後始末』よりも『前始末』

[要旨]売掛金は回収もれが起きないよう、常に注意しなければなりませんが、貸倒が発生した後の「後始末」よりも、貸倒が発生する前に手を打つ「前始末」、すなわち、「リスクを防止するために先に手を打つ」ことが効果があります。そして、この前始末は、…

機械の購入代金は耐用年数で費用化

[要旨]会社が機械を購入した時、その購入代金をすべて購入した会計年度の費用としてしまうと、その機械で生産した製品の原価を正しく測定することはできません。そこで、機械を使用できる期間に応じて、機械の購入代金を費用として計上すること、すなわち…

在庫削減は全社的な経営革新運動

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、在庫を大幅に削減しようと考えたら、単に、月末や決算期末だけ少なくすればよいということでは足らず、製造工程の原材料投入時点から、最終製品が出来上がり、出荷する時点まで、すべての工程で、根本的な合理化や効率…

製販バランス管理

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、滞留在庫を作らず、在庫切れも起こさないようにすることは簡単なことではありませんが、至難の業でもないとご指摘しておられます。すなわち、在庫が発生している、それぞれの過程で数字化して、その数字の変化を観察し…

1人当たり損益計算書の費用構成

[要旨]会社の損益計算書は、業種によって費用の構成が異なるため、従業員1人当たりの給与を得るために必要な売上高も異なります。そこで、従業員1人当たり損益計算書を従業員に示すことによって、自分の給与を得るために必要な売上高の根拠を示すことが…

社員1人当たり損益計算書

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、会社の財務諸表を、単に、従業員に公開しただけでは、財務諸表の数字が大きいので、実感を感じてもらうことができないものの、従業員1人当たりの損益計算書を作成すると、1人当たりの売上高や利益額を把握でき、身近…

組織バス1台説

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、会社が成長するにつれて、従業員数も増加していきますが、それぞれの規模にそれぞれの課題が発生するので、経営者は、単に、売上の増加だけに注力するのではなく、組織体制の適正化に、より、注力する必要がある…

管理はカネを生まないがカネがかかる?

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、「管理はカネを生まないが、カネがかかる」と考えている社長は経営者失格と考えているそうです。経営のかじ取りの「かじ」や羅針盤、あるいは業績等の生産性を測る役目をするのが管理部門なので、例えば、「正確・迅速…

経営計画は夢を『逆算』して作る

[要旨]経営計画は、自社が目指す10年後の姿を逆算し、現在、どういう活動をすべきかを明確にする役割があります。これを着実に実践していくことで、目指す会社に近づくことが可能になります。また、計画と実践した結果に差異が発生したときは、どこをど…

適正な人員配置でチェック機能を構築

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、経理担当と財務担当は、内部統制の観点から、別の人が担わなければならないと考えているそうです。もし、両者を同じ人が担当すると、例えば、顧客から売掛金10万円を回収しても、2万円を横領し、8万円だけ回収した…

業務が属人的な会社は発展しない

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんが、ファーストリテイリングの監査役に就任し、上場のための準備を始めたとき、同社は、まだ、管理部門の業務が属人的になっている状態でした。そこで、安本さんは、柳井社長に改善を依頼し、経理部門の従業員を中途採用し…

マイルストーンで今の活動を明確にする

[要旨]株式を上場させる前のファーストリテイリングでは、社長の柳井さんが、マイルストーンを掲げ、それを目指して活動してきたことが、同社を発展させた大きな要因になっていると考えられます。具体的には、1991年に、「標準的な店舗を、毎年、30…

経理は単なる会計係ではなく経営管理

[要旨]パナソニック創業者の松下幸之助さんは、「経理というものは、単に、会社の会計係ではなく、企業経営全体の羅針盤の役割を果たす、いわゆる、経営管理、経営経理でなければならない」と考え、経理を重視した結果、業績を安定的に発展させることがで…

現場が忙しくても赤字になることがある

[要旨]経営者の方は、事業活動で、利益を得るための活動を行います。ところが、時には、経営者の方が利益を得ようとして行った活動が、結果として、赤字になることもあります。そこで、適宜、会計データを照会しながら、事業活動が利益をもたらしているか…

全員経営+会計思考=全員会計思考経営

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんは、小倉昌男さんが提唱している全員経営、すなわち、経営の目的や目標を明確にした上で、仕事のやり方を細かく規定せずに、社員に任せ、自分の仕事を責任をもって遂行してもらうことに、会計思考を組み合わせた、「全員会…

会計思考でPDCAを回し会社を強化

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、ビジネスの基本は、PDCAをうまく回すことであり、そのためには会計思考が重要になるということです。そして、この会計思考とは、競争に勝つために利益を生み出し、お金を残すために会計数字を使って思考する…

決算書は会社の将来へのジャンプ台

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、決算書は、経営者の1年間の成績表であり、現在の会社の姿を映す鏡と言えるということです。すなわち、自分自身では気付きにくい身体の異常値が、健康診断で分かるのと同様に、何年か継続して自社の決算書を見て…

会計数字を把握しリスクを抑える

[要旨]公認会計士の安本隆晴さんによれば、適切な経営判断を行おうとしても、詳細な財務分析をするための会計データを把握していない中小企業は少なくないそうです。しかし、詳細な会計データを把握することで、事業がうまく行かなかったときの要因を正確…

会計思考がなければ強い会社にならない

[要旨]ファーストリテイリングの柳井さんは、かつて、あまり会計思考を持っていなかったそうです。しかし、公認会計士の安本さんと会ってから、その重要性を理解し、会計に精通した方を会社のナンバー2として選任し、重用した結果、同社は発展していった…

稼働中×民間施設×改修工事で勝つ

[要旨]阪神佐藤興産は、(1)稼働中の、(2)民間施設の、(3)改修工事で強みを発揮し、その結果、価格、品質、工期で大手に負けないという成果を得ています。このように、市場を絞り込む手法をセグメンテーションといい、これによって自社製品の魅力…

権限委譲で生産効率を高める

[要旨]阪神佐藤興産の社長の佐藤祐一郎さんは、同社で働き始めたころ、若手に現場監督をさせるようにしました。それにより、生産効率が高まり、事業が拡大すると同時に、同社が、施工会社→施工管理会社→営業会社(元請会社)へと事業形態の転換を行うこと…

『クリアな会社』は学生から評価される

[要旨]阪神佐藤興産の社長の佐藤さんは、従業員の採用面接のときに、応募してきた学生に対して、自社の現預金が、月商の1億円の9倍もあるので、つぶれることはないとご説明しているそうです。また、月次決算書も見せて、クリアな会社という印象を持って…

業績を報告するから銀行から信用される

[要旨]阪神佐藤興産の社長の佐藤さんは、3か月ごとに、取引銀行に業績を報告に行っているそうです。これは、佐藤さんが、「お金を借りた人が、貸してくれた人の信用を得るには、お金の使い道をきちんと報告する必要がある」と考えているからであり、これ…

手形を止めたら優秀な会社が集まった

[要旨]阪神佐藤興産は、協力会社への代金支払いについて、支払手形での支払いを止め、また、当月末、または、翌月15日に振込みによる支払いにしているそうです。その結果、多くの会社が同社との取引を望むようになり、優秀な会社が同社と取引するように…

銀行から顧客の紹介をしてもらう

[要旨]阪神佐藤興産は、9つの銀行と取引をしていますが、銀行から融資取引のセールスを受けた時に、融資を契約するバーターとして、顧客の紹介を依頼するそうです。しかも、銀行から紹介された顧客とは、直ちに社長と交渉できる上に、銀行のお墨付きのあ…

経営計画発表会で銀行からの信頼を得る

[要旨]阪神佐藤興産は、毎年、経営計画発表会を開いているそうですが、全従業員を参加させるだけでなく、取引金融機関を招いているそうです。そして、会社のすべての状況を、社長自らが、全従業員の前で説明することから、それは嘘ではないと言うことを金…