鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

自社の業績を他社の業績として見てみる

[要旨]

事業活動の振り返りを行っている会社の割合が低い要因のひとつは、自らの活動への評価を直視したくないという意識が働いていると思われます。したがって、そのような方は、最初は、自社の業績を、他社の業績として思って見てみるようにすることをお薦めします。


[本文]

前回、カレーハウスCoCo壱番屋の創業者の宗次徳二さんが、顧客からのアンケートを活用して、事業活動を改善してきたことを例に挙げ、事業活動においては振り返りが大切ではあるものの、それは、実際には、なかなか実行されていないということを述べました。そして、たまたま、マーケティングコンサルタントの平野友朗さんが、平野さんのメールマガジンで、それを解決するヒントになる内容を書いておられました。

平野さんによれば、人は、新たなこと、例えば、メールマガジンの配信にチャレンジしようとするときに、「それは誰が読むんだ?」、「よく自分のことを書く気になったな」などという、他者からの批判を想像し、自分の行動を抑制してしまいがちになるということです。これに対する解決策として、平野さんは、自分と似たような人を頭の中で生み出して投影することをお薦めしています。そうすると、「自分が○○をやったら××だと思われるが、他人が○○をやったらなんとも思わない」ということがわかり、しばらくすれば、自分を客観視できるようになるということです。

私も平野さんと同じことを考えています。経営者の方が、事業活動において、振り返りをあまり行わない要因のひとつは、自らの活動の結果や、それへの評価を直視したくないという意識が働いているからだと思います。それは、小学生が、夏休みに入る前に、1学期の通知表を渡されるときの嫌な気分に似ていると思います。でも、冷静に考えれば、どんな有能な経営者でも、100点の成果を得ることは困難であることは、多くの方がご理解されると思います。

ところが、やはり、自分のことになると、それを見たくないと感じてしまうのだと思います。したがって、自社の事業の成果を見るときは、平野さんのご提案のように、他社の成果と思って見るようにしてみる工夫をしてみるとよいのではないでしょうか?そうすることによって、自社の事業活動の振り返りを行うことに、抵抗がなくなっていくと思います。

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